松野貴則 俳優/Ikiru企画

【はたらく人と出会い、話し、写真を撮る】 はたらく人々の人生を紐解いていく企画 「はたらくあなたの物語」をnoteで発信させていただきます。生きていくことの美しさと感動が、誰かの勇気になることを願って活動して参ります。気ままにエッセイも発信していきます。

松野貴則 俳優/Ikiru企画

【はたらく人と出会い、話し、写真を撮る】 はたらく人々の人生を紐解いていく企画 「はたらくあなたの物語」をnoteで発信させていただきます。生きていくことの美しさと感動が、誰かの勇気になることを願って活動して参ります。気ままにエッセイも発信していきます。

最近の記事

【鰹節コーディネーター 大塚麻衣子】 食が文化を繋いでいく希望を胸に、鰹節を届ける

あらすじ 私たちの根底にある幸せ。 それを支えてくれるのはいつだって”食”である。 「食いしん坊の底力をナメちゃいけませんよ」 悪戯っぽく、そう話してくれた女性は 鰹節コーディネータ―・大塚麻衣子さん。 冗談めかして話す、その瞳の奥には熱い想いが確かに映っていた。 大塚さんは「かつお節のタイコウ」で鰹節の卸しや出汁取り教室を開催しながら、SNSなどでも発信を続けている。その本質的で、忌憚ない意見に多くの人々から支持を集め、フォロワー数は1万人を超える。 遠回りこそが

    • 子供の夏休みと親たちの葛藤

      夏真っ盛りの8月。 小学校に通う子供を持つ親であるならば、きっとこの時期は、親としての葛藤や仕事とプライベートのバランス感覚が試される季節であるだろう。 夏休みが楽しい思い出だったのは、いつまでだろうか。いや、もちろん、今でも楽しみの一つである。 会社員であれば、まとまった夏季休暇がとれて、 家族旅行にも行ける。 しかしである。 その休暇を除けば、 子供への申し訳なさやら、 仕事を頑張りたいのに頑張り切れない葛藤やらに心駆られるのが、親たちの8月。 夏休みには当然

      • 「沈黙に耐えられない僕たちは」スマホを手放した生活の中で

        スマホを捨てた。 というのは大げさな言い回しで、 正確に言えば、 1日2時間しかスマホを使わないと決めた。 もっと詳細に書くとすれば、朝昼夜には連絡を返し、アカウントが死んでしまう可能性を避けるため、SNSで1投稿を済ませる。 NETFLIXを観ることもあるが、 そういう場合は、PCを使って観るようにしている。 要するに、必要最低限の作業をする以外には、スマホを触らないという生活に入ってみたのだ。 昨日がその初日で、今日が2日目。 ちなみに、この記事はPCで書いてい

        • 【建築家 砂越陽介】"無の空間"が人々を引き寄せる×祖父の残した工具に導かれて

          まえがき「まだ、ここに、在る」 その事実が、時に僕たちの心を救ってくれる。 古書ばかり揃えた図書館、駅前ロータリーに立ち並ぶ彫像とベンチ、海辺の砂浜、鉄骨のさびれた歩道橋。 時間の流れはいつも残酷である。過ぎていく一分一秒を大切に宝箱に閉まってありのままを眺めることも、あの頃に戻ることも許されない。 それでも、僕たちは生きていかなければならない。 そんな日常の中で、ふと頼りにしたい何かを求める時に、いつも辿り着いてしまう場所。 そこに、僕たちの思い出は確かに刻まれ

          【俳優 篠崎健人】父と友に導かれた俳優として生きる道

          まえがき父と息子の関係はいつも歪である。 息子にとって父は、母親ほど真っ直ぐに想いを伝えられない存在であり、 本音を語るには照れくさすぎる存在。 父親と息子の関係性は"家族"でありながら、 また別の要素も内在しているようだ。 友情 信頼 畏怖 ライバル いつの時代も、 一言では語り尽くせない 父と息子の距離感がある。 今回は俳優として活躍する篠崎健人さんをインタビューさせていただいた。 30歳を手前に、 人生の選択に迫られている今。 彼の歩んできた道のりが、 3

          【俳優 篠崎健人】父と友に導かれた俳優として生きる道

          【志大学校 中村祐木】後編 何も無いからなんでもやれる 初回記念連載インタビュー②

          前回の「はたらくあなたの物語」では、中村さんの壮絶な人生が赤裸々に語られた。 中村さんはどのように人生を立て直したのか。 そして自分の中に‟ぽっかり空いた穴”をどのように埋めていくのか。 中村さんの中に眠る一つ一つ想いや生き方が、その輪郭を取り戻す後半戦。 愛するとは。生きるとは。 一つの出会いで、中村さんの人生は大きく変わり始める。 第4章 それでも僕は「愛」したかった―その女性との出会いで、人生が大きく変わっていくんですね。 そう、こちらが尋ねると、中村さん

          【志大学校 中村祐木】後編 何も無いからなんでもやれる 初回記念連載インタビュー②

          【志大学校 中村祐木】前編 失われた家族愛と存在理由を探し求めて 初回記念 連載インタビュー①

          まえがき 少年性の中に眠る野心を探る人生は顔に出る。戦い続けた人。戦ってこなかった人。 それぞれの生き方に上も下もないけれど、 誰かのために、何かの為に表に立って戦い続ける人の顔つきは やはり一味も二味も違う。  それは精神年齢という、そんな生易しい表現ではなく、 人生の不都合を受け止められる器の大きさと強さなのではないだろうか。 今回は、志大学校を創業された中村祐木さんにインタビューをさせていただいた。 中村さんから迸るエネルギーを目の当たりにした人は、 きっと彼の

          【志大学校 中村祐木】前編 失われた家族愛と存在理由を探し求めて 初回記念 連載インタビュー①

          『【人生を変える読書とは?】「志大学校」学長中村祐木さんが伝える120%なりたい自分になる独自メソッド徹底解説』

          皆さん、初めまして、 役者業をしている松野貴則と申します。 いきなりですが、一つ質問をさせてください。 「皆さんは自分の人生、仕事、夢に満足していますか?」 今回は、 自分の人生に納得のいかない人、 本気で人生を変えたい人たちに、 読んでほしい記事になります。 私には夢があります。 役者として活躍し、 多くの支えてくれる人たちを喜ばせたい。 そして、 生きていくことがいかに美しくて、 感動に満ちているか。 そのことを映画作品や舞台作品で 伝えていきたい。 私は毎日

          『【人生を変える読書とは?】「志大学校」学長中村祐木さんが伝える120%なりたい自分になる独自メソッド徹底解説』

          息子は父よりもちょっと良い父になる

          「東京の空気がうまく感じるんだよ」 あなたはそう言った後、空に向かってタバコの煙を細く吹いた。 大人はなんでタバコを吸うんだろう。子供の頃その意味が僕には分からなかった。 けれど、あの時に言った父の言葉だけが妙に胸に残っている。 「だけ」というのはそれ以外に残るものが何もないからだ。 父は何もできない人だ。 多分、僕の知らない10代の頃からそうだったし、これからもずっとそうなのだと思う。 そして、彼にとってそれは自ら望んだことだ。何もできない、何もしないということ

          息子は父よりもちょっと良い父になる

          10代と残された90年について

          10代の美しさはいつの時代も、消費され尽くされている。 刹那的で、エネルギーと哀愁に満ちていて、小さな棘がチクリと大人たちの心を刺すのだ。 でもね、と思う。 でもね、あの頃が一番美しくて、あの時ほど誰かを愛せないのだとしたら、10代以降の90年はあまりにも長すぎる。 10代のとびきり甘くて、思い出したら、反射的に喉がせり上がって、うわずった声を上げてしまうくらい恥ずかしい思い出の数々。 あの頃と同じくらい、 あの頃以上に、 輝いていなくては100年も人の人生がある意味

          10代と残された90年について

          【短歌】ドラゴンボールな僕らのこと

          【短歌】ドラゴンボールな僕らのこと

          【短歌】今宵の刺し傷は

           私だけのものは今宵の刺し傷  誰にも取らせないは打つ脈 つくづく、自分には何もない。 嫌気が差すこの言葉が日常化して、 差す嫌気すら無くなる夜でした。 決まってそんな時に、 誰も近くにはおりません。 布団にくるまって しめしめ泣くのも虚しく、 心が確実に乾きに乾いていくのを ただじっと静かに感じていると、 ふと、自分が世界に存在していない、 というより、世界の中で蛇足、 余分に溢れたもののように感じます。 刺してみました。 私の外で、行き場を失った血も溢れました。

          【短歌】今宵の刺し傷は

          短歌 カモンベイビー

             カモンベイビー  35億の女を切っても抱きしめたいひと 聞こえるかい? 俺は今、君に直接語りかけている。 君は小さい。 手も肩もお腹も足も頭も。 そして、いずれそのすべてが変わってしまう。 そういうことが寂しくもあり、嬉しい毎日は 君としか味わえないんだろ? それって恋なのか、 もしくは愛っていうのかな。 そのどれでもないんだろうなぁ。 大きい感情の前で言葉は無力だよ。 応答せよ。ベイビー。

          短歌 カモンベイビー

          【短歌】大人になるってよ

           また一つ  大人になるの  こんなにも  地に足つけず  イケるものなの 今日30歳になりました。 月並みな言い方だけど、 昔感じていた30歳って もっと大人だと思ってました。 車で家族旅行なんかして、 お金のこととかしっかりして、 ローンなんか組んで家買ったり、 社会のこともある程度わかって、 社会人としての余裕もあったり、 そういうのが30歳だと思っていました。 現実の私は、 いまだに車は運転できないし、 多分もうずっと運転することはありません。 車の免許はとりま

          【短歌】大人になるってよ

          【短歌小説】とりあえず生の人

           スキップで街を彩るはずでした  とりあえず生の人、挙手して 私は、高知で育ちました。 大学に入学するタイミングで、 上京してきたので、 東京に来てもう7年になります。 私の育った町は 高知のなかでも、 電車も通っていなくて、 全員顔見知りの人しかいないような、 それくらい小さな田舎でした。 東京はずっと憧れていました。 母の影響が大きかったのは間違いありません。 母が東京出身の人で、 私が小さい頃から 東京の思い出を語ってくれました。 ドラマのこのロケ地は行ったこと

          【短歌小説】とりあえず生の人

          【短歌小説】寝ろや

           悔しい以外の言葉が見つからん  明日になれば死ぬかもしれん 旦那がビールを食らってる。 悔しい。 悔しくて悔しくて、 悔しいという感情が ゲシュタルト崩壊している。 もう何が悔しいのか、 悔しさとはなんなのか、 侮ると悔しさの違いは? にんべんとこざとへん? こざとへんは違う。 「院」の左のクネクネだ。 悔しさの左にあるあれはなんだ。 部首名がわからなくても、 悔しいという言葉を 使いこなしてる俺はなんなんだ。 ちくしょう 殺してくれ。 いっそ人想いに殺してくれ。

          【短歌小説】寝ろや