(連載52)ランウェイで何度も転ぶ花嫁、でさえも:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:2006年
まぁだ、自分が2006年にやった回顧展のファッションショーのお話をしております。(どんだけ、しつこいん?)
今回は、ファッションショーの花嫁のドレスに関して、書こうと思ってて、その前に、まず、このタイトルなんですが。
「花嫁」といえば
このアーティスト!
20世紀美術の大のスター!!
マルセル・デュシャン!!
彼の作品で、
「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」
というタイトルの作品があるので、もう、花嫁と書けばつい、
この言葉、「で、さえも」 と、続けてしまう自分。
深い意味はないです。
現代美術に興味のない方は、ご存知ないかもしれないのですが、マルセル・デュシャンというアーティストいて、主な活動期は20世期前半から中頃、ウォーホルより前の人ですけども。
現在も、アーティスト達の間では、ピカソを抑えてナンバーワン!の人気らしいです。
だって。。。。一番有名なのは、便器ですからね〜。笑
人気者にならないわけないです!!爆笑
しかも、これって、自分じゃない他人の名前のサイン入り!笑
それだけじゃなくて、この展覧会は自分が審査員をしてた!それを隠して出品したらしいんですよ〜〜。笑 どこまでも、素晴らしい!!
他にも、モナリザに髭をつけたり、とったり。。。
こういうなんか、笑わせてナンボ?みたいな作品で、その名前を歴史に残しますが、そんなんばかりではないのが、スゴいとこ!
初期の作品で、有名なのは、これです。
もちろん、これも歴史的作品なんですけども。
「階段を降りる裸体No.2」
あと、デュシャンといえば、チェス、、、その腕前はセミプロ。
それから、こんなお話も有名です。
自分の作品を運んでもらってる間に、ヒビがはいったのに、
まったく気にしなかった! むしろ、ラッキー!くらいにコメントしてる。
これもただもんではない。。。スよね?
私だったら、何年もかけて作った作品が壊されたら、無茶苦茶、落ち込みますけども。。。なんなら、怒って、訴えますが。笑
などなど。。。。いろいろありますが、
こんなデュシャンの説明だと、絶対に!!専門家から怒られる!!!
先に謝っときます。すんません。
ともかく、現代美術に多大な影響を及ぼしている人物で、もう私にとっても、他人とは思えない超重要人物なんです!!
彼ほどインパクトのあるアーティストは、他に考えられない!!
これアタイのベッドルームです。(特別公開!!)
この方、偉い人なのか、やんちゃな人なのか?(その両方)
ユーモラスなんだけど、ミステリアス?(その両方)
有名になってからも、これが芸術でござい、みたいな権威感がゼロ。
作品だけでなく、その制作態度が、たかが芸術、されど芸術ってとこがあり、かくれんぼしてて、見つけたと思ったら、もうそこにはいないみたいな。どんどん既成概念から、逃げているようで、気持ちいい。
レディメイド(すでにあるものを作品にする)から、職人的な手作業まで、たんたんと静かにこなす。
イズムなどの理論や体系的なものを拒否してたのですが、メモをたくさん残しているので、亡くなったあとでも、評論家先生のオタク心を刺激して(笑
彼の関する憶測本が世界中でたくさん出ていてます。
えと、まだ、タイトル説明でしたっけ〜? 汗
今回は、デュシャンとはまったく関係ない?のかあるのか、わかりませんが、タイトルは、ともかく、勝手に
花嫁、でさえも。。。。
と、させていただきました。
いつものとおり、前書きが長くなりましたが、
今回の書きたかった主な話は、ショーの花嫁衣装についてでした。
「花嫁衣装」って つまり、結婚式の時に着るドレス(着物も含む)ですよね。
いつも思うんですが。
結婚て。。。。、まず、すごくないですか?
これを読んでいる皆様? 既婚でしょうか? 未婚でしょうか???
結婚、つまり婚姻 この社会が決めたシステム。。。。
社会的に一生で、一人しか、ダメ???なんです・・・・・
それって??? 最初から、無理があるような? 汗
まあ、ダメだったら、離婚すればいいだけなのですがね。私は活動家ではないので、このシステムがいいとか、悪いとか、個人的な意見はないです。
でも、結婚って、相手のファミリーも絡んできて、よくよく考えたら、摩訶不思議なシステムだなあ、と、思います。誰がそんなもん考えだしたのか? その辺はフランスの構造主義の方たちが答えをだしてるのかもしれませんけど、長い間、この花嫁システムに、我々女性の肉体、そして精神は、かなり翻弄されてることは間違いないです。
で。
1990年代のこの作品は、それに対しての自分なりの回答?でした。
汚れた男物のシャツの襟で作ったウェディングドレスです。
ところで、
以前は、ファッションショーというものには、花嫁衣装というものが必ず出てきてました。
しかも、大抵は、ショーのラスト!
それは、結婚が女性の最終ゴールで、ウェディングドレスがその象徴だったからでしょう。
もともとは、ファッションショーなんて、服を作る人たち(組織)が、クライアントに見せるイベント。なので、高価で、そんな高い服が買えるのは、上流階級のお金持ちだけでした。(今でも?)
しかもそういう上流階級のお金持ちの女性は、自分で働いて自分の服を買ってる人ではなくて、
夫、もしくは父親のお金で買ってる人たちでした。
そういう人々にしたら、「結婚」はもう人生を左右する一大事です。
だから、ウェディングドレスは、自分の人生の経済的に安定するゴールの象徴だった。
今もそういう風潮はありますが、以前に比べると、結婚していても、働いて経済的に自立している女性が、多くなったんで、そういう感覚は、ずっと薄れているとは思いますが。
ここで、やっと私のショーの話にうつります。
2006年の自分のファッションショーなんですが、
このウェディングドレスが、最後という慣習を一応は、踏襲しました。
これです。(先ほどのドレスを実際にモデルが着用)
しかし
時は2006年です。普通には終わらせたくない!!
なので、何をやったかというと、
ランウェイで、花嫁に転んでもらったんです!
しかも、一回ではなく、何度も。
転んでは、立ちあがる。
そして、歩き出す。
また転ぶ
立ち上がる。
また歩き出す
また、転んでは、
立ち上がる
また転ぶ
こんなかんじです。
ちなみに、この花嫁のモデルのマッキーは、リハで、何回も自分ひとりで、転ぶ練習をしてた。(マッキー、ありがとうねー!)
これは、ですね。
もう、見てる人は、びっくりしていました。
最初は え? と思ったでしょう。
でも、2回目は、 わざと??? え? このモデル大丈夫?
3回目になると、 これって??? どういう事???
4回目になると、さすがに、あ、わざとだ。 演出だね?
と、思ったにちがいないです。
しかし、転ぶ姿は、わざと、、、、 だとわかっていても、
その姿は、なんだか悲しくて、弱々しい。。。。
でも、また起き上がって歩く姿は、いじらしい。
そして、また転ぶ。
また立ち上がる。
これは、なんか、女性の人生そのものではないでしょうか、、、?
(沈黙)
ワタシは感動いたしました。。。。
ここからが、ショーのまとめにはいります。
この回顧展のファッションショーは、「音を襟の形に打ち込んで、ノイズ」にして、ショーの音楽にした。。。。。。
そして、また、今回の「花嫁がランウェイで転ぶ」というのも、おそらく誰も見たことがなかったと思います。
もう、大成功や!!!と、
やたら褒めちぎっているのは、どうやら自分ひとりみたいで。。。苦笑
当時の評判はどうだったか?と、言いましても。。。はっきりいって、
だから、何?
でした。
ショーが終わって、
祭りが終わって、
何もなくなって、
そして誰もいなくなった。(今までやったショーと、まったく同じでした)
自分ではスゴい!!!!!と思ったのに、
自分のやる事って、人に届かない傾向があるのでしょうか?
わかってもらえない?っていうと、カッコいいけど、なんか、伝え方がまちがってない?という気もした。
でも、他にどんな方法があるのか???と、聞かれても答えがわからない。
ほとんどの人にスルーされ、ただ、夫のトッシュのみ、「あれはよかったね〜〜」って言ってくれる。ただ唯一の味方!!!
でも、あまりにも身近なので、褒められても、あんまり嬉しくない。。。笑
先ほどの、マルセル・デュシャンが生きてたら、褒めてくれてたかかなあ?
今、パッと思いつきました。
この転ぶ花嫁のタイトルは、
( (( デュシャンで、さえも )) )
爆笑
(自分がしかウケてない、悪い例)
ま、座布団2枚ぐらいやろう。
どどーーーーーーーーんん。
効果音。
こんなオチで自分のやった事を終わらせようとしている、ってのも、なんか虚しいもんですねー。
よく、「自分にしかできない事をやろう」って言われますが、その過程はかなり孤独な作業で、大変ですよね。
一人、ぽっつーーーーん。
ゲイジツ活動とは、そんな寂しさとの戦いかもしれませんね。
経験のある方はわかってくださると思いますが。
ま、でも、こうやって、今、自分がエネルギーをそそいだ過去のファッションショーを振り返って、やった事の記録は残せている!
それだけでも、ヨシとしよう!!
ノートさんよ。ありがとう!苦笑
そして、これを読んでくださっている、あなた!!
あなた、と、
あなた、と
あなた!!!
(最低でも三人はいると思うので!苦笑)
読んでいただいて、ありがとうございます!!!!!!!!!
この回顧録、まだまだ続きます。まだ、2006年であります。汗
これからもよろしくお願いします。
L*
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