RPAコンサル 芳野 剛史

グッドフィールドコンサルティング代表。 中小企業向けにRPAのコンサルティングを行っています。 コンサルティング現場で培ったノウハウを提供したいと思っています。

RPAコンサル 芳野 剛史

グッドフィールドコンサルティング代表。 中小企業向けにRPAのコンサルティングを行っています。 コンサルティング現場で培ったノウハウを提供したいと思っています。

最近の記事

プロジェクトを成功に導く8つのポイント(8):小さく作って大きく育てる

メディアではロボットで何百人分もの業務を自動化したなどの事例が躍りますが、RPAはEUC(End User Computing)ツールであり、本来は現場における小さな改善を積み重ねていくほうが適しています。ユーザーが自分でRPA開発をするとなると、学習しながら進めるため、時間がかかってしまいます。しかし、ユーザーがしっかりと学びの時間を経ることが長期的にRPAの「持ち味」を最大限に活かすことにつながります。したがってRPAは「小さく作って大きく育てる」というのが基本です。

    • プロジェクトを成功に導く8つのポイント(7):早い成功体験

      ロボットの導入に対して、本当に効果があるのか懐疑的な人も最初は多いはずです。RPAの効果をいくら言葉で説明しても、なかなか伝わりづらいかもしれませんが、「百聞は一見に如かず」で実際に成功したところを見せると効果的です。これはプロジェクト関係者に「早い成功体験」をしてもらうということです。そして「自分もやりたい」、「これだったらあの業務もできるはずだ」と思ってもらえればプロジェクトにいきおいがつきます。 早い成功体験の実現方法早い成功体験の実現方法には、①PoCのお披露目会、

      • プロジェクトを成功に導く8つのポイント(6):ミニチームによる活動

        プロジェクトの作業は「1人でやらない」というのが原則です。たとえば、ある業務を担当する人が1人しかいない場合、その現行業務フローを書くのはその人しかいないと思うかもしれません。しかし実際は2~3人のチームで行ったほうが生産的です。つまり「ミニチーム」で活動することがプロジェクトを成功させる要因の1つなのです。 ミニチームのメリット日常業務のように作業内容がわかっている場合は、作業を分担したほうが効率的に進みます。しかし業務設計やPRA開発のように、多くのユーザーにとって初め

        • プロジェクトを成功に導く8つのポイント(5):適切な推進会議の運営

          プロジェクトを着実に進めるためには適切な推進会議の運営が重要となります。推進会議とは、プロジェクトの進捗管理や課題管理を行う定期的なミーティングを指し、PRA導入では週次サイクルで実施することが多いです。ここでは「進捗管理」と「課題管理」のポイントを説明します。 進捗管理のポイントプロジェクトの進捗管理によく使われる管理フォーマットが、下記のような「ガントチャート」です。よくあるスケジュール表ですが、使い方の間違ったガントチャーを現場でよく見かけます。適切な進捗管理を行うに

          プロジェクトを成功に導く8つのポイント(4):適切な体制作り

          プロジェクトを推進するには、適切な体制作りが不可欠です。適切な体制とは、自社の企業規模、組織体制、プロジェクトのサイズ、アプローチ、スキルレベルに適したプロジェクト推進体制のことです。たとえば大規模プロジェクトにもかかわらず、全体をコントロールする事務局を作らなかったり、RPAのスキルレベルが低いにも関わらず、サポート体制を用意しなかったりすると、当然プロジェクトはうまくいきません。 適切な体制は一義的にプロジェクトサイズに依存します。ここでは具体的な体制の選択肢と留意点に

          プロジェクトを成功に導く8つのポイント(4):適切な体制作り

          プロジェクトを成功に導く8つのポイント(3):阻害要因を取り除く

          RPA導入のプロジェクトでは、人や組織の「抵抗」が伴う場合も少なくありません。声を大にして反対する人もいますが、多くは水面下で無言の抵抗をします。このような無言の抵抗は決して無視できず、プロジェクトが途中で立ち消えになったり、骨抜きにされたりする可能性があります。ここではプロジェクトを推進する上での「阻害要因」について、その問題点と対応について説明します。 なぜ人は抵抗するのかなぜRPA導入に抵抗する人たちがいるのでしょうか。これは、もともと人は変化が好きではないからです。

          プロジェクトを成功に導く8つのポイント(3):阻害要因を取り除く

          プロジェクトを成功に導く8つのポイント(2):トップのリーダーシップ

          業務改善を推進する上で重要なのが「トップのリーダーシップ」です。特にRPA導入のように非日常的な活動を推進するためにはトップのリーダーシップが必須となってきます。よく業務改革などではリーダーシップが重要と言いますが、RPA導入では具体的にどういうことでしょうか? トップのリーダーシップが必要な理由①プロジェクトメンバーのモチベーション維持 プロジェクトメンバーはトップの「強い思い」を感じて苦労を乗り越えることができます。メンバーはプロジェクト以外にも、通常業務を抱えている

          プロジェクトを成功に導く8つのポイント(2):トップのリーダーシップ

          プロジェクトを成功に導く8つのポイント(1):プロジェクト化する

          RPA導入は従来の現場改善のように日常業務の1つと見なされがちですが、必ずプロジェクト化しなければなりません。プロジェクト化するという意味は、日常業務の一環として業務改善を実施するのではなく、日常業務とは別に「プロジェクト活動」と位置付けることです。それでは、なぜプロジェクト化する必要があるのでしょうか。 ①日常業務と切り離す日常業務には優先順位が存在します。最優先でやるべき業務と後回しでも構わない業務があります。一般的に顧客に関わる業務は優先となり、社内業務は優先されない

          プロジェクトを成功に導く8つのポイント(1):プロジェクト化する

          プロジェクトが頓挫しないための要件

          RPA導入プロジェクトは途中で頓挫することがあります。これにはいくつかパターンがあり、たとえば最初は順調にスタートしたプロジェクト活動も、本業が忙しくなるなどの理由で活動がいったん停止し、その後再開することもなく立ち消えになることがあります。あるいは、当初想定していたような効果が出なかったり、想定外のトラブルが発生したりすることによって社内から不満が噴出し、プロジェクトが立ち往生してしまうこともあります。 ①ネガティブになりやすい業務改善そもそも仕事のやり方を変えるというの

          プロジェクトが頓挫しないための要件

          業務効率化7つのセオリー(7):今やっていない業務も視野に入れる

          RPAは現行業務の改善だけでなく、今やっていない新しい業務にも活用できます。正確には、「本来やりたかったが今はやれていない業務」をやれるようになります。たとえば納品業務において、本来は前日に納品先へ連絡を入れてスケジュールを確認すべきところを多忙でできていない場合に、RPAで連絡を自動化するようなケースです。 このような「やれていない業務」は現行業務の検討からは出てこないため、意識的に拾い出さないといけません。具体的には「今はやっていないが、本当はやるべきこと、やりたいこと

          業務効率化7つのセオリー(7):今やっていない業務も視野に入れる

          業務効率化7つのセオリー(6):アナログだからといってあきらめない

          ここで言うアナログとは紙の情報のことで、たとえば紙の注文書や請求書のことを指します。デジタルデータではないため、このままではRPAで処理することができません。紙の帳票をExcelフォームに変えたり、AI-OCRを利用したりするなど方法はいろいろありますので、アナログであったとしても工夫の余地はあります。アナログだからといって、簡単にあきらめてはいけません。 中小企業などでは、社内に紙の帳票があふれているところも少なくありません。その場合、残念ながらRPAは活用できません。紙

          業務効率化7つのセオリー(6):アナログだからといってあきらめない

          業務効率化7つのセオリー(5):人の判断が必要だからといってあきらめない

          RPAが適用できる業務は、ルールが明確で人の判断がいらない定形業務が対象となります。人でなければ判断できない業務をロボットが処理できるはずもないからです。こう聞くと、多くの業務が「人の判断が必要だから」という理由で簡単に対象外にされがちですが、そう簡単にあきらめるべきではありません。次の2つの可能性について検討してみましょう。 ①すべてに人の判断が必要なのかまず人の判断が必要なケースが全体の何割占めるかを確認してみます。もし全体の1~2割程度に人の判断が必要なのであれば、残

          業務効率化7つのセオリー(5):人の判断が必要だからといってあきらめない

          業務効率化7つのセオリー(4):なんでもかんでもRPAでやるべきではない

          RPAによる業務効率化というテーマだからといって、なんでもかんでもRPAで実現しようとしてはいけません。もっと簡単なやり方、効率的なやり方がないか検討すべきです。だからといってゼロベースで全く新しい改善案を考え始めるとRPAの範囲を逸脱してしまうので、手の届く範囲で代替案を検討してみるのです。 たとえばExcelのデータを利用してExcelの表を作成するような作業は、RPAを利用するよりもExcelの標準機能を利用したほうがおそらく簡単です。マクロを使えば簡単に自動化できる

          業務効率化7つのセオリー(4):なんでもかんでもRPAでやるべきではない

          業務効率化7つのセオリー(3):クイックヒットは先にやる

          業務の改善案を検討していると、小さい改善だがすぐにできる施策というものが出てきます。これを「クイックヒット」と呼び、短期的に成果があがる比較的簡単な施策のことを指します。大きな成果があがる施策ではないため、後回しになりがちな改善ですが、「クイックヒットは先にやる」というのが業務改善のセオリーです。 クイックヒットを先にやることには2つのメリットがあります。まず小さな成功を実現することで、取り組みのメンバーに一定の達成感を与える効果があります。これによってモチベーションが高ま

          業務効率化7つのセオリー(3):クイックヒットは先にやる

          業務効率化7つのセオリー(2):データの二重入力に着目する

          改善機会は「二重入力」の部分に潜んでいることが多いです。これは適用パターンの「転記」に該当するところですが、企業では一般的に多くの時間を転記業務に費やしているからです。 たとえば受注業務を検討対象とした場合、業務フローを上流(受注)から下流(入金)まで追っていき、どこでデータが途切れているかを確認してみましょう。そうすると二重入力の場所が特定できるはずです。 データというものは最初に1度だけ入力し、そのデータを最後まで使い回すのが「あるべき姿」であり、最も効率的なフローと

          業務効率化7つのセオリー(2):データの二重入力に着目する

          業務効率化7つのセオリー(1):業務量の多いところにフォーカスする

          定型業務を洗い出すと、おそらく何十もの業務が抽出されると思いますが、どのような順番で取り組むべきか迷うかもしれません。それぞれの投資対効果にもとづいて進めるというのも1つの考え方ですが、業務効率化の基本は「業務量の多いところにフォーカスする」ということです。 業務量の少ないところをいくら頑張っても大した効果はでません。同じ頑張るなら業務量の多いところを頑張ったほうが高い効果が期待できます。基本的には下記のイメージのように、業務を業務量の多い順に並べて、上から順番に片づけてい

          業務効率化7つのセオリー(1):業務量の多いところにフォーカスする