ピンクと水色の使い方。
初めに務めたところのルールはずっと染みついている。アップデートしても積み重なるような感覚で、すごく覚えている。だから誰かの初めては大切に扱いたいなと思いながら子どもにも職員にも接してきたつもりでいる。
一番初めに務めた保育園では描画を飾る際に「男の子は水色、女の子はピンクっていうような作品の展示づくりはやめてほしい。古いから。」と言われた。
その時の私の気持ちは「古い?」だった。幼稚園実習で何かやることありませんか?と聞くと、女の子と男の子の人数に合わせてピンクと水色の紙を切っていたから。その指導してくれた主任の先生は「子どもが好きな色を選べばいい。切ってしまった紙はそのまま使いなさい。」と言って去った。
それは何てことない一場面で、その指導の重みもよくわからず当たり前のようにそれを実行していたけど、引っ越しをしてから務めた公立保育園ではきっちり男女で色を分けていた。各々の棚のマークも男の子はライオン、女の子は花だった。別に誰も変だと思っていないし、私だけ悪いことをしているような気持ちで勤務した。臨時職員だったし、そのことに触れる機会も難しかった。でも、やめる1つの原因でもあった。
私は小さいころ、お人形遊びが好きでいつもリカちゃんを持っている男の子と遊んだことがあった。周りの女の子もそういう子を意外と受け入れるのである。彼はセーラームーンが好きだった。好きなものが同じというだけで性別なんてどうでもよかったのかもしれない。
学齢期に上がっても彼は女の子といることが多かった。中学へ行っても。
そこに違和感を感じさせないコミュニティがあればいいと思うと、ピンクと水色を分けるのではなく「選ぶ」という環境は幼児期から大切なのかもしれない。水色が好きな女の子だってたくさんいるしね。
私の住んでいる街の女子高校生は制服のズボンとスカートの2つのタイプがいる。極寒の環境だから取り入れたことみたいだが、ピンクと水色みたいで好きだ。