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小説、エッセイなど

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書いた小説、ちょっと長いエッセイをまとめています。感想いただけると飛び跳ねて喜びます。
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#今を生きる

音にはしないけれど、届いて欲しいこと

音にはしないけれど、届いて欲しいこと

失うことを恐れながら、失いたくないと震えながら
何かを、誰かを所有しているよりも、
いっそ固執せずに、自分のもとから手放して、
カゴには、鍵をかけないで、
失った痛みとともに、過去を慈しんで、懐かしんで、
思い出を呼び戻して、思い出と歩いていきたいような夜。

独りの自分を抱きしめて
遠くのあなたを思い遣りながら生きることの方が、
もしかしたら、もしかしたら
ずっと、ずっと
愛なのかもしれないと思

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君がひとつの空気になって

君がひとつの空気になって

あなたが顔をくしゃっとさせて笑うとき、いつもあなたの周りには春風が吹いていた。
あなたはいつも私の春だった。
あなたといれば、私も春の空気の一部になれた。
あたたかくて、誰も傷つかない世界の。

君とは、
つまらない、くだらないことでよく喧嘩したね。
だけどさ、根っこの部分、本当に解り合えない部分には、お互い棘を刺さなかった。
解り合えないことを分かっていたから、そこは目を伏せて、解り合えそうなこ

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月見パイ

知らなかったわけじゃない。

駅を出て、階段を下る。

とにかく、あの階段を早く駆け下りるのが習慣だった。

急いでるときはもちろん、さして急いでないときも。

のんびりマイペースな私は、そんなところばかり生き急いでいた。

予備校までの道のりのなかに、そのチェーン店はあった。

店の前に掲げた大きなフライヤーは、その時期限定の商品を宣伝している。

「月見」

紺地に映える鮮やかな黄色を横目で盗

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