鉄のフライパン

私は男性と距離が近いのが苦手だ。

セクハラやモラハラの被害によく遭ってきたからだ。

先日裁判所で弁護士と並んで座った時、弁護士がグッと椅子を詰めてきた。

内心「うわあああ！」と思った。

しかし心拍数も上がらず、大丈夫だった。

信頼できる人だと近づいても平気らしい。

それどころか頼もしく感じた。

同じように支援者でも大丈夫な人がいる。

彼はいつもとぼけたりふざけたりしていて、頭に来る。

「あーー！もうウゼー、ウゼーよ！バーカ！」
とつい言ってしまう。

「体調悪すぎて、お酒が飲めなくなっちゃった。」と言えば
「良かったじゃないですか！」と返し

「ついでにタバコもやめましょう！あ、火をつけちゃダメですよ！
あーあ、つけちゃった」としつこい。

先日は「テフロン加工のフライパンは発がん性物質が出るから良くないらしいですよ。今大問題になっていますよ。
海外では販売中止になっているって。
鉄がいいらしいですよ。後で調べてみて下さい」と。

私「発がん性物質っていっても、毎日こんなにタバコ吸ってるんだから意味ないじゃん。
それに鉄って重いし、すぐこびりつくし嫌だ。」

「まー、確かにそうですよね。」と笑っていた。

その後、私がいつものように調理したフライパンを流しに置くと、他の食器は洗うがフライパンだけ残していた。

一緒に洗っちゃえば楽なのに、何でわざわざ二度手間になるようなことするんだろう？と不思議に思った。

翌日病院の待合室で「そういえばテフロン加工のフライパンのこと言ってたよな？」と思い出し、検索してみた。

いくつかのサイトでは「通常の使用であれば問題ない」と書いてあったが、学者の論文が載っているサイトでは「有害だ」と解説してあった。

高温になると発がん性物質が発生し、高温のまま洗うと融解して危険度が上がるという。

だから、フライパンが冷めるまで洗わなかったのか！

そんなに気を遣わせて申し訳ない。

すぐに鉄のフライパンを発注した。

いつも飄々としているけど、私は知ってるよ。

あなたが誰よりもウチのことを心配してくれていること。

これからも頼りにしているよ。

いっぱい愚痴吐いてごめんね。

今度来た時にやって欲しいことたくさんリストアップしたから、
覚悟してね。