摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~「痩せたい」と「食べたい」のその先へ~129
そんな話をしていたら、タイミング良く次の料理が運ばれてきた。
「お待たせいたしました。イベリコ豚の香草焼き、でございます」
豚肉、というよりはローストビーフのようにほんのりピンク色のお肉が目の前に置かれた。
「私の話でお酒が飲める、なんて嬉しいけど、飲んでばっかりじゃ身体に良くないし、とりあえず食べましょう」
「あっ、はい。いただきます」
一口食べてみると、柔らかく、ほんのりと甘みも感じられる。
「このお肉も、とってもおいしいです!」
「そう、それは良かった。イベリコ豚って、確かスペインの黒豚なの。ホントにおいしいわね」
ゆったりとした空間で、憧れの先輩と、おいしいワインと料理を囲みながら楽しく話をする。こんなに贅沢で、幸せな時間を過ごしたのは久しぶりだった。
新山さんの話を聞いていて、もう一つ確認したいことがあった。
「新山さん、もう一つ聞いてもいいですか?」
「うん?何かしら」
「あのう……どうして今の会社に入ったんですか?モデルって、すごく新山さんに合ってるお仕事のような気がするんですけど」
ワインを飲み干して、そっとグラスをテーブルに置いた新山さんが静かに話し始めた。
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