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Photo by
karatchi
夕日のムコウに見えるもの 〜 「茜色の夕日」 フジファブリック
茜色の夕日
夕焼けを見ると何かを感じる。
青みがかったオレンジ色は人の心を感傷的にさせる。
黄昏時は、夜になる前の一番暗い時間。
すれ違う人に対し、「誰そ彼」と呼びかけたことが黄昏の語源。
黄昏時は現実と架空の境界線。
黄昏時は彼方の世界へのゲートが開く時。
そのゲートから見えない世界が見えてくる。
この空のムコウ
頬を撫でる極北の風の感触、夏のツンドラの甘い匂い、白夜の淡い光、見過ごしそうな小さなワスレナグサのたたずまい……ふと立ち止まり、少し気持ちを込めて、五感の記憶の中にそんな風景を残してゆきたい。何も生み出すことのない、ただ流れてゆく時を、大切にしたい。あわただしい、人間の日々の営みと並行して、もうひとつの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい。(Selected by 星野直子)
(旅をする木 WEBサイトより引用)
この空のムコウには、人間の日常と並行して、奥深い北海道の山道をヒグマが歩き、アラスカの大海ではクジラが大空に向かって飛び跳ねている。
この空のムコウは、つながっている。どこまでも。そして同じ時間が流れている。
東京の空のムコウ
東京の空のムコウには、見えないけれど無数の星が瞬いている。北海道やアラスカの片隅から見上げるときに見える星が、そこにある。
東京の空のムコウは、つながっている。どこまでも。そして同じ星が天空に煌めいている。
見えないけれど、たしかに。
時には心の中で。
茜色の空のムコウ
茜色の空のムコウには、黄昏時の空のムコウには、彼方の世界が広がっている。過去から未来の出来事を全て包括した見えない世界が広がっている。
茜色の空のムコウは、彼方の世界とつながっている。いつでも、いつまでも。誰もがその時、彼方の世界とつながるきっかけを手にする。
茜色の夕日
茜色の夕日を眺めていると何かを感じる。
懐かしさが溢れてくる。
開かれたゲートから、感情が押し寄せる。
彼方の世界から、あの日の思い出が押し寄せる。
誰もが黄昏時、何かとつながっている。
きっとその時、誰もが愛した人の魂と出会う。
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