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詩たち

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2024年5月の記事一覧

詩📓「ウタウタウ」

詩📓「ウタウタウ」

20240530

なんとなく カラオケの採点を やめてみようと思った 自分の声を信じて 歌ってみよう 歌はおそらく 自分にとって 大きいものだ 子供の頃は あんまり 歌を歌えなかった 喉が枯れてしまうから ポリープは どこへ 消えたのだろうか 本当にあったのかすら わからないまま 大人になった 小さな頃 枯れた声が ハスキーボイスだと 褒められたことがあった やけに覚えている 今は そこまで ハ

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詩📓「アンテン」

詩📓「アンテン」

20240529

問いかける 誰? 名前を呼ぶ声 何故知っている? 彼は戸惑う 冷や汗をかきながら ただ 昨日食べた マクドナルドの ダブルチーズバーガーが 腹の中に びっしりと入っていて 集中出来ない 聞いたことのある声なので 頭を ほじくり返せば 見つかるはず なのに 何も 思い浮かばない 忘れよう そう決めて テレビをつけてみる すると 同じ声がした この人が呼んでいたのか 何故 この人が

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詩📓「ジュウデンキカン」

詩📓「ジュウデンキカン」

20240528

十時頃に 寝たのだろうか? 一時頃に 起きてしまった ソフトを開き 曲を作った シンセサイザーの いくつかのベースと ドラムだけで 作るのが マイブームだ ゲーム実況を 見ながら 面白いゲーム やりたくなりながら 何か あるか 探そうか迷う ただ 時間食い虫が 増殖してしまうので やめておこう やることがたくさんある 何もかも 始まったばかり 見知らぬ土地へ やってきて やっと

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詩📓「ユメウツツ」

詩📓「ユメウツツ」

20240527

夢現 彼は笑い 呆れ果てる ソファに座る 何か したいことを探す したいことなどない ソファに 深く めり込んでゆく 煙草の煙が 変化した 怪物たちが 彼を 喰おうと キッチンの 換気扇の 隙間から 戻ってくる 苦い匂いと 甘い匂いがする 牙が大きく 目玉はなく 形は 変化している 熊になったかと 思えば 虎になり 虎は 巨人になり 巨人は 深海魚になる 煙の怪物が 彼を飲み込

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詩「彼の逃亡」

詩「彼の逃亡」

20240524

荒っぽい手つきで 解された眼差し
あちらこちらに 散らばってくれ
彼を見つめる いくつもの瞳
ああそんなことまで やめてあげてくれ

時間を止めて しっかりと抱いた
辞書の中の 一つ一つの言葉
思考を溜めて 切り出す時に
彼は一人きりで 居られると感じた

革っぽい服で 真夏を歩いて
汗だくになって ひたすら歩いて
彼の目的を 知る者はいない
ああそんなことなど 聞かないでくれ

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詩「モンスターパニック」

詩「モンスターパニック」

20240524

怪物はいくつも
退屈をダイブする
採掘するのは遺物が死守する
内服が至福の廃棄物

巌窟王を大事にする
ギャンブルのバイブルで掻い潜る
サイクルを断ち切り乱舞する
また時空を超えて旅するワンルーム

介するのは私服の大仏
怪物は萎縮しながら対峙する
立ったまま私物を奪いに来る
見えない術が事物を喰らい潰す

粉々な理屈が居着くのは未熟
怪物は醜く吠えて敗する
退屈が廃棄物を奪い

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詩📓「オリジナルネックレス」

詩📓「オリジナルネックレス」

20240524

俺は 普段から俺だから 一人称を俺にしてるんだけど オレって書いたら 少しチャラいかな? おれって書いたら おいらって書きたくなる おいらって言う人は 最近見かけない 烏の声がする ここら辺は烏多いのかな? 嫌だな 嫌いではないけれど 前に聞いたことがある 小学生の女の子が 烏に襲われて それ以来嫌いになったって 可哀想に 烏は謝ったほうがいいよ 本当はびっくりしたんだよね 本

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詩📓「エイガヨクミルホウ」

詩📓「エイガヨクミルホウ」

20240524

映画 見たい映画 見たくない映画 見た映画 面白かった映画 つまらなかった映画 微妙だった映画 色々あるけど なんだか 映画を 見過ぎて わけわからなくなる 時がある 大体は 同じジャンルで 記憶の 上書き途中で 過去のファイルに 重なっちゃったみたい ジョントラボルタが 出演してなかったり 主人公が リーアムニーソンだったり 自転車のブレーキ音 遠くから聞こえる 映画のことを

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詩📓「フンワリロック」

詩📓「フンワリロック」

20240524

聞いたことない ブラックサバス 聞いたことない フランクザッパ イメージでは 何だか ひげもじゃ 今だったら 優しい気分 激しい曲は たまに コーヒーに入れる クリープの量 コーヒーは 優しい歌 優しさは何か? それを知ってたら 一人ぼっちにならなかったね 誰と話してるんだろう あなたは? 誰? つまらない話ばかりでごめんね ブラックサバス 意味を調べてみよう オジーオズボーン

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詩📓「ゴゼンヨジ」

詩📓「ゴゼンヨジ」

20240524

小鳥の声 烏の声 カンカンカンと 鉄を叩く音 朝が来た 来てしまった 遠くから重いものを引きずる音 正体はわからない 冷蔵庫 こいつは厄介だ いつもうるさい 換気扇 こいつも厄介だ いつもおしゃべりだ 夢 見たかったなぁ 何処に落としたか また烏の声 あいつに食われたか それとも 冷蔵庫の中にあるか 冷えた夢 スプーンで掬って 煩わしい考え事を忘れるため 服用すべきだ 身体の中

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詩「犬と猫の話」

詩「犬と猫の話」

20240523

俺がゴミ箱の残飯を漁ってる時 女神に出会った
美しい毛並み 何もかも見透かすような瞳
彼女は俺と結ばれることは絶対ないと知っていながら
この気持ちを止められなかった

私は彼を初めて見た時 食われるかと思った
泥だらけ くさい 汚い ゴミを食べて生きてる
でも何故か不思議と嫌じゃなかった それは何故か
彼が私に向かって吠える時 その音が心地良かったから

 二匹はいつも一緒にい

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詩「フア・タカマー・リスカン」

詩「フア・タカマー・リスカン」

20240522

気が狂いそうになって目覚めた
頭の中がぐちゃぐちゃになった
一つ一つ片付けていると
見覚えのないものを見つけた

誰だ?何だ?何処だ?何時だ?
見覚えのない男と一緒に謎の物体を持ち
パレットをぶちまけたような色の島で
俺と似た男が微笑んでいる写真

よく見ると 謎の物体は生き物だった
魚を釣り上げた時の写真に似ている
背景の島を見ていると目がチカチカする
海岸なのだろうが 考え

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詩「味付きの弾丸」

詩「味付きの弾丸」

20240522

味付きの弾丸を受けて口内が喜ぶ
彼はいつもそうやって 何発も弾丸を喰っている
甘ったるいものの後にはほろ苦いものを
種類は様々で バランスを取って暮らしている

味付きの弾丸を買いに行く店はいつも同じだ
店主は美しい女性だが名前は知らない
彼は彼女と話すために弾丸を買うのかも知れない
今日も新しい味がないか尋ねに行く

「よお 今日も相変わらず凄い服を着ているな」
皮膚が隠れて

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詩「のののの」

詩「のののの」

20240521

感情の音色の正体の
怪物の色彩の断面の
肉の味のほろ苦さの
儚さの理由の探求の

映画の字幕の漢字の
間の羽虫の拡大図の
残酷の詳細のメモの
拙さのペンの強さの

玩具の空箱の中身の
行方の捜索の断念の
救いの無さの意味の
味の悪さの説明書の

切れ端の黄金の針の
痛みのくじの運命の
悪戯の悪魔の笑みの
その不幸の隠れみの