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天使の黒い戯言

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#黒い

そうだ、循環器に行こう

1.はじめに もしあなたが恋をしたり、運動をした覚えがないのに胸がドキドキして苦しくなるとしたら。そして足に消えないむくみがでるようになったとしたら、それはひょっとしたら心臓が悪いのかもしれません。  今日はそんな方に循環器内科の受診をすすめるお話。少しでも心臓に不安がある方はぜひぜひ読んで参考にしてください。 2.生命の中『心』、心臓 そもそも心臓はどんなものだろう……というところですが、単純に言うと血液を全身に送る臓器です。それ故にここが障害されると、全身に血液(栄養や

白衣に吐かないようにするために         ~熱中症対策について~

 今日の話題は、油断するとあなたもこの夏に看護師に嘔吐してしまうことになる……というお話。  私自身はまだ幸い患者さんにかけられたことはないのですが、同僚が悲惨な目に合いました。その原因は熱中症とアルコールの飲みすぎ。同僚の話を元に、白衣に吐かないようにするため熱中症や飲みすぎに注意して欲しいことを書いていきます。 Ⅰ-1 ケース1 熱中症で嘔吐、体力自慢も程々に Aさんは体力自慢の40才代男性。土日のランニングを習慣としていました。真夏の暑い日中にも欠かさずに行っていま

賢人ヒポクラテスが泣いている?   ~看護師がみたダメな医者1~

 医学の父と呼ばれる古代ギリシア人、ヒポクラテスはご存知でしょうか?かの大先生が遺した『ヒポクラテスの誓い』の一節がこちら。 「私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない」 「純粋と神聖をもってわが生涯を貫き、わが術を行う」  今から3000年近く前の言葉、しかし現代の医者にもよく読んでもらいたいと感じた今回のエピソード。療養病棟であった2つのケース。  こういう医者が、みなさんの周りにもいるかもしれません。 1 死ぬま

看護師が教えるインフルエンザの予防法

「風邪を診てもらいに行ったら、インフルエンザになりました」  これは良くある話です。皆様がインフルエンザに負けない(かからないとは言いません)ためのお話をします。 1 看護師が見たインフルエンザの現状  インフルエンザ注意報を見ているとここ最近、加速度的にインフルエンザの罹患する人が増えてきています。一看護師が聞いた話でも「今日一日で外来に来たインフルエンザの患者さんは50人を超えた」とか「病院の中でインフルエンザが蔓延してしまって、ついに死者が出た」というのがあります。

黒い戯言番外編 届けばいいな、の言葉

「『死ぬ・殺す』以外のことならなんでもやっていいよ。 あ、どうしてもって言うなら死んでもいい。でも私はオススメはしない」 「この世にはみんな魂の修行のために生まれてきた……と私は思っている。それぞれの前世の行いだったり、今世の行いによって生きているうちに神様からの課題がくる。魂を磨くための課題だ。それは君の生まれについてのことかもしれないし、両親のことかもしれない。兄弟や友達、学校や先生のことかもしれない。課題となることは人それぞれなのだろうけど、きっとどの課題もつらい。逃

黒い戯言9 歌丸師匠の凄さ

 好きな落語家さんである歌丸師匠がお亡くなりになった。好き……といっても落語をされている姿を見ることができず、円楽師匠(楽太郎師匠)との掛け合いが本当におもしろかったなぁ、というくらい。でもこの喪失感はなんだろう……。  さて落語をほとんど知らない私でも、師匠の凄さを伝えることができる。医療に携わる者だからできること、小さなことだけど私ができること。 ①「溺れる苦しさ」  ご存知の方は多いが師匠は肺を患っていた。それでも高座につとめていた。それが凄い。同様の病の患者様は喋る

天使の黒い戯言8 救急車は便利

今まであった救急車を読んだ理由↓ 「ひざが一瞬痛かった」→救急要請 「寂しくて苦しくなった」→救急要請 「野球をしたら突き指をした」→救急要請 「酒を飲みすぎたらから迎えに来てほしい」→救急要請  救急隊はどんな理由でも断れません。救急隊から受け入れ要請がある病院も、そこそこ大きく地域密着型なら断らないでしょう。その合間に心筋梗塞や交通外傷の重症者も運ばれてきます。全ての方の対応をしなくてはならない病院スタッフはてんてこまいなのです。  『#7119』を知っていますか?

天使の黒い戯言7 発熱の根源

「熱が出たから休みます」 そう気軽に休めたらどんなに楽なものか……。そんな思いをした方は少なくないのではないでしょうか。先日私が夜中に38.0度を出したときも休みたかったのですが、翌日には熱自体は下がってしまい「しんどい……」と思いつつ出勤しました。  さて今回は発熱に関する話をします。といっても専門書を読めば詳しく書いてありますのでかいつまんでお伝えします。  医学会では体温37.5度以上を発熱というようです。熱が出ること自体は感染症(ばい菌)では悪いことではなく、熱を上

天使の黒い戯言6 育てる言葉?

「あの人、全然仕事しない(できない)」「普通さぁ、こうやるよねぇ?」  看護師をしていると割と耳にする一言。ミスをした新人や同僚に対しての言葉。その言葉に私は違和感を覚えてしまう。  私が思う『全然仕事しない(できない)』とは仕事に来てるのに、ひたすら座ってテレビをみたりゲームをする人だ。そういう人は見たことがない。そして『全然仕事しない(できない)』と評価される人は頑張って仕事をしている場合もある。ミスをしたり、遅かったりするだけで。  直接当人に「全然できてないじゃん」