バスの車内で起こった、ぼくらのパンチェッタ戦争。
仲の良い留学生の友人がいる。
このnoteにもよく登場する、肉じゃがから母国料理を発掘したり、いつかCMオファーが来た時のために日本の「美味いビールの飲み方」を練習しているユニークなイタリア人である。
彼は旅好きで、昔何人かの友人と共に長野に旅行に行ったのだが、その時私たちは、ちょっとしたケンカをしたことがある。
旅行を楽しんだその日、私達は高速バスで帰るのに、駅で各々お土産などを見たり、車内で食べる軽食を買っていた。
私はお土産屋さんにあった地ビールを2つ、それとなにかちょうどよいサイズ感のおつまみはないものかと思って店を見て歩いていた。
そしてしばらくウロウロして妙案を求めていた私は、いいものを発見した。
私の目に留まったのは「パンチェッタ」と書いてある、生ハムのような薄いベーコンのスライスだった。そこまで匂いもなさそうだしバスの中でも大丈夫だろう。量もちょうどいい。
私はこれを自分の車内でのおつまみ用に買って、バスに乗り込んだ。
楽しかったね〜といいながら、席につく私達。
たまたま私の隣に座ったのは例のイタリア人の友人だった。
「あ、やっぱり地ビール買ってる。ビール好きだね」と言う彼。
「いや〜やっぱり旅に行ったらその地のビールを飲まなきゃね」と私はそれが自然の摂理かのように言いながらさっそくビールを開けた。
そして、先程買ったパンチェッタを袋から取り出し、食べ始める。
すると彼は、怪訝そうな声で聞いた。
「え...、ねぇ、それは何?」
ここから先は
2,464字
この記事が参加している募集
サポート、嬉しいです。小躍りして喜びます^^ いただいたサポートで銭湯と周辺にある居酒屋さんに行って、素敵なお店を紹介する記事を書きます。♨🍺♨