『メタ認知で学ぶ力を高める』
「メタ認知」ご存じでしょうか?私が知ったのは半年前くらいです。
21世紀に必要とされる4つの教育の要素の1つなのです。
「メタ認知」が「知識」「スキル」「人間性」の3つを包括しています。つまり、
メタ認知は、めちゃ大事
です。
本書を読むと、生活の中で耳にする現象や事柄もあり、「これメタ認知だったのか!」という発見が多いです。
教育の要素、とのことですが人生は学び続ける必要があることを考えると、若者だけに必要な要素ではありません。大人にも必要です。
一緒に学びましょう!💪
そもそも「メタ認知」とは?
メタ
は、「~についての」という意味です。
認知
は、見る・聞く・書く・読む・話す・記憶する・思い出す・理解する・考えるなど、頭を働かせること全般を指します。つまり、
メタ認知
は、「認知についての認知」ということになります。なんだかわかりづらいですよね。図にするとこんな感じです。
✅一段高いところから俯瞰
✅頭の中にいて、冷静で客観的な判断をしてくれるもう一人の自分
少しイメージが持てましたでしょうか?
例えば、「睡眠中にも学習が進む」という事実もメタ認知の一つです。
ちなみに、さらに上位の「メタメタ認知」というのもあるんですよ!😲
「メタ認知」は何がいいの?
どうせなら、「楽しく」「効率的に」学びたいですよね。しかも、しっかり理論に裏打ちされた学習法であれば信用できます。
認知心理学には、一般には知られていない学習に役立つことがたくさんあります。
これらを知り、身につけることで、楽しく効率的な学習法が手に入るのです。一生の財産なので早めに使えるようにした方がお得ですよね。
そんなわけで、本書のターゲットは「学ぶこと」「教えること」に興味がある人なのですが、あえて「それってみんなだ!」と言いたいです。
本書はメタ認知の教科書
「認知心理学には、一般には知られていない学習に役立つことがたくさん」と話しましたが、それらを各専門書からひっぱってくるのは大変です。
その大変な作業をやってくれた結果がこの本なのです!すばらしい!
そんなメタ認知の教科書の各セクションから、1つずつメタ認知的知識をピックアップして紹介します。
興味が沸いたら是非本書を手に取って、自分に役立ちそうな学習法を身につけてください😊
❶意識・注意・知覚編
頭を休めている間に解決策がひらめく!
ず~っと考えごとを続けていても、いいアイデアは出なかったりするものです。創造的な仕事は、4つの段階で達成されます。
①準備期 → ②あたため期 → ③ひらめき期 → ④検証期
②あたため期に注目です。①準備期で準備をし終わったら、いったん問題から離れるのです。そうすることで③ひらめきが生まれるのです。
❷知識獲得・理解編
知識はネットワークの形で蓄えられている!
すでに持っている知識と「つながり」を持たせて学習すると効率的ということです。
ここで、大人のみなさんに朗報です。(特に中高年の方)
大人のみなさんは、たくさんの「経験」があります。これらの経験と結び付けてもよいのです。さまざまな経験を今後の学びに活用してください。
❸思考・判断・問題解決編
「創造性は特殊な才能」という考えが創造的思考を邪魔する!
「創造的な人はもともと、一般人とは違う特殊な才能を持っている」とか「凡人である自分が創造的になるのは無理だ」とか思っていませんか?
この「どうせ無理」「自分には無理」というあきらめが、創造的思考をおさえ込んでいるのです。
そんな思い込みは消し去って、
「やればできるのではないか?」「もっと創造的に考える余地があるのではないか?」と普段から考えてみましょう!
❹意欲・感情編
「この学習は自分に役立つ」ととらえることが意欲を高める!
私は学校の押し付けの勉強が嫌いでした。みなさんも「この勉強、何の役に立つの?」と疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
2つのことが大事なのです。
①教える側が、学びと一緒に「どのようなときに必要になるか?どう役立つか?」を伝える。
②学ぶ側が、「この知識は何につかえるか?どう役立つか?」を常に考える。
教える側と、学ぶ側の両方の姿勢が大事なのですね。
❺他者との協働・コミュニケーション編
個人思考と協同思考をうまく使い分ける!
みんなで、ある問題を考えるとき、最初から最後までみんなで一緒に考えた方がよいでしょうか?
実は、①自分で考える → ②その後にみんなの答えを見る → ③多くのアイデアが出る、のです。
これは、以前紹介した『仮説思考』にも通じる話ですね。
ディスカッションに参加するときは、自分の考えを持って参加しましょう!
❻行動・環境・時間管理編
自分で自分を条件づけて学習行動を引き出す!
単純接触効果
何度も触れたり、近づいたりすると、だんだん好きになる。
古典的条件付け
学習する部屋を好きなインテアリアにする。お気に入りの道具をつかう。勉強好きな人と一緒にいる。など
道具的条件付け
賞と罰による条件づけ。「テキストをここまで進めたら、お茶とお菓子でティータイムにする」など
このような条件付けの原理を自分自身につかうことで、自分の意欲を引き出す自己動機づけになるのです。自分の動かし方を知りましょう!
まとめ
いま、メタ認知=「認知についての認知」が重要です。
人生100年時代と言われ、人生において学び続けることが大事になってきました。大人だって学ぶ必要があるのです。
理論に裏打ちされた学習法で、「楽しく」「効率的に」学びましょう!
全部を身につけるのは大変です。本書で紹介されているものから「これだ!」と思ったものを選んで実践してみてはいかがでしょうか。
本日の学びはここまで。また来てください。👋
読書期間 2021/07/26-2021/09/09
初版発行 2018/09/20
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