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みんながあの子は優しいという。わたしもあの子を優しいと思う。実際それらはほとんど真実だ…
いつがそれになるかわからないけれど、きっとその日が遠くないことはわかるし、ひょっとした…
運命の輪の軸に選ばれる人間というのはたぶんあらかじめ神様が決めたもので、あなたは最初か…
死後の世界には三途の川があると聞いていたけれど、あの話は嘘だったのだと今しがた思い知っ…
流れ星が願いを叶えてくれそうな気がするのは、きっとあのちいさな炎が燃え尽きて、もう消え…
二人きりが定員の世界の内側で、天気予報が外れた事に密かに感謝していた。きみのこえが反響…
わたしは雨である。 雨というものは表現手法においてまったく便利な代物で、いついかなる時も適当に降らせておけばよいのである、と思われている。 悲しみや希望やエモみを付与するために塩胡椒感覚で振られるこちらの身にもなってほしいものだ、と食品界隈にぼやいたら「それはどっちかというと僕みたいな感じだよ。なにと合わせてもなんとなく合ってしまうんだ」と卵に言われたし(卵のやつは食べられる側のくせに妙なドヤ顔を浮かべていた)、デジタル画材界隈からは「わかる、戦場塵ブラシみたいなもの
別れの挨拶は祈りなのだ、と唱えたひとがいる。 もう二度と会わないことを願ってさような…
都会を歩くひとたちはみんな透明だ。情報の洪水でわたしたちの色温度は希釈され、水びたしの…
あなたがあなたの思いどおりのあなたじゃなくても私はあなたが好きなことに変わりはないし、…
遡ることができるなら変えたいのは私の未来なんかじゃなくて、ただ貴方に会いに行きたいな。…
未来のことなんて誰にもわからないけれど白か黒かなら白がいい。なんて、あたりまえのことを…
貴方の眼のなかに深海を見るのは私が貴方をなにも知らずにいられるからだ。塵芥の雄弁が埋ま…