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ちょっとカッコイイ短篇集「ヒトラーの描いた薔薇」

<SF(125歩目)>
発表年は古いが、今も心を突くカッコイイ作品です。

ヒトラーの描いた薔薇
ハーラン・エリスン (著), 川名潤 (イラスト), 伊藤典夫 (翻訳), 小尾芙佐 (翻訳), 深町眞理子 (翻訳)
早川書房

「125歩目」は、ハーラン・エリスンさんって、やっぱりカッコイイ。
エネルギッシュで、時代の影響を強く受けている。理不尽に対しての許せないという姿勢がいい。
SF作品としても、文学作品としてもカッコイイです。やはりファッション誌の"Men's club"を発表の場にしていたことはある。

「ロボット外科医」
1969年発表の作品ですが、既に「AI」により人間の仕事が乗っ取られていくとか話題になる「今」、やっとエリスンさんに時代が追いついてきた感じです。
高度に知的な職業の代表である「医師」の仕事がロボットが代行する世界が来たら。60年前の作品ですが、今も新しく感じる。

「恐怖の夜」
「死人の眼から消えた銀貨」

SF作品というよりも、現代アメリカに普遍的な「差別」の問題を取り扱う秀作。
SFフィルター使わないで、純粋に文学作品として読んだらよかった。

「バシリスク」
1973年の時代感覚がわからないのですが、ベトナム戦争による帰還兵問題を扱っている。
半世紀前ですが、この作品が訴えるところは変わらない(悲しいことに)。
故に、文体のカッコよさ以上に、これからも読まれると思う。

「ヴァージル・オッダムとともに東極に立つ」
この作品は、他の作品と作風が異なる。そして、とても印象的です。
不思議と心に残る作品で、再読したいと思う作品でした。

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