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風何(ふうか)
2023年3月25日 07:23
自傷的に、小説を読むことしかできないかなしい話、くるしい話ばかりほしくなってそれでも、そういう物語を読んで、あの場面が、もしもこんな風だったら、と、あとから考えてしまうこと。きみがあなたはやさしいんだ、と言って日の光みたいな温もりがあるんだ、と言ってそれできみに死んでほしいと思っているぼくは、なりたくもないのに、やさしいひとになるしかなかった。きみを傷つけることすらできない。温
2023年3月23日 11:40
正しさはきっと、綺麗な青色をしている。だからこそ、空はあんなにも青くて、透き通っているんだろう。人が人を殺そうとする、そんなときでも、名前も知らない水平線に、思わず見惚れてしまうこと、それは、海にも、その青さのぶんだけ、たくさんの正しさが溶けこんでいるということで、それで、知らないうちにわたしたち、恋をしているからだ、海に恋する、海に憧れる、つまりね、生まれたときから、死にたがってるんだよ、わたし
2023年3月17日 10:13
痛い。どんな風に?と聞かれて、せつめい出来ない。似ている、ほんとうは、ただそれだけで、そのかんかくはぜったいに、それそのものなんかじゃないのに、と、そう思っても、すぐ忘れてしまうし、忘れられてしまう。それは、ぜんせで感じたものなのか、はたまた昨日感じたものなのか、果たしてそのどれに似ているのか、ぼくにはぜんぜん分からないけれど、ひっしに今までのすべてを思い起こして、ぞくぶつてきに、形容してるんだ、
2023年3月15日 20:57
年を取って。季節が巡り、消えてゆく間際発熱して、発火するような気さえして、けれど、それが、季節の創り出した温度じゃなかったことやっと気が付いたんだ、私も、貴方も。心臓の色しか、知ることが出来ない。これからも、風が吹いてゆくみたいに、私たちを、季節は取り残してゆくけれども、それでも、また、誰にも干渉しない風景を見つめながら、貴方の、貴方の、好きな絵を書いて。幻想みたいな色彩しか
2023年3月7日 16:41
これ以上ないくらい単純な言葉で、救われたかったのだ。花火が打ち上がって、そのあいだに銃殺される誰かのこと、気が付かないまま、打ち上がる花火の綺麗さばかり見つめて、視界が、万華鏡みたいに鮮烈に染まっていたから、この世界のぜんぶは代用がきかないんだと、わたしは、気持ちよく唄っていた。きみの物語なんて、どうでもいいんだよ、と、そんな感情がわたしの心のどこかにあったとしても、それが解剖されて打ち出されるこ
2023年3月5日 07:43
世界が映る、そこには世界が映し出されている、ただ、それだけのことでしかないのに、と朝が終わって、昼を飛び越したみたいに、いつのまにか夜になった。綺麗であろうがなかろうが、すべての風景は、色彩以上にはならないこと。きっと、代わりに嵌め込まれただけの硝子細工が、この世界を最も綺麗に映し出すから、ただ、その事実だけで、わたしは、心の綺麗さなんて無意味だと言うことができる。解像度が低いだけで手