発熱

天使の黒い戯言7 発熱の根源

「熱が出たから休みます」

 そう気軽に休めたらどんなに楽なものか……。そんな思いをした方は少なくないのではないでしょうか。先日私が夜中に38.0度を出したときも休みたかったのですが、翌日には熱自体は下がってしまい「しんどい……」と思いつつ出勤しました。

 さて今回は発熱に関する話をします。といっても専門書を読めば詳しく書いてありますのでかいつまんでお伝えします。
 医学会では体温37.5度以上を発熱というようです。熱が出ること自体は感染症(ばい菌)では悪いことではなく、熱を上げることで免疫(体から異物を守る機能)を活性化させる正常の反応なのです。なので熱が出たからといって安易に解熱剤を使うのは私としてはおススメしません。熱が出たらしんどいですけどそれは体が必死に治そうとしている証拠、それを応援するには十分の栄養と休息が一番です。
 といってもそれは元気な若者の話。高齢の方だとや子供だと話がかわってきます。高齢の方ですと、年をとるごとに免疫の力が落ちている上に心臓や肺や腎臓などの調子が落ちていることがほとんど。そんなときに感染症にかかるとたかが風邪でも重症化しやすいのです。特に呼吸が苦しいとか寒気がひどい、体が痛む、水分もとれない様子なら早めに受診をすることをおススメします。
 さて少し話が変わって感染源のお話を。大体感染というと風邪をはじめインフルエンザなど呼吸器(口から肺にかけて)からがメジャーな気がしますが、しっておいてもらいたいのが尿路感染です。簡単にいうとおしっこするところからの感染。私の経験上、高齢者の入院で何気に多いのです。そして女性に多い。高齢者に多い理由は免疫力が落ちているのが一番でしょうが、女性の場合トイレの終わった後の行動にも問題が……。
 そう、おしもの拭き方です。肛門にむかって拭くならよし。逆に肛門から前にむかってふいてしまうと、肛門に付着している菌がおしもについてしまいそれが尿の通り道や膀胱で悪さをして尿路感染となります。女性はどうしてもおしもと肛門が近いので、尿路感染をおこしやすいのです。対策としては①トイレをしたらおしもから肛門に向かって拭く②なるべくウオシュレットを使う! ですね。あとおしっこを我慢することも、膀胱内のおしっこの中で雑菌が繁殖しちゃうのでやめましょう。と言いつつ、看護師は結構我慢しちゃって尿路感染になっちゃうんですけどね。

 救急で働いていると30代くらいの男性が「37.3度も熱が出ました。なんとかしてください」といって来たり、20代前半の女性が母親同伴で「熱が出ました」と来て、本人は見た目元気なのに一切しゃべらず母親が必死に病状を喋りたおすケースもあります。……なにかこみあげるものはありますが淡々とお仕事をする私。「家で寝てれば治るよ……」と口が裂けてもいえない。そしてそんなもやもやする仕事終わりはお酒を飲んでフィーバータイム!! というまとまらない今日の黒い戯言でした。

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てんぺい@看護師兼宇宙一幸せな随筆家
幸せです! 奥様に大福を、愛娘ちゃんにはカワイイ洋服を購入させて頂きます🌟 さらに良い記事をお届けできるよう頑張ります♪