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二人だけの秘密

 貴方の眼のなかに深海を見るのは私が貴方をなにも知らずにいられるからだ。塵芥の雄弁が埋まる水の底では沈黙だけが宝石だよ、その光だけが世界を照らしていることだけは知っている。貴方のうつくしさだけが正しいから太陽はいつも東の海に寄り添いたがるんだ、深海に居る貴方だけがそれを知らない。

 なにかを思うことも許されないと勘違いするのは私の勝手で、本当は許さないとさえ思ってもみなかったのでしょう。驢馬の耳には名前さえ明かさなくていいから貴方がいい、秘密は海底に穴を開けてしまうから、打ち上げられた魚たちはゆく先を知らない。

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