267.Antoine de Saint-Exupéry『Vol de nuit』1931アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『夜間飛行』世に言う飛行文学の走り。ただ主人公は危険な夜間飛行にパイロットを送り出す側で、飛行機による郵便事業の経営者。現代の航空会社の問題も出ている。
264.Jean-Paul Sartre『Le mur』1937 ジャン・ポール・サルトル『壁』短編小説集だ。「言葉を探す事なく筆の流れるままに書かなければならない」それは小説というより詩ではないか?と思うが、これがサルトルのパロールなのか、エクリチュールなのか、定かではない。
260.Hannah Arendt 『The Origins of Totalitarianism』ハンナ・アーレント『全体主義の起源』1951年 ヒットラーもムッソリーニも、「失業者をゼロにしよう」と言って、結局外国を侵略したという彼女の指摘は印象的だ。失業者はゼロにならない。
268.Antoine de Saint-Exupéry『Terre des hommes』1939アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『人間の大地』直訳は『人間たちの地球』。当方なら『人々の星、地球』と訳す。英訳は『Wind, Sand and Stars』飛行文学は挑戦だ。
262.Emmanuel Lévinas『De l'existence à l'existant』1947 エマニュエル・レヴィナス『実存から実存者へ』フランス哲学は全部ゴミ箱行きだけど、これは思考をフランス語で表現する事が合っている。でも言葉遊びに見える。食後のデザートに如何?
261.Karl Popper『The Open Society and Its Enemies』1945 カール・ポッパー『開かれた社会とその敵』プラトン、ヘーゲル、トインビーをヒストリズムと批判し、歴史に意味などないと説く。違う。歴史に意味はある。もう一つの世界は存在する。
198.何に一番お金かけているのか?と言えば、書籍代だけど、月10万は超えないが、確実に月数万は使っている。一冊1万でも学術書、専門書、洋書を買う。そんなに積み上げていない。読むスピードは速いので、日英仏関係ない。買った本を全部読んだ奴はいないと言うが、そのうち片付くだろう?
199.『Hillbilly Elegy』J.D.Vance2016 『ヒルビリーエレジー』ジェームズ・デイヴィッド・ヴァンス(1984/8/2~)第50代副大統領予定者自伝。この家庭環境からよく抜け出して副大統領になったと思う。地元高校→海兵隊→広報担当(ここ重要)→大学進学。
131.文学は時代の鏡と言われるが、ヘミングウェイはそういう意味では、アメリカ人の心をよく映した鏡だと思う。大自然、海、山、森、サバンナ、冒険、旅行、ハンティング、釣り、酒場、戦場、仲間……。切り取られたどのシーンを見ても、アメリカ人がいる。普通の人々だ。特別な人は誰もいない。
129.Ernest Hemingway『The Butterfly and the Tank』アーネスト・ヘミングウェイ『蝶々と戦車』1938年。内戦。酒場の喧騒。マドリッド。そこだけ見事に切り取られて、投げられる。タイトルは蝶々と戦車。混じり気のない文学だ。短編集P2から。
123.Gaston Leroux『Le Fantôme de l'Opéra』ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』例のイントロが流れ出す。この気持ち、決して外に漏らしてはならない。だから仮面を被る。だがどんなに自分を隠しても、自分を隠しきれない。悲劇の誕生だ。かくして幕が上がる。
130.Ernest Hemingway『Death in the Afternoon』アーネスト・ヘミングウェイ『午後の死』1932年。これは小説ではなくて、随想か、闘牛の解説だ。現代社会は剝き出しの暴力、生と死を避けるが、それを露わにする闘牛を真正面から捉えている。血が騒ぐ?
128.Ernest Hemingway『Cat in the Rain』アーネスト・ヘミングウェイ『雨の中の猫』1925年。雨の日、短い日常会話で、猫という言葉の中に、彼女の寂しい気持ちの全てが込められている。Cat in the Rain.大好きな言葉だ。短編集P1から。
127.Ernest Hemingway『The Old Man and the Sea』アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』1952年出版。1954年ノーベル文学賞。とうとうノーベル賞まで撃ち抜いた作品。敗れざる者、それは老人で、海という現実だけがそれを雄々しく示している。
125.Ernest Hemingway『For Whom the Bell Talls』アーネスト・ヘミングウェイ『誰がために鐘は鳴る』1940年出版。表現力というものは、何処まで行っても、限界はないと思う。映画的と批評するのは簡単だけど、あの終わらせ方は、余韻があっていい。
122.Jules Verne『Vingt milles lieues sous les mers』ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』だ。ネモ船長の潜水艦ノーチラス号で海底を潜航をする。海流を海の中の川に喩える。表現が面白い。1870年の小説で、不思議の海のナディアの原作だ。
126.Ernest Hemingway『Across the River and into the Trees』アーネスト・ヘミングウェイ『川を渡って木立の中へ』1950年。終末期にある軍人の回想だが、現在時制で語られ、少年という言葉が記憶と時空をリンクさせている。印象的だ。
124.Ernest Hemingway『A Farewell to Arms』アーネスト・ヘミングウェイ『武器よさらば』1929年出版。第一次世界大戦のイタリア戦線が舞台だ。アメリカ人士官とイギリス人看護婦の恋物語だ。短い散文に引き込まれる。草木や花の名前の多さに驚かされた。
090.Ladder Editionの『Dracula』だ。abridged(要約版)とも言われ、3,000字以内の平易な英語で書かれている。読む分には易しいが、書くとなるとかなり難しいだろう。英語圏にはこういう本がある。なおドラキュラは和訳できない部分がある。原典を読むべし。
083.Françoise Sagan『Bonjour Tristesse』1954 サガンの『悲しみよこんにちは』だ。ここにはもう存在しないフランスが描かれている。移民でヨーロッパがぐちゃぐちゃになる前のフランスだ。確かに20世紀なのだが、どこか19世紀と地続きのフランスだ。
092.移民問題、1990年代中に発展途上国を支援して貧困を解決しないと、2010年代から2020年代にかけて、先進国に大量の移民が流入して大問題になる。30年前の予言だ。当時、和訳で読んだ時は、分からなかった。今英語で読むと凄い。ピーター・ドラッカー『ポスト資本主義社会』より。
088.Bram Stoker『DRACULA』ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』だ。原作は400ページもある。英語で読むと、描写が細かくて、かなり迫力がある。形而上学者ヴァン・ヘルシングは、元祖インディ・ジョーンズ?途中、舟乗りの英語というシーンがあるが全然読めない。業界用語?
078.Maeterlinck『L’Oiseau blue』(蒼い鳥)を原書購読した。メーテルリンクは霊感がある人だ。霊界の話をしている。だが和訳の堀口大學は霊感がない人だ。le secret de la Terreを地の秘密と訳している。違う。この星の秘密と訳すべきだろう。
091.Peter Drucker『Post Capitalist Society』1993ドラッカー『ポスト資本主義社会』を読んだ。未来学者とは彼の事だ。年金問題、先進国のどこの国も見せかけの大義名分で年金を使い込み、将来年金が破綻する。対策が必要だ。これは30年前の話である。
094.文明が存在するためには「対話の世界」を作る事が不可欠で、教養ある人間が必要だ。だから時には成人した者でも学校に戻る事さえ要求される。そしてこの「対話の世界」は、脱西洋でも、反西洋でも、非西洋でもない。知識社会だ。情報社会ではない。ドラッカー『ポスト資本主義社会』より。
095.ポスト資本主義社会って何だ?30年前、読んだ時の素直な感想である。10年後、ああ、ITを中心とした情報社会だなと思った。だが今読んでみると知識社会とある。情報社会→知識社会という図式があるが、現状そうなっていない。これが今の問題か?ドラッカー『ポスト資本主義社会』より。
089.Howard Pyle『KING ARTHUR』1903 パイルの『アーサー王』だ。ドルイド・マーリン、円卓の騎士たちのエピソードも詰まっている。古語・雅語で書かれていて、Thou(汝は)とかある。あとI know notとか、doがない否定文がある。中英語かな?面白い。
081.George Orwell『NINETEEN EIGHTY-FOUR』ジョージ・オーウェルの『1984年』を原書購読。ハイエクやドラッカーが警告した全体主義による管理社会を小説化した内容だ。Big BrotherはAIか。設定に独自の専門用語を散りばめた古典的SFだ。
093.税金問題、世界大戦以前では、課税は収入の5%までだった。だが二度の大戦を経験した結果、国民に対する課税は実は無制限だと知った。課税国家の誕生だ。課税国家は、政治家が税収で、社会を自由にデザインできる。バラマキ国家の誕生だ。ピーター・ドラッカー『ポスト資本主義社会』より。
096.確かにマルクスの予言は破れたが、ITを中心とした情報社会は、大きな政府によるAI管理社会を目指しているように見える。結局これは、別の形の共産主義革命で、全体主義ではないか?情報社会は知識社会にならない。この点どうしても疑問が残る。ドラッカー『ポスト資本主義社会』より。
073.Hayek『The Road to Serfdom』ハイエク『隷属への道』を読了。1944年の本だが、今読むべきだろう。1974年ノーベル経済学賞受賞。自由とはspontaneous order(自発的秩序)だと説く。全体主義の時代、自由の本当の価値を説いた思想家だ。
065.007で紹介したEmmanuel Toddの『La défaite de l'Occident』(西洋の敗北)を読了した。面白かった。なおトッドによると、バイデンの頭の中は、ハマス=プーチン、イスラエル=ウクライナらしい。なるほど、そう言われると、そうかも知れない。
074.Drucker『The End of Economic Man』ドラッカー『経済人の終わり』も読んだ。ドラッカーと言えば、マネジメントだが、1939年の処女作は政治学だ。だが後年の思想を合わせると、株式会社こそが全体主義を防ぐと説く。そこには自発的な秩序があるからだろう。