【小匣】 髭をひねつて 何思ふ己 己にとて分からぬ 神秘!の小匣コバコ 一度 こじ開けてやらうか、 と 袖を捲つたが 無理は 見えてゐた 何故ならそれは誰ぞの命 命からがらにても 護るべき、 あゝ神でさへ 尻込む 息呑む - 一服の 魔薬ハード·ドラッグ。 ©都築郷士
●扉 私が、言ふを知らず 讀んで許りゐた頃 誰かゞちりんちりん 自転車で追ひ抜いて行つた 爽やかな 負けであつた それは 出逢ひ?だつたのかな? 私が、自意識に溺れ 客観的に己れを見るすべ を、失つてゐたとき 誰もゐない筈の部屋から 誰かゞがちやり ドアを開けて。 ©都築郷士
私は、あんたが好きなんです 誰かにさう云ひたい、これは衝動 趾が冷えてゐる あゝ私の末端 末端はいつも切り捨てられる 趾を?切り捨て? グロテスクな夢 - あれ?愛の告白ぢやなかつたつけ? いや、私は目が醒めてゐるのに 夢に縋らうと 愛を知らない私、 夢の揺籃にて。 ©都築郷士
【牛に】 幼少 ご飯を食べてすぐ横になると 牛になつてしまひますよ なんて 己は 可愛い牛さんになりたいな、とか笑 いやマジ飯つてのは 毎日の生活の区切りで たゞ腹一杯にする→× 胸に何かしら蓄へる→○ さう云ふもんだよなあ だから飯の裁量が出來る母は 父に勝る! ©都築郷士
【零】 泣き顔見せる? 簡単さ 己はいつでも今でも 半泣きだもの 悲しい事だらけ 己の♥️を中心に 悲しい世界が回り 回つてらあ だから 泣き顔見せるなんて 己の特技の内 油断させといて 裏ぢや舌ベロぺろり 己の🧠がその心 騙し騙されの 島が大洋に ぽつかり。 ©都築郷士