詩)都築郷士『ぶうつく』呟きの如く・13 附・詩人の為の秋冬ワードローブ集
その名誉の試練とは、死の脅威にさらされることである。脅威はもはや、鯨とか熊とかマカジキの形を取っていない。オプが突き入らなければならない危害は、(中略)文明であって、-『ハメットとチャンドラーの私立探偵』ロバート·B.パーカー
※
北の岳熊狩る人の銃にび光り 郷士
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【癲狂院にて】
風呂の脱衣場に入つて來る看護師
人並みの羞恥を発揮して私は
前を隠す あら、ヨシダさん
ご免なさいね。
このパンツは誰のかしら、イニシャル
S.T.つて書いてあるけど
二人ゐるのよーS.T.さんは。
そんな些事を宣ふ - 私、
スンマセンちよつと冷えますよ
看護師、あらいけない 退散します。
ようやつと私は
頭(坊主)を拭く機会に恵まれる。
誰のパンツだか勿論私も知らぬが
閉じ込められてゐる雰囲気ありありと
浴場から出ると喫煙コーナーの方から
煙草の濃密な悪臭と共に
そよ風が吹いて來る -
あゝ退院
日どりは?
時間は?
先に實家に送るべき物は?
指折り数へるとはこの事だ、
仲良しを装つてゐても シャバが一番
に、決まつてゐるぢやないか..
私の犀利な記憶力が
私自身を抱きしめ
抱き殺さうと
脇に控へてゐる。
私はもう嫌だ フツー人のテンションだもの
あいつらとは違ふ!(失敬)
..でも正直、
あいつらとは違ふ。
©都築郷士
※
影となる焦点は地だとあたばうの事言ひたりて影になりぬる
(©都築郷士)
それなりに涼風凄まじへ変はるポイント 郷士
實録ふうに行つてみました。
アデュー。
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