
『愛するということ』
「愛」と、自分の口で言うことがとても恥ずかしかったのです。今なら、その理由がわかります。「愛が何だか知らなかったから」。
「愛も学ばないとなぁ」そんな軽い気持ちで読みはじめました。
衝撃でした。知らないことだらけだったのです。
愛こそが
「いかに生きるか」という問いに対する唯一の健全で納得のいく答え
だと著者のフロムは言います。
スマホのメモアプリにメモした文字数が一万字以上でした。「みんなにも読んで欲しい」思いをギュギュっと詰めてアウトプットします。
一緒に学びましょう!💗
本書は「愛」の教科書
読んでいるうちに「なんでこれ学校で教えてくれなかったのよ…」という思いが込みあげてきました。
「愛」という教科があってもいい。
と思うのです。時期としては高校ですかね。すべての大人、特に子育て中の方や先生にもおすすめしたい本です。
「名著ってこういう本なんだなぁ」と実感しながら読めました。
1年おきくらいで繰り返し読みたい本です。
「愛」についての思い込み
こんな思い込みがありませんか?
①「愛される」という受け身である。
②「誰を愛するか?」という対象の問題であり、能力の問題ではない。
③「恋に落ちる」は「愛している」である。
「本当はこの逆」ということですね。この思い込みのせいで「愛について学ぶことなんてない」と思ってしまうのです。私もそうでした。
「愛は技術である」は、ただの前提
本書ですが、「愛は技術であるということが書いてある本」と紹介されることが多い気がします。が、大事なのはそこではありません。
身の回りの「技術」を想像してみてください。知るだけでは足りません。努力して身につけ、使えてはじめて「技術」なのです。
愛についても同じです。
①まず関心を持ち、②理論に精通し(知識を得て)、③修練に励む。
<前提>
愛は「技術」であり、人間として必要な「能力」である。
<だから>
「関心」と「知力」と「努力」が必要である。
本書は、「愛するとはどういうことか」に「関心」を持ち「知力」を身につけ「努力」し「技術」に進化させるための本なのです。
「どうしたら人を愛せるか」の処方せんは本書にはない。
とフロムは書いています。結局は自分で努力しないといけないからです。
こう聞いてしまうと「な~んだ、めんどくさ」と思ってしまう人もいるでしょう。「そう思ってしまう人は誰も愛せない」というのが本書の理論です。
愛の理論
本書では、愛の理論がとにかく長文でぶわーっと書いてあります😊。しかも、一言一言が重いので噛みしめながら読み進めるのが大変でした。
ちなみに、「フロイトさん全否定」です😲。
この記事では、愛の理論の一部を「愛についての勘違い集」として紹介します。
愛についての勘違い集
✖は勘違い。💗は本書で正しいとされるものです。
✖ 愛は受動的な感情
↓
💗 愛は能動的な活動
「感情」と「活動」の違いにも注目です。能動的に活動するには「配慮」「責任」「尊重」「知」が必要です。
他人を知ろうとすることは愛への第一歩なのですね。
✖ 落ちる
↓
💗 自ら踏み込む
✖ 愛があれば、絶対に対立は起こらない
↓
💗 対立はする。しかし、必ず解決し、より豊かな知と能力を得る
✖ もらう
↓
💗 与える
与えるといっても、物ではありません。与えるのは「生命」です。みなさんなら何を与えられるでしょうか?
✖ ひとりの人を愛する
↓
💗 すべての人を愛し、世界を愛し、生命を愛する
逆に言うと、すべてが愛せないのであればひとりの人も愛せるわけがないというわけです。
すごく納得感がありました。当然ですが、「すべての人」には自分自身も入っています。自分も愛しましょう💗
その他、愛の理論
「成熟した愛」「成熟した人間」とは何でしょうか?
愛の理論については、「親子の愛」「愛の対象(友愛/母性愛/恋愛/自己愛/神への愛)」について書かれています。
子どもは、生まれてから得る母親からの無条件の愛から、成長するにつれて、コントロールできる父親からの愛に興味が移っていきます。
「無条件の愛を求めるだけの人」(愛に対して常に受け身な人)は人として成長できていないのです。
世の中にはそんな大人だらけの気もします。でもそれは、「知らないから」だとも思うのです。
神への愛については、宗教の歴史的な側面も絡んでおり、非常に興味深かったです。
愛の崩壊
現代社会の「愛」は「偽りの愛」だと書かれています。人間どうしの愛も、神への愛も、崩壊してしまっている。
文化や言葉は変わっていくもの
だと、私は考えています。
ただ、こと「愛」に関しては、あるべき姿を求めるべきなのではないか?と考えさせられました。
愛の修練
「どうしたら人を愛せるか」の処方せんは本書にはない。
と言いつつ、愛の技術の修練に必要なことにはきちんと言及があります。
愛の技術の修練に必要なのは、
①規律、②集中、③忍耐、④信念、⑤勇気、⑥最大限の関心
です。なんだか普通ではないですか?
それは、愛の技術の修練も、結局は通常の技術の修練と同じだからです。
だからこそ、ベースとして「愛に最大限の関心を持つ」ことが大事なのですね。つまり、能動性(自ら学ぶ姿勢)です。
また、人を愛するために必要な能力としては、
①謙虚さ、②客観性、③理性
があります。こちらも普通ですね。しかし、これらをしっかり身につけていることが成熟した人間に近づくことになるのです。
愛について語ることは説教ではない。愛について語ることは、どんな人間の中にもある究極の欲求、真の欲求について語ることだからだ。
「愛」ってなんだろう?を本気で語ってみませんか?
まとめ
愛こそが「いかに生きるか」という問いに対する唯一の答えだと著者のフロムは書いています。
唯一かどうかはわかりません。ただ、人間にとって非常に大切なベースになる部分だということは理解できました。
愛について、関心を持ち、知識を得て、修練を積む。
「愛は、能動的に与える活動」
私のnoteもそうであればいいなと思いました。
また1年後に読んだときに、どんなことを感じるか?が楽しみです😊
読書期間 2021/02/27-2021/05/23
初版発行 2020/09/10(新装版)
この記事を書いている「高橋ひろあき」とは?
いいなと思ったら応援しよう!
