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怒りの感情とは何か?
アドラー心理学をやっている人は、たとえば、次のようにいいます。
――心が不安定な時こそ、あまり話さないようにしましょう。深呼吸を繰り返してクリアな心をイメージし、心が安定するのを待ちましょう。――
これを対処療法といいます。
怒りの感情が湧いてきたときに「ちょっと黙っておこう」と思う「お利口さん」は世の中に散見されます。しかし、現場で対処したところで、怒りの感情が根本からなくなるわけではない。明日も、もしかすれば怒るかもしれない。
怒りの感情の本質は「この自分」が嫌いだと、あなたが思っている点にあります。
目の前にいるアホなことを言うヤツが嫌い、なのですが、より本質的には、そういうヤツと今現在かかわってしまっているこの自分が嫌い、ということです。
ということは、「この自分」を好きになれば、というか認めることができれば、怒りの感情は湧いてこない、湧いたとしても対処が容易になるといえます。
ところで、この自分が嫌いな人はたえず「なりたい自分」になろうとします。
たとえば、部下5人を使って年商3億円を売り上げる会社の社長になろうとします。
しかしあなたは、もしかすれば、ひとり親方で年商2000万円が限界という「運命」を背負っているかもしれない。
積極的な異業種交流への参加や、親会社への度重なる接待や、部下のメンタルトレーニングなどをしたところで、その運命は変わらない。だからあなたは毎日部下を𠮟りつける。イライラしている。怒って後悔して、ひとり淋しく生きている。
ところで、わたしたちは2世代前の人の考え方のクセや不幸になるパターンを受け継いでいます。これは精神分析の世界の定説です。ラカンという人が70年ほど前にそれに気づいて、それ以降、定説となっています(※参考:ラカン・J『エクリ』)
したがって、怒りの感情とは、2世代前の人、すなわち祖父母の生き様を知ることで「おのずと」消えてゆきます。祖父母に関する情報が少ない場合は、祖父母の生き様を想像するしかありません。情報がないのだから。
つまり、自分のルーツ、根っこを知っている人は、そう簡単に怒らないのです。
反対に、自分のルーツを知らない人、すなわち根無し草的な生き様の人は、ことあるごとに怒るのです。怒りたいと思っているのです。
ぜひご自身のルーツを知ってみてはいかがでしょうか。