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#恋愛
ショートショート:予兆
僕の彼女はとても可愛い。
顔が小さくて目はくりくりしていて、スタイルもいい。
まるでお人形さんの様だ。
そんな彼女と付き合って早くも5年が経った。
相変わらず僕は彼女の事が大好きだ。
ハグもすればキスだってする。
でも、彼女はハグしても動かないし、キスしても何も感じない。
まるで人形の様だ。
あぁ、この感じ、懐かしいな。
元カノと別れる直前と一緒だ。
ショートショート:思い出
「別れよう」
彼女から放たれたその一言で、3年間にわたる僕らの関係に終止符が打たれた。
大学に入学してすぐ出来た彼女。
大好きだった。
止めたかった。
でも出来なかった。
電話越しにごめんなさいと泣く彼女の声を聞いて、彼女を幸せにできる男は僕ではない事を悟った。
電話を終えた後、僕も泣いた。
ひたすらに。
それから酒を飲んだ。
浴びるように。
そして眠った。
泥のように。
翌朝、スマホの画面を
ショートショート:秋の夕日に照らされて
僕は今、とても悪い事をしている。
学級委員を務める僕が、こんな事をしてもいいのだろうか。
いや、良いはずがない。
本来なら降りろと言うべきだし、そもそも乗せる前から強く拒否するべきだった。
「ねぇ、もっとスピード出せないの?」
後ろで横向きに座ったまま優が言った。
「馬鹿言え!2人乗りは慣れてないんだよ。て言うか明日先生に何言われるか分かんないぞ」
「あはは!正門出る時にコラー!何やっとるかー!
ショートショート:最初で最後のお願い
とある日曜日。
僕は今、駅前の柱に寄りかかって人を待っている。
今日は同じ陸上部で1つ年上の先輩とデートをする約束をしているのだ。
既に約束の8時を20分過ぎているが、一向に連絡はつかない。
暇を持て余した僕は、しばらく人間観察でもしながら待つことにした。
スーツ姿のサラリーマンに、部活姿の中高生、酎ハイを片手にベンチでくつろぐ中年の男。
周りを見渡すと色んな種類の人間がいる。
と言っても世間はも
ショートショート:完璧な彼女
「今日の天気は、曇りのち雨でしょう。」
きた。
遂に来た。
待ちに待ったこの日がやっと。
今日は傘を持参しない。
目的は勿論、彼女との、あれだ。
彼女と付き合うことになったきっかけは、放課後の居残り勉強だった。
2学期の中間テスト。
生徒の学力向上と称し、クラス対抗で平均点を競う企画が催された。
1位にはご褒美を用意しますと言うもんだから、皆やる気になっていた。
一方で僕は青ざめていた。
なんと