詩)都築郷士『ぶうつく』呟きの如く・17 附・詩人の為の秋冬ワードローブ集
有名な平行線公理にしても、対偶をとった形で、「いつかは交わる直線」が論じられているだけである。ユークリッドの直線は、無限に延長される必要はなかつた..そして、静止こそ地上における自然だった.. -『魔術から数学へ』森''一刀斎''毅
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水飲んで夜長の鏡帽子かな 郷士
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【紡ぐ】
詩を書いてゐると云ふと
「言葉を紡いでゐらつしやる」と
たいていの女のコは持ち上げるが
私の痩せつぽち
または經薄な脳髄
は、經いのだ
持ち上げてもさして苦はない
子供一人、抱えるやうに
重い ハードケースの
ギターを提げて
私は埼玉県上福岡市から
吉祥寺のスタジオ迄 通つてゐた、
週に二回。仕事のあと、
若い頃にはなんでも出來る -
今からでは想像もつかぬ本氣さで
それこそ
「音を紡いで」ゐた訳だ。
帰りしな貧血を起こし
駅前のバス·ロータリーのベンチ
グレッチを脇に置き
寝転んでゐた
よくあつた景色である、
それでも 色んな人に
聲かけられる -
XXXXさんじやないですかダイジョブですか
ヴェスパの若者
モンキーズのテーマを口ずさみ
自転車にダークなコート
さう、モルモン教徒のアメリカ人
Oh, here's a R&Rer lying!!
(彼らにはビートルズはハード過ぎたのか、)
19歳はそんな感じ、
自律神経が失調気味
だが私には熱意があり
時代もそれによく応へた、
🎶
青春の唄
唄つてたんだね。
©都築郷士
※
どう取つていゝものやらと氣に病むが病理の臭ふ端に火を点けゝる
(©都築郷士)
柄にもなく感傷的だなー。
即興を許す許さぬスクエアゐ私が趾を置く棺二つ
(©都築郷士)
次回、河竹黙阿弥の『鼠小僧』引用してみやう。勉強勉強。ぢやまた。アデュー。
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