「世界」の話を「人間」に矮小化する罪
難波を歩いていたら「恐竜科学博」のポスターを見つけ、会場でトリケラトプスやティラノサウルスの化石を見てきた。年齢も45歳を過ぎると、社会の中でそれなりに人間と触れ合わねばならない。社会的存在であることは僕らの人生の「前提」ではあるが、人間と向き合うことの独特な疲労感は誰もが思い当たるだろう。恐竜の化石を見たり、家で飼育したカブトムシが生んだ幼虫をひたすら眺めたり、「人間以外」の存在に触れることで心を落ち着ける。
昨今の僕の研究課題の一つが折口信夫であるが、折口の民俗学的研究