見出し画像

摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~249


私にもこの先、お腹が減ってることも気が付かないで走り回ったり、おいしいものをお腹いっぱい食べたり、そんな子供の頃のような感覚が戻ってくることがあるのだろうか。何かに深く深く悩んだり、苦しまないですぐに気持ちを切り替えて、何に悩んでいたのか忘れてしまうような、そんな無邪気さが取り戻せるのだろうか。

「あぁ、いっそのこと、子供の頃に戻って、難しいことは考えないで、ただただ楽しいことだけを追いかけて、お腹が減ったらおいしいものをたくさん食べて、喉が渇いたらカロリーや糖質のことなんて気にしないでコーラでもがぶがぶ飲んで、疲れたら寝てしまいたい」

目の前の子供たちは、暑くてもそんなことは気にもならない様子で、元気に、楽しそうに、笑いながら走り回っている。きっと、どんな状況でも、どんな環境でも、楽しいことを探して、時の経つのも忘れて、今を楽しく過ごす、楽しむことしか考えていないのだろう。

それに比べて、私は一体何をしているのだろう。せっかくの休みなのに、家でゆっくりとくつろぐことも出来ず、暑い中、あてもなく彷徨い歩いている。涼しいお店に落ち着くことすら出来ずに、公園のベンチに座って、子供たちを見ては、羨望の眼差しを向けている……何か、自分で自分の状況を考えていたら、惨めになってきてしまった。

「何でみんなは『痩せること』とか『食べること』を気にしないで過ごすことが出来るのだろう。それがそもそも間違っているのか。何で私は『痩せること』と『食べること』ばかり気にして、それしか考えられないのだろう。ただただ楽しいことを探して、時の経つのも忘れて、今を楽しく過ごす、楽しむことしか考えなければいいのに。どんな状況でも、どんな環境でも、楽しいこと、心地いいこと、それだけを考えればいいのに」

私は、何に拘っているのだろう。

私は、何に囚われているのだろう。

私は、何を気にしているのだろう。

自分で自分のことが惨めになるほど守りたいものって、何なんだろう。

私は、何を目指しているのだろう。

私は、どこに辿り着きたいのだろう。

私は、私は、私は、一体何なんだろう。

どれだけ時間が経ったのか、いつの間にか目の前で走り回っていた子供たちはどこかへ行ってしまった。いっそのこと、私も一緒に連れて行ってほしかった。元気に、楽しそうに、笑いながら走り回っている仲間に入れてほしかった。そんなことを考えている自分が、ますます惨めに思えてしまった。


今日もありがとうございます。

いいなと思ったら応援しよう!

kei
よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートは、今後、摂食障害で悩む方々のサポート活動に、大切に使わせていただきます。