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看護師が教えるインフルエンザの予防法
「風邪を診てもらいに行ったら、インフルエンザになりました」
これは良くある話です。皆様がインフルエンザに負けない(かからないとは言いません)ためのお話をします。
1 看護師が見たインフルエンザの現状
インフルエンザ注意報を見ているとここ最近、加速度的にインフルエンザの罹患する人が増えてきています。一看護師が聞いた話でも「今日一日で外来に来たインフルエンザの患者さんは50人を超えた」とか「病院の中でインフルエンザが蔓延してしまって、ついに死者が出た」というのがあります。
私の病棟でもスタッフがすでに2人かかってしまいました。幸い病院全体で面会の制限等の対策をとっているお陰か、患者様の発生はまだ起きていません。ただ、他の病棟では「寝たきりの方が罹患」しています。寝たきりの方がインフルエンザにかかるためには、誰かがインフルエンザウイルスを外からもってこなければならないわけで……。病院が対策をしても絶対にかからないわけではない、ということがいえます。
2インフルエンザに絶対にならない方法……?
家を加湿して、しっかりご飯を食べてゆっくり休んで外に出ないでください。外からくる人を家にいれないでください……
これ、もちろん極論です。
ただ、そうまでしてもかかる可能性はあります。インフルエンザウイルスは目に見えないくらい小さいので、換気扇を回しているだけでも入ってくる可能性はあります。
つまり皆様一人ひとりかかる可能性があることを頭に入れて欲しいのです。対策はそこからスタートします。
3改めてインフルエンザの対策
まず王道です。
対策①手洗い、うがい、マスクの着用、なるべく人ごみに近づかない
これは風邪や胃腸炎などの他の感染症予防にもなります。普段から心がけて欲しいことです。
対策②栄養、運動、休息
ざっくり言うと、「体力をつけよう」というところ。体力をつければ、病気への抵抗力強まります。もしダイエットで糖質制限とかしている方がいれば、しっかり栄養をとって欲しいです。食事だけでのダイエットはオススメしません。ダイエットについてはいずれ機会があればお話します。
対策③予防接種を受ける
可能であればインフルエンザワクチンの予防接種を受けてください。数千円で医療機関で受けることができます。ここで注意点がいくつかあります。
予防接種を受けても
『インフルエンザにかからなくなるわけではありません』
これは「予防接種」というネーミングもよくないのかもしれません。まるで接種したら絶対にかからないようなネーミングですが……。確かに予防接種をしてかからない方も中にはいますが、接種してもかかります。ただ、接種をする意味はあります。接種したほうが、しないよりも軽症で済むようです。軽症でもけっこうつらいのですが、それでも接種しないよりかはいいかと思います(何人かの看護師談)。
続いての注意点は
『まずワクチンの在庫があるか、確認してから医療機関に行こう』
です。ワクチンの在庫がない医療機関はあるようです。実際に私の病院では現在ワクチンが不足して、外来の方の接種ができない状態です。なのでアポを取らずに医療機関に直接行っても「ワクチンがありません」と断られてしまうこともあり得ます。さらにその医療機関にすでにインフルエンザの人がいる可能性があるので、「病院に行ったらワクチンも打てず、インフルエンザをうつされてきた」という事態も考えられます。ですので、事前に医療機関にワクチンの在庫の確認をしましょう。
対策④病院に近づかない
一看護師からお願いするの重要な点はここです。私からしたら病院はウイルスや菌がうじゃうじゃいます。どんなにきれいな病院でも……です。特に今の時期はインフルエンザや胃腸炎・風邪などの症状の人で外来はあふれます。街中よりも感染症にかかるリスクは高いと考えます。用事がなれれば病院には行かないことが重要です。
なので患者様の面会なども極力控えて欲しいです。自分の体を守るためですし、自分が外からばい菌を持ってきて、患者様にうつしてしまうことも十分に考えられます。
「風邪になってしまって病院に受診したいんだけど……」という方がいるかもしれません。ただの風邪なら、自分で治しましょう。そのための力(免疫)はすでに体は持っています。
「熱が出でつらいから解熱剤が欲しい」→熱はバイ菌をやっつけるために上がっています。解熱剤で下げてしまうと、バイ菌をやっつけるのが遅くなる可能性があります。
「咳が出てつらい。咳止めが欲しい」→咳はバイ菌やほこりなどの異物を体の外に出す正常な働きです。止めると異物が体内に留まりやすいですよ。
「風邪を早く治すために抗生物質が欲しい」→抗生物質、風邪には効かないということが言われています。むしろ余計な抗生物質を飲むことで、下痢や発疹(ぶつぶつが肌にできる)等の副作用が出たり、体の中に耐性菌ができてしまう可能性があります。
ただの風邪なら、栄養をとってしっかり休養すれば2~3日で治ってきます。風邪をひいたら諦めて養生するのが治す早道です。「どうしても仕事に行かなければならない。風邪の症状を抑えたい」ということならば、薬局で市販薬を使用することを検討してみてください。ただ重ねて言いますと、ただの風邪くらいであれば病院にいくのはオススメしません。よくなるどころかインフルエンザをもらってしまうかもしれませんから……。
4 インフルエンザ(重い風邪症状)になってしまったら
いつもの風邪とちょっと違う重い症状が出たらインフルエンザを疑いましょう。関節痛や38度前後の発熱が主でしょうか。関節痛や高い発熱がなくても、全く食べ物どころか水分も取れないという症状があった時には受診を検討してください。いきなり受診するのではなく、事前に受診先に電話連絡を入れておいた方がアドバイスをもらえますし、実際受診したときに対応がスムーズになると思います。
ただ発熱があってからすぐに受診しても、インフルエンザの検査結果がうまく出ない可能性があることを覚えていてください。文献や医師で意見が多少違うのですが、発熱後8~12時間しないと例えインフルエンザだったとしても結果が陰性(インフルエンザではない)という結果が出てしまうことがあるようです。
さて、受診をするとインフルエンザの検査をすると思います。インフルエンザの検査は細い綿棒を鼻の奥に入れて、ぐりぐりします。その後綿棒を特殊な液に入れ、試験紙にたらして判定……という流れです。大体5分くらいで結果はわかります。その結果で抗インフルエンザ薬など処方をされるかと思います。仮にインフルエンザでなかったとしても医師の判断で、予防で抗インフルエンザを処方されることもあります。坑インフルエンザ薬は内服薬、吸入薬、点滴と種類があり医師の判断で何を使うか決まりますが、もし希望があれば相談してもいいかもしれません。
食べ物や水分がとれない状態が長く続いていた場合には水分・栄養補給の点滴をしてくれることもあります。自分の状態と医師に相談して治療してもらってください。
もしお仕事をしてる方ですと、仕事先でインフルエンザになった場合の休業規定が決められている可能性があります。仕事場に確認して、お仕事を休む様にしてください。無理して出勤して、周りにうつしてしまったら目もあてられないですよ。
5 最後に
インフルエンザについてお伝えしたいことを書きました。もっと病気に関して詳しい内容が知りたいようであれば、厚労省でも詳細に書いてあります。そちらを参照してください。
インフルエンザはかかるもの……と考えて、いざかかってもいいように心構えをして、体に優しい生活を心がけてください。
今日の黒い戯言は「逆にインフルエンザになりたいなら、マスクをせずに病院をうろちょろすればイチコロですよ」というところで。オススメはしませんよ。けっこうつらいですから。
今日も読んで頂きありがとうございました。
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