私は昨年からウイルス学会の会員になっている。昨年仙台で行われたウイルス学会学術集会は研究発表も行った。ところが、今年に入ってウイルス学の研究集会の発表申し込みを立て続けにリジェクトされている。査読付き論文がリジェクトされるのはよくあることだが、国内の研究会や学会の発表申し込みがリジェクトされることはほとんどない。リジェクトされるのは、その研究会のテーマと全く関係のない演題の場合、あるいは学問として成立しないような演題の場合に限られる。
私が新型コロナウイルス研究集会
にサブミットしてリジェクトされたアブストラクト(抄録本文)は次のようなものである。
一方、日本ウイルス学会学術集会
にサブミットしてリジェクトされたアブストラクトは次のとおりである。
これらのアブストラクトが、研究会のテーマと全く関係のない演題、あるいは学問として成立しない演題に該当するといえるだろうか。
前者については、その成果をプレプリント論文にまとめているが、
海外の研究者グループにも注目され、依頼を受けて近々オンライン会議で講演することにもなっている。海外からそういう評価を受ける研究発表をなぜ日本国内のウイルス学の研究集会でリジェクトされるのか。私には、新型コロナウイルスが研究所起源である可能性が高いことを議論させたくないという政治的理由によるものであるとしか思われない。
日本のウイルス学は、なぜ通常の学問ではありえないほどに閉鎖的な体質をもつに至ったのか。日本のウイルス学の歴史を遡ると、その原点が見えてくる。それは旧日本軍の731部隊である。次回から数回にわたって、今の日本さらには世界のウイルス学が、731部隊の負の影響をいかに強く受けているかについて、具体的な資料をもとに解説していく予定である。