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孫正義さんの「スマボ」の話 その2

今回も孫正義さんの基調講演を聴いてのメモ書きの続きとなります。

「スマボ」とは孫さんの造語で、「スマート・ロボット」のこと。

これまでのロボットを「ガラボ(ガラパゴス・ロボット)」とすると、スマボとの違いは以下のとおり。

✅      ガラボ
 ・ 人によるプログラム
 ・ 決まった動作しかできない
 ・ よって一部の産業において導入 

✅      スマボ
 ・ 自ら学ぶAI学習
 ・ 臨機応変な対応
 ・ よって全産業での導入が可能となる

先日のコラムで挙げたスマボの導入モデルが主に「物理作業」だとすると、ホワイトカラー用の「事務作業」の手順の自動化もスマボの役割のひとつと言えます。

これは最近何となく耳にするようになったRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)というものですね。

こんなことを言っては失礼かもしれませんが、日々オフィスや自宅のパソコンの前でしている業務のうち、実際に「人間にしかできない」という付加価値をもってやっている内容がどれくらいあるのでしょうか。

ルーチンワークとして「考えることなくできる作業」であれば、作業手順の自動化の構築を誰もが簡単にできるようにすることで、本来の仕事に向き合う時間が生み出せます。

考えなくていいこと、ルーチンワークの自動化を図ることで、エラー削減、工数削減、生産性の向上につながります。

反対に、人間がする仕事は「考えること」。

創造力を発揮し、他者とのコミュニケーション、関係性の構築を重視し、より高い付加価値の仕事に集中できるというわけです。

孫さんは、自らのことを歴史上のロスチャイルドのような「資本家」だと言われていました。

単なる投資家と違うのは、「ビジョンを共有し未来を創る」ことを目的としているという点。

今はソフトバンク・グループとして、ユニコーンと言われる未上場のAI企業のうち300社に資本提供しており、これは世界のシェアの10%に当たるとのこと。またその内、18社が「スマボ企業」であり、これだけ大きな「スマボ企業軍団」はおそらくないだろうとも。

若いAI起業家たちへ支援をしてAI革命を起こし、より便利な社会を創造する。

自らは何も創り出していないが、「人よりも時代の流れをちょっと早めに読むことができる」のが自分の得意なことだと話されていました。

確かにこれまでを振り返ってみても、まずはインターネットの普及。そして携帯電話の普及。そこからのiphoneの普及。人型ロボット「ペッパーくん」の普及は失敗だったのかもしれませんが、それも今後のスマボ普及への一過程だとすれば、大筋としてはこれまでの判断は決してブレていない気がします。

こうしたイベントで情報発信をして、これからの未来を分かりやすく伝えることで、自社グループの価値が高まれば、更に投資先を増やすことも可能となるという穿った見方もできますが、それによってAI革命がさらに推進し実際に便利な世の中になるのであれば、決して株価を高めるための単なる印象操作や利益追求だけではないのだろうと感じました。

「スマボ」、この造語がどこまで普及していくかはまだ分かりませんが、今しばらく注目していきたいキーワードです。

幸い私たちの業種である介護の分野は、「人とのより良い関係性の構築」という高付加価値の仕事であるため、ロボットに仕事を奪われる心配はなさそうです。

だからこそ、不要な作業はどんどん任せていくことで、お客様や部下に向き合う時間を更に生み出していきたいですよね。

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