ガスコンロだけじゃない。非常時に活躍してくれるガス製アウトドアギア5選
こんにちは、グランドデザインの藤原です。あらゆる災害によって電気・ガス・水道の生活インフラが止まってしまうことを想定し、これまで『電気』と『水道』の復旧をテーマに防災時にも使えるアウトドアギアの紹介をしてきました。
つい先日の2月13日午後11時8分ごろ、福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震があり、最大震度6強を観測しました。これにより10万戸以上の停電や配水管の破裂など被害が報告されています。この地震2011年3月の東日本大震災の余震とみられ、10年を経ったいまも猛威を奮っています。皆さん、しっかりと備えていきましょう。
今回の山遊びと防災、生活インフラ復旧第3弾。
「ガス」がテーマです。
はじめに「ガス製品」と言われて皆さんが思い浮かぶのは、一家に一台はおそらくあるであろう「カセットコンロ」ではないでしょうか。いわゆる鍋などをする際に使うあれです。このカセットコンロの燃料となるのが『CB缶』といわれるガスボンベになります。これとは別にアウトドア用途に使われる『OD缶』というのがあるのはご存知でしょうか。アウトドアショップや大きいホームセンターなどで取り扱われているので見たことがある人も多いかと思います。
まずは、この2つのガスの違いを知っておきましょう。
CB缶
Cassette Gas Bombe(カセットガスボンベ)略して、CB缶(シービーカン)。最大のメリットは、誰しも一度は使ったことあるというぐらい、どこにでも流通しているということです。100円ショップやコンビニでも売っていますので、『いつでもどこでも手に入れやすい』。またカセットコンロがあれば、おウチでも使えるので鍋などの用途のほかに防災対応として備蓄ができます。価格も一本100円程度ですので、コスパも最強です。
リーズナブルなCB缶といえばこれ。防災道具はコスパも大事です!
オシャレにしたい人はSOTOがカッコイイ。
CB缶のオプションとしてガストーチも持っておくと薪に着火したり、調理時の炙りに使えたり、なにかと便利です。
火力や使い勝手の良いのはこちら
やっぱり使い勝手より、オシャレにしたい人はSOTO
OD缶
その名もずばりOutdoor(アウトドア)略して、OD缶(オーディーカン)」。キャンプや登山などのアウトドアユースを目的としたガス缶で、最大のメリットは厳しい屋外環境下でも出力が安定しやすいことが特徴です。
防災目線でこの2つを天秤にかけた場合、山岳時のような風を遮るものが全くない環境ではないことと、燃料の圧倒的な入手のしやすさの観点から『CB缶』をおすすめします。
この他、CB缶とOD缶には一般的なレギュラーガス以外に、沸点の違う寒冷地用のパワーガスというものが存在します。もちろん火力は強力ですが、それなりに値段も高く防災道具としてはハイスペックになるので必要ないです。もちろん寒冷地にお住まいの方は選択肢として取り入れていいと思います。
それでは、藤原が防災におすすめのCB缶を使用するガス製アウトドアギアの紹介です。
1.イワタニ カセットコンロフー マーベラスII
防風効果のあるトップカバーと五徳のまわりをカバーする防風リングを装備したカセットコンロ。ちょっとした屋外環境であれば効率的に火力を保てます。おウチ使いではトップカバーを外しても使えるので適材適所で活用できます。トップカバーを閉じてそのまま収納できる優れもの。大きい鍋をつかった主食の調理に活躍してくれます。しかし、デメリットは重量2.8kgでとっても重い!おウチでインフラの復旧を待つ時にはよいですが、避難状況によってはサクッと諦めも肝心です。
2.SOTO レギュレーターストーブ ST-310
折り畳み式のガスバーナー。総量わずか350gと、高出力・高火力の「SOTO レギュレーターストーブ」。圧倒的な持ち運びのしやすさが『防災』に適した逸品です。CB缶の弱点でもある低温時に、高火力を発揮するよう設定されたマイクロレギュレーター制御で、外気温が低くても火力を安定してくれます。フライパンでの調理やお湯を沸かしたりするのに重宝します。SOTO製品の中でもとても人気の高い製品です。
別売のウインドスクリーンを使用すれば、さらに高効率。
これ以外のコンロ、たとえばツインバーナーのものなどもありますが、それは防災視点で考えると重く、持ち運びに適していないので除外。おすすめしません。個人的にはSOTOのレギュレーターストーブだけでも緊急時対応は可能だと思います。
続いて火器には調理器具が必要となりますので、防災に便利なアウトドアギアをあわせてご紹介します。
3.PRIMUS ライテックトレックケトル&パン
アウトドアメーカー各社からクッカーは販売されていますが、このプリムスのクッカーはコスパと使い勝手が◎。僕もこれを使って10年になりますが、まだまだ現役です。コッヘル(鍋)部分でお湯を沸かすことはもちろん、内側にテフロン加工が施されていますので飯盒代わりにお米もふっくら炊けます。フタ部分は目玉焼きをつくるのに最適なフライパンにもなります。焦げ付かず、お掃除も楽々な一品。一人1セット持っておいても良いかもしれません。
コッヘルでお米炊きはこちらから
4.MSR クックウェアシリーズ
セラミック2ポットセット
夫婦や家族分の調理に適した1.5Lと2.5Lのポットセット。鍋やスープなどをつくるのに便利です。内部は高温に強く、安全で耐久性に優れたフュージョンセラミックのノンスティック加工を施しています。取り外し可能な取手や湯切り付きの蓋など使い勝手にもこだわっています。もちろん軽量ですので防災道具として最適です。
セラミックフレックススキレット
上記のポットセットと同素材のスキレット。フライパンです。炒め物などメインのおかずの調理に使えます。こちらもとにかく軽いのが最大の売り。ポットセットとスタッキングして持ち運びできるのが魅力です。
調理器具は推薦しているアルミのほか、熱伝導率が高くて、重量の軽いステンレスやチタンといった素材もあります。しかし1gでも軽くして臨む登山とは違い、あくまで防災の備えであればアルミでも十分。ちなみに僕は山でもアルミを使っています。
その他のキッチンツールはこちら。
MSR アルパインDXキッチンセット
軽量でコンパクトなのでテン泊する登山での調理や防災道具としてはいいですが、その分使い勝手はそこそこなので、厳密には備えとして持っているって感じです。
ご紹介したMSRのクックウェアシリーズ3点はハイパフォーマンスがゆえに、少しばかりお高いですので、僕と同様にカタチから入るぜって方にはオススメ。他メーカーからも色々販売されていますので、調べてみるのもいいですね。
そして、CB缶の用途はまだあります。
ガスランタンとして照明器具にもなるんです。
5.SOTO ガスランタン
レギュレーターランタン ST-260
上記でご紹介しましたレギュレーターストーブの機構をそのままランタンに転用したものです。燃料系ランタンですので出力を上げれば光量を最大化できたり、安定した光量を供給してくれます。そして、ストーブ同様にコンパクト設計の軽量ボディなので持ち運びに便利です。
虫の寄りにくいランタン ST-233
カセットガスを使用するランタンで、低燃費かつしっかりとした光量が確保できます。カセットガスを温めるパワーブースターが標準で搭載されているため長時間安定的にガスの供給が行えます。屋外の使用時にはオレンジに塗装されたガラスにより虫が寄りにくい設計となってます。
マントル
ご紹介したランタンはガスを燃料としているので、ガスを溜めて燃焼させるマントルというものが必要となります。これが初心者の方ですと破いてしまったり、はじめは少し手間取るかもしれませんが、何回かやればすぐに慣れます。
要注意!
絶対に室内やテントなど閉ざされた空間では使用してはいけません。十分に換気のできる環境下での使用に努めてください。ご推薦しているのは、あくまでCB缶を使用したレパートリーとして覚えておくと良いです。
まとめ
このようにCB缶を燃料として、色々なものに転用が効きますので、全てのツールに1:1で燃料を準備するのではなく、都度組み替えていくと省エネになります。とはいえ、燃料には限りがありますので十分な量を確保しておくとよいですね。
ここまで3回に渡って生活インフラの復旧に使えるアウトドアギアを紹介してまいりました。
どれも持っていて損はないものばかりです。これを機会に手にとって、そしてキャンプやBBQなどの山遊びに取り入れて、ぜひ使ってみてください。山遊びの延長で扱えるようになるまでが『防災の備え』です。
それでは、また次回!
過去の『山遊びと防災』連載はこちらから。
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