ポール・マッカートニー「Freedom」 (911を受けて創作された楽曲_その1) 〜 時代を象徴する作品Vol.2
今もなお記憶に新しい911。
あの時を目の当たりにした皆の心に刻まれている日なのかもしれません。911と書くだけで、どんなことを指すかが一目瞭然なのがその証。
あの日、たしか22時過ぎに帰宅し、ニュースを見ようとテレビをつけた時の驚きは今でも覚えています。
そのテレビはリアルタイム放映(生放送)。ビルから煙が立ち上っている。ビル火災か??それにしては、リアルタイムで流すというのはよっぽどの事があったのか??と思っていたら、何かがビルに突っ込んだ。次いで起きる爆発。
画面を通して、爆発の衝撃波が伝わってくるかのようでした。
何か歴史的な大事件が起きたことは明白でした。
翌日は新聞も何もかもメディアはすべてこの件一色。(この時代にツイッターがあったとしたらもっと状況はリアルに拡散されていたことでしょう。)
その時考えたこと
ああいう強圧的なテロリズムに出くわしたとき、誰もが皆、考えたことは「平和」という言葉の意味、そして「自由」とは何なのかという事だったのではないでしょうか?
さらに、こういう事象を目の当たりにしたとき、芸術家がその思いを形にして現し始めます。スペイン内戦時のスペイン、独裁政権時代のキューバがそうだったように。
ポール・マッカートニー「Freedom」
今回、911に触発された楽曲をいくつか順に連続してご紹介しますが、まずはポール・マッカートニーから。
ポールはあの事件に大きな衝撃を受け、結果、映画にもなったチャリティコンサート「コンサート・フォー・ニューヨークシティ」を開催するに至ります。
この「Freedom」という曲は、そこで初披露となりました。
(レコーディングではギターソロはエリック・クラプトンです)
歌詞は、とても簡単で分かりやすい。
=意訳==
これは僕たちの権利なんだ。
神に与えられたものなんだ。
自由に生きるために。
自由を手にするために。
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かつて、スペイン全土を巻き込み、多くの芸術家が迫害を受けることになったスペイン内戦時には、ピカソをはじめとした芸術家が勃興したように、困難な時代には、それを乗り越える力が結集されるのでしょう。
自由とは、なんなのでしょうか。それは誰もがもつ普遍的な権利なのだとすると、自由という権利をあえて主張しなければならない現実は、どこか歪んでいるようにも思えます。
歪みを解消するために。
身の回りから、個人ができる範囲のことを。
まずは気づき、意識を向けていくことがスタートなのだと感じます。
そのとき、我々をこういった楽曲が勇気づけてくれるはずです。