70年代の音楽シーンを辿る旅 Ver.1 / プログレッシブ・ロックの醸造 〜 キング・クリムゾンの衝撃
10年単位で訪れる景気の循環
コンドラチェフの波という経済学の言葉があります。世の中は約50年周期で移り変わっていく事を示唆した経済循環予測理論のことです。
第1の波
1780年代〜1840年代
産業革命の時期(蒸気機関、衣類などの紡績技術)
第2の波
1840年代〜1890年代
鉄を主とした産業の発展。鉄鋼業、鉄道、軍艦。
第3の波
1890年代〜1920年代
エジソンからの電気、電話、自動車などの発展
第4の波
1920年代〜1970年代
原子力、航空宇宙学、量子力学
第5の波
1970年代〜2020年代
デジタル技術からのインターネットやスマホ、クローンや遺伝子などのバイオテクノロジー
第6の波
2020年代〜2070年代
AI:人工知能、ナノテクノロジー
というふうに規定されます。
また、ジュグラー循環というものもあって、これは企業などが設備投資をアップデート、または切り替えるタイミングが約10年であることから、10年周期で景気は循環するという理論です。
これらの循環はよくみると10年とその倍数になっています。
このサイクルを宇宙規模まで最大化すると、太陽の黒点周期に重なったり、逆に細胞レベルまで最小化すると人間の月経周期にも重なっていたり、ということのようなんです。
人間という生物の社会に、月と地球の関係性も関わってきていて、たとえば、潮の満ち引きのサイクルと上記月経周期の類似性なども、これに当てはまってくることになります。
この話題はこれ以上深掘りをしませんが、ある一定の法則性を見出すと、未来の予測も数式上は可能になります。
面白いことに、おそらくこれは人類が近代文明開化し人口爆発していった頃から当てはまってくるものなのです。
つまり資本主義社会の流れ。
経済の流れを民衆が作り上げていくことになる資本主義社会。民衆の動きが、天体や宇宙の法則によって成り立っているともいえるわけです。人の体の70%は水ですので、月の影響による潮の満ち引きのように。
この流れで考えると、流行の移り変わりが10年単位で、わかりやすくガラッと変わるのも頷けます。音楽で言うと、50年代、60年代、70年代、80年代、90年代と見事に区別できます。
そして各10年代が終わって新たな10年代が始まるタイミングで、古いもの、役割を終えたものがバトンタッチするかのように消えていったり、または、新しいものが新たなジャンル創設のために現れたり、という流れが続いているのもみてとれます。そして過去の原型が後年、ブラッシュアップして繰り返される。
まさに循環。
この音楽史の記事では、基本的に10年という区切りで音楽史を探訪しています。過去記事は↓にまとめていますので、ぜひ、ご覧ください。
1970年代に現れた2つの潮流
前置きが長くなりましたが、今回は1970年代の始まりに焦点をあてます。この70年代の始まりの時期には、後に80年代にニューウェーブと共に、アメリカの音楽界の重要な要素を占めていたハードロック/ヘヴィメタル(HM/HR)の原型が登場します。
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