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はがの森
2021年11月18日 14:43
「雪奈、ただいま」雪が降り、凍るような冷たい夜空の中、母は私をぎゅっと抱きしめる。冷たい空気、冬の寒さを感じるたびに、私は母のことを思い出す。共働きの家庭で育った私は、幼い頃から留守番をすることが多かった。特別支援高等学校で教師をしている母は、残業が多く、帰宅するのはいつも22時を過ぎていた。母は帰宅すると、一目散に私を抱きしめる。外の冷たい空気が、部屋のぬくぬくとした空気と溶け
2021年11月11日 15:04
偶然の中で生きている。それは必然であって偶然ではないから。偶然の中で生きている僕はいう。月が綺麗ですねって。この曲は、大好きな高校の友達が、私のために作った曲の一節だ。とても厳しかった吹奏楽部を3年間共に生き抜いた仲間であり、卒業してからも遠出をしたり、ご飯を食べに行ったりする旧知の仲である。私は彼の歌に何度も救われている。大学2回生の春、人生最大の失恋をした。ボロボロの私は
2021年10月14日 14:30
浮気。二股。乗り換え。こんな言葉はドラマの話だと思っていた。ある夏、仲の良い友人だったMと付き合い始めた。彼の純粋でまっすぐな所に惹かれ、私には無い行動力や発言力が好きだった。思い出が増えるごとに、どんどん好きになっていった。「俺、一生一緒って決めた人としか付き合わない」「ずっと一緒にいようね」こんな言葉を言うもんだから、当時の私は本当に永遠に一緒にいられるのだと信じていた。