『妖精の棲む樹』 木を切るプロフェッショナルが、異星に最期に残された巨木に上りながら枝を落としていく。そして、その樹を守護している妖精に出合い「なぜ木を殺すの?」と問いかけられる。人間中心の商業主義と異星の植物の精神が出会い、殺し殺される間柄で生まれる摩訶不思議な交流の物語
『わが愛はひとつ』 新婚ほやほやの政治学者が執筆した、たいしたことのない薄っぺらな本が、時の議会制国家を転覆させる悪書として断罪され冷凍冬眠刑に。解凍後、妻の墓を目指して旅をする彼。傷心の未来シーンと、幸せな過去の思い出のシーンが交互に書かれ、読者も自分の幸せな思い出を思い出す筈