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3D, VR, AR, AI for Medicine, Bioinformatics, NLP, Research Ethics. Views are my own. https://twitter.com/hkakeya

最近の記事

日本学術振興会への告発内容公開

独立行政法人日本学術振興会不正に関する告発等受付窓口に対して、以下の内容で告発状を送付いたしました。日本学術振興会から、告発状を公開することに問題はないとの回答を得ましたので、ここに公開いたします。なお、告発状における情報提供者の個人情報に関する部分、および添付資料3は、情報提供者の保護のために非公開とさせていただきます。

    • 「日本のウイルス学の闇」続編について

      以前、予告した「日本のウイルス学の闇」シリーズですが、現在このテーマで学術誌に投稿するオピニオン記事や総説論文(英語)を執筆中です。それらが公開された後に、それを日本語で解説する形で書かせていただこうと思います。大変お待たせいたしますが、もうしばらくお待ちください。

      • 学会参加報告

        前回、ウイルス学の闇について連載を始めると宣言したが、その前に今回は先週の学会参加報告をさせていただくことにする。これは、ウイルス学の闇ならぬ生命科学の闇に関するもので、連載の前に紹介しておく価値はあると思われる。 私が参加したのは第23回情報科学技術フォーラム(FIT2024) で開催された情報処理学会バイオ情報研究会である。 上のプログラムにもある通り、私の発表題目は "Anomalous US-wide prevalence of reversion mutant

        • 日本のウイルス学の闇:序章

          私は昨年からウイルス学会の会員になっている。昨年仙台で行われたウイルス学会学術集会は研究発表も行った。ところが、今年に入ってウイルス学の研究集会の発表申し込みを立て続けにリジェクトされている。査読付き論文がリジェクトされるのはよくあることだが、国内の研究会や学会の発表申し込みがリジェクトされることはほとんどない。リジェクトされるのは、その研究会のテーマと全く関係のない演題の場合、あるいは学問として成立しないような演題の場合に限られる。 私が新型コロナウイルス研究集会 にサ

        日本学術振興会への告発内容公開

          論文 "The Natural Evolution of RNA Viruses Provides Important Clues about the Origin of SARS-CoV-2 Variants" を読む

          荒川央博士の新型コロナウイルス変異株を解析した新たな論文がパブリッシュされた。今回は、この論文について簡単にレビューする。 この論文では非同義変異(アミノ酸を変える変異)と同義変異(アミノ酸を変えない変異)の比率に着目し、新型コロナ変異株に非同義変異が異常に多い点を評価している。オミクロン株には非同義変異が異常に多いことは、その出現直後から多くの人が注目しており、それを根拠に研究所起源の可能性が高いという人もいた。 その点を数理的に評価して、オミクロン株の変異の偏りが天然

          論文 "The Natural Evolution of RNA Viruses Provides Important Clues about the Origin of SARS-CoV-2 Variants" を読む

          日本感染症学会学術講演会参加報告・補足

          前回の報告 で書き残したことがあったので、それを補足しておきたいと思う。 感染症学会では、ワクチンに関しては基本的に積極的な話ばかりだった。次のパンデミックに期待する雰囲気が充満していたのは前回も述べた通りだが、次はもっと早くワクチンを展開しよう、国産で供給しようという話が繰り返されていた。その一方で、次はより安全なワクチンを開発しようという議論は、私が聞いた限りでは一切なかったのは大変残念だった。 感染症学会で私が強く感じたのは、人の命を預かるはずの医師たちの「軽さ」

          日本感染症学会学術講演会参加報告・補足

          日本感染症学会学術講演会参加報告

          6月27日~29日まで神戸で日本感染症学会学術講演会が行われた。 私は仕事の都合で28日、29日の2日間の参加になったが、その参加報告をしたいと思う。大会期間中の講演と質疑応答は公開だが、ブレーク中に得た情報収集は非公開の場でのやり取りなので、後者は匿名化してお伝えする。 まず、全体を通しての感想だが、学会として規模は大きいものの学術的には非常にレベルが低いとの印象を受けた。こういうと私の個人的偏見と思われるだろうが、帰り際に情報交換した大手メディアの記者も全く同じ感想を

          日本感染症学会学術講演会参加報告

          考察(荒川氏のnoteについて)

          前回まで10回以上にわたり、荒川氏と私のメールのやりとりを紹介した。分かる人には分かると思うが、「荒川氏」を「被告」、「私」「掛谷」を「原告」と置き換えると、裁判の訴状に使えるような書き方をしたつもりである。本件、既に弁護士に相談しながら話を進めているが、問題は荒川氏が海外在住で、民事訴訟に持ち込むにはハードルが高いことである。荒川氏がここまであからさまな虚偽情報を平然と公開したのも、それを理由に逃げ切れると考えたからかもしれない。荒川氏の言説をもとに誹謗中傷を繰り返した国内

          考察(荒川氏のnoteについて)

          まとめ(荒川氏のnoteについて)

          これまで10回以上にわたって荒川氏と私のメールのやりとりを紹介してきた。これらのやりとりから、荒川氏の下記noteに多数の虚偽や印象操作が含まれていたことは明白である。今回はそれらを全てリストにまとめて示す。 実際には12月27日に荒川氏から私宛に記事の紹介があり、それに対して掛谷が返信をしたというのが事実である。よって、荒川氏の上の記述は印象操作である。 プレプリントとして公開し、その後学術誌に掲載された掛谷・松本論文には荒川氏のデータは一つも使われていない。すなわち、

          まとめ(荒川氏のnoteについて)

          プレプリント公開後(2022年4月~)

          9月に掛谷・松本論文についてIPSJ Transactions on Bioinformaticsから採録通知が来た(掲載は11月)。この雑誌は日本の情報処理学会が発行するバイオインフォマティクスの英文誌である。メジャーな雑誌ではないが、Scopusには登録されている。 その報告を私から荒川氏にしたところ、荒川氏から「論文の採録決定おめでとうございます!」との返信があった。 荒川氏は自らのnoteで以下のように書いている。 しかし、下記メールにある通り、実際には上の論文

          プレプリント公開後(2022年4月~)

          プレプリント投稿完了まで(3/16~3/31)

          荒川氏から提供されたデータを差し替えた改訂版の論文を私から荒川氏と松本氏に送ったのは3月16日である。この差し替えによって、2重投稿の心配はないと伝えている。 これに続けて、松本氏からオーサーシップに関するコメントがメールで送られている(このメールは松本氏に確認の上、同意を得て公開)。 同日の夕方に私は論文の改訂版を送っている。この時点で宛先は松本氏のみで、荒川氏がCC扱いになっていることが分かる。上述のやりとりで荒川氏が実質的に著者から外れているからである。ただし、松本

          プレプリント投稿完了まで(3/16~3/31)

          論文のオーサーシップを巡って(3/13~3/15)

          私が論文草稿を送った後、荒川氏からオーサーシップに関する意見がメールで寄せられた。 これに対する私の返事のメールは以下の通りである。荒川氏を筆頭著者とする論文について、共著から外れてもいいという旨を伝える一方、私が筆頭著者の論文については私自身の貢献も大きいこと、また松本氏の貢献もあることを主張している。 それに対する荒川氏の返信は以下のとおりである。これで荒川氏を筆頭著者とする論文は荒川氏が単著となることが確定した。 その後、私が書いた私を筆頭著者とする論文の扱いが議

          論文のオーサーシップを巡って(3/13~3/15)

          掛谷の論文草稿完成(3/9~3/12)

          松本氏が共著に加わることが確定してから、データについて若干の情報交換が行われた。 全てのデータを整理して、できあがった論文の草稿を私から荒川氏と松本氏に送ったときのメールは以下のとおりである。 この論文草稿に含まれていた図表は以下の5つである。 これらの表のうちTables 1, 3, 4は私が作成したもの、Tables 2, 5は荒川氏から提供を受けたデータに基づき作成されたものである(Table 5の検定は私が行った)。最終的に論文誌に掲載された論文と比較すると、T

          掛谷の論文草稿完成(3/9~3/12)

          松本氏の助言と共著者への追加の承諾(3/3~3/6)

          Critical readingを依頼していた松本氏からの返事が来たのが3月2日で、それにコメントを添えて私は荒川氏に3月3日に転送した(なお、松本氏のメールはご本人の承諾を受けて公開している)。 それに対して荒川氏からお礼のメールがあった。 早速私は松本氏の助言をもと予備的な解析を行い、オミクロン株のスパイクタンパクとそれ以外の部分でシトシンからウラシルへの変異の数に大きな違いが見られたとの報告を行った。 その情報をもとに、荒川氏も自らが求めた各変異株のプロト配列で、

          松本氏の助言と共著者への追加の承諾(3/3~3/6)

          パリグループ発表時に論文共著の呼びかけはなかった(2/11~2/19)

          荒川氏のnoteには以下のような記載がある。 過去のメールや資料を確認したが、この荒川氏の主張は明らかな虚偽であることが判明した。 パリグループで発表をしたのは2022年2月である。このときの持ち時間は、前回紹介したメールに記載の通り荒川氏が13~14分、私が6~7分である(なお、前回紹介したメールからパリグループの会合までに、事前打ち合わせのメールが何通かあったが、それは省略する)。パリグループでの発表に使った私のスライドを確認したが、全部で12枚あった。時間的に共著を

          パリグループ発表時に論文共著の呼びかけはなかった(2/11~2/19)

          パリグループ会議後から最初の草稿受け取りまで(1/23~2/11)

          2022年1月のパリグループの会議の後、荒川氏から次のようなメールが私に送られてきた。 そして、予告通り約1週間経った2月1日に、論文の草稿が荒川氏から私に送られてきた。そのときの荒川氏のメールは以下のとおりである。 この後、忙しいので返事に時間がかかるとの連絡を一回入れた後、私から荒川氏に送った返信は以下のとおりである。 前々回の記事 で述べた通り、もともと論文をサイドバイサイドで別々に書く選択肢は荒川氏から提示されたものであった。その選択肢をとった理由を私のメール

          パリグループ会議後から最初の草稿受け取りまで(1/23~2/11)