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風何(ふうか)
2025年1月27日 15:54
左脳が発火したみたい。何も考えられないの。艶めき洗練され花開く曼珠沙華、僕の上で飛散するように踊り狂え。つられるように熱の中に入り込んで、発火、とまで行かなくても沸騰するように僕までもが体温に近い温度を持って、そうしてどこまでも情熱的になれたのなら、赦される気がしたから、僕も、今に開花しそうな瓣みたく喘いで、自然発火するみたいな言葉を呟いて、けれども僕だけは、いつまで経っても真空に保存されているみ
2025年1月19日 21:11
葉桜に移ろい、新緑が代替して、いつしか新しくない緑になって、夏。免罪符。大抵は、後から綺麗な思い出が上書きしてくれるよ。何度も何度もペンキで上塗りをしていくように、眩しい笑顔ひとつで大抵のものはなかったことにできるし、煌びやかな景色さえあれば、すべてを忘れ去ることができる。透き通るラムネ瓶、ホースから飛び出す水飛沫、立ち上る陽炎、響きわたる蝉時雨、やっぱり夏は清掃業者みたいね。ほんとは、桜の樹の下
2025年1月17日 20:02
自虐を赦してもらう材料にして、僕は今日も誰かに愛してほしいと思う。夜風に吹かれがら澄まし顔をして、清潔なふりをして、思案をしているふりをして、けれどもただただ愛してほしくて、そして誰のことも愛したくない。そのことを正当化するんだ、叢雲に隠す月みたいに。なにもかも先に定義してしまえ、すべてを赦してもらうために。だって、誰かを好きになるのは、いつだって、誰かが僕のことを好きになったときだけで、僕の恋は
2025年1月16日 22:23
左右非対称の眠りについて、安らぐように(それはたぶん、もともと、烈火のごとく猛っているからこそ、相対的に、安らぐように)、今日も、優しさが欲しいと思う、優しさが欲しいし、優しくなりたいと思う(それはまるで将来の夢みたいに、いつかは、とても切実に、いつかは、届かぬと知った遠いどこかにある惑星のように)、そして、きっと眠っているあいだは、そんなことしか考えられないものなんだ、人類は、果たしてこの世界に
2024年12月25日 22:04
海月が、深海を模した水槽で、沈んでは浮かんでを繰り返して、透明なもの、ひいては透き通っているから綺麗なんですね、と分析家のきみは言って、そうやって類型化しましょう、すべてを、見える範囲のものを定義して、完成させてゆけ、きみの世界を、水晶も、ダイヤモンドも、ルビーも、サファイアも、透明だから、ぜんぶがぜんぶがぜんぶ綺麗で、そういうものをかき集めて、それで詩を書けばいい、絵を書けばいい、すべて形式化し
2024年11月5日 18:53
まるでわたしの手指が独立した生物のように、っていうのはあながち大袈裟な比喩じゃないかもしれないですね。(ともだちがいないから、誰に話しかけるでもなく。ひとり言以上、誰にも吸われない空気みたいな)事実、その仕草は、わたしの脳髄をほとんど経由することなく表出してた。わたしの行動は、ドーパミン。自分のことに自分で責任を取れるひとになりたいって思いながら、放出していた。百点、百点、また百点って繰り返し殴
2024年10月5日 14:09
左脳が揺れるように痛んで、何かを拒否するように頭を振れば振るほど痛くなって、けれども僕は、そのときになって初めて、僕が今まで、痛みでしか嘆いたことがないのに気が付いた。海底から急浮上するように。海底から急浮上して、顔を出して、広がる水平線を目にするかのように、そこから始まればよかった、そこから広がればよかった、人生みたいななにか。と夢想しながら、僕は変わらず、嬉しくも悲しくもなく、誰にも宛
2024年5月18日 15:11
「僕には誇れるものなんてなにひとつないけれど、それでも君のことが好きだから、僕はこの命に懸けて、君を一生守っていこうと思うよ。」そんな純粋にも見える言葉が、ただなにもないことの言い訳だと悟られずに、君から、ずっと愛されていたかったのに、そうなるには僕ら(僕らと思っているだけの僕)、ぜんぜん才能が足りないみたいだった。口下手はただの怠惰だし、誰も僕のことを分かってくれないのも、みんなと友達になる努
2024年2月6日 18:17
綺麗かどうかを棚に上げて、雲によってしか、そこに模様を描くことができないのなら、空もまた虚ろだ僕と同じようにからっぽ、と言って死骸の瞳がそうするように、青空を眺めて空に空という名前をつけた人となら、友達にだってなれるかもしれないと思いながら本当は、その世界で自分だけ、自分で自分を満たせるくらい、清潔になりたかった。
2024年1月13日 13:17
他人に寄り添うことが、世界を救うのだとしたら、僕は、人類の為に、ずっとずっとひとびとに寄り添っていよう。歌手になるためではなく、ただ心の響きを見せつける為だけに、唄い続け、吹き抜ける風を感じる為だけに、並木道を練り歩く。春が渦巻くなか、思い立ったように立ち止まっては、誰かに共感するように涙を流し、そして、時間が止まらないことを知りながらも、なおのこと泣き続ける。そういう怠惰なきみたちに共鳴して、僕
2023年12月29日 19:28
頭痛。溶解しない沈殿。もう一生分眠ってしまって、僕は、眼を瞑る口実を見つけられない。見ないことを選べず、ただ見ることしか出来ない光景を前に、夢を、いつか見ていたことを思い出しながら、沈殿して往かない意識を、重々しく、頭の重さそのもののようにもたげている。泥のように眠っても、眠っているから、泥のようであること、なにも気にしなくてよかったのに、眠りにつけなければ、ただ取り残されるのだ、存在、泥
2023年12月3日 16:20
どれだけ僻んだって、きみは海。砂浜の砂を少しだけ濡らして、歪んだ月の光を、その淀んだ水面に映し出す、ただ僕に疎らな詩を想起させるだけのもの。僕はきみのことが好きだけれど、きみを、本当の意味で好きになることなんてないのかもしれないね。みんな、生まれたときから詩人で、目の前にあるものを、象徴的にしたがっている。それはきっと僕も同じで、砂浜で微かに輝く貝殻を拾い集めるみたいに、そして、その音に神経を研
2023年11月29日 20:07
虚ろに、窓の外にある夜を見つめて、嫌いな人の話をしながらしか、恋ができない。きみの寝息が聞こえる午前2時、ただ後ろめたさから、夜空に平和を願って、そして、その願いが、いつか、ふとした瞬間に叶ってしまったとしたら、そのときは僕たち、もっともっと広い世界の話をしよう。いっしょに空を見上げて、大きな世界の前で、いつまでも一番の被害者でいよう。
2023年11月27日 19:16
「ふと思い付いたんだ。ある日、絵本作家の幽霊と友達になって、けれどもただ、絵の描き方、物語の作り方ばかり教えてもらっているような、そんなつまらないひとりの少年の話を。」嘲笑にすらなれない仄かな笑いを、いつかの発射残渣のように忍ばせて、揺蕩う水面みたく緩やかに進行する、物語未満のもの。喜劇だ、と呟いて、ひとりでに、にやにやにやにや笑っていた。眩暈に襲われるかのように、追っていたページの文字が、つぎ