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日米経済と株日記

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投資や経済周りのニュースの紹介や解説、自身の保有株の状況などを投稿しています。 【こんな方へ向けて書いています】 ・日米の株式、経済、債券の動向を追いたいけど時間が無くて全部…
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2023年7月の記事一覧

日銀 植田総裁 質疑応答

リアルタイムでメモったので誤字脱字や省略がある点、ご留意ください。 質問:YCC修正について。±0.5%が目処だけど、利回り1.0%の指値オペの意図は? 足元の長期金利は0.5%を下回る水準。今後0.5%を超えて動く場合は機動的に対応することになる。 長期金利が1%まで上がることは想定していないが、念のため上限を設定した。 数値的には難しいと答えるしかない。現時点では持続的・安定的な目標実現には至っていない。 今ある変化の芽を大事に育てていくことが大事。 質問:長期金

日銀会合:長期金利変動幅は±0.5%目処でも利回り1.0%の指値オペへYCC修正

深夜2時に日経新聞から配信された、YCC柔軟化報道の通り、日銀は長期金利変動幅の目安を±0.5%としつつも、10年債について利回り1.0%での指値オペを実施すると発表した。 なんともわかりにくいが、公表後の債権と為替市場の過熱感を抑えるために、こうした表現を使っているのだろうか。日銀は"YCC運用の柔軟化"と表現しているが、結局のところは変動幅の拡大であり、昨年末と同じくYCC修正だ。 下記、日銀HPに遅れて掲載された資料だ。 0.5%変動幅拡大、YCC修正でしかない。

[日刊]パウエル議長の自動車と住宅への楽観、PCEではなく雇用統計とCPIへの言及の意図

7月のFOMC会合は一切のサプライズなくほぼ全てが予想されていた通りの結果と内容になった。 少し意外だった点を挙げるとするならば、パウエル議長の会見での発言がこれまでの一連の金融引き締めと、それにも関わらず景気後退に陥っていない現状を評価し、ややハト派な印象を与えたことだろうか。 市場では今会合での利上げ打ち止めが予想されているため、年内もう1回の利上げの可能性を排除しないだけでなく、もう少し強めに示唆して牽制するものと思っていた。 本日は声明文の中身は変更がなく面白み

[日刊]FOMC結果公表間もなく、日銀動向は企業物価鈍化でYCC修正観測はさらに後退か

7月27日、AM3:00に米政策金利が発表される。 何度も書いて来たように、今回のFOMCでは0.25ポイントの利上げが既定路線だ。問題は9月、11月の会合でどう判断するかだが、現時点でのポイントを下記の記事にまとめておいたので、詳しくはそちらを参照して欲しい。段落ごとに短く区切ったので、時間がなくてもササっと読めるかと思う。 パウエル議長の会見や声明文などは明日か週末に改めて確認していこう。 なお、昨日の日刊記事で振れていた米住宅市場の最新の指標が発表された。こちらは

今からでも間に合う!米金融政策動向、FOMC会合徹底解説

今回のFOMC会合では0.25ポイントの利上げが既定路線ですが、市場の注目は9月、11月に追加でもう1回利上げがあるかどうかです。 これを読めば、今後の米金融政策についてもキャッチアップして、年内動向を自分で判断できるようになります。 6月のFOMC会合で示された政策金利見通しは年内2回の利上げ まず始めに、前回の会合でFOMCメンバーの政策金利を各年末ごとにプロットとしたドットプロットでは、2023年末までにあと2回(0.5ポイント)の利上げが見込まれていた。 市場

[日刊]FOMC会合を前に懸念される米住宅市場の動向を把握する、今夜ケースシラー住宅指数も発表

7月25日の東京株式市場は今週の日米金融政策決定会合を前に様子見ムードが流れた。 前日の米国株式市場では、7月のPMI(購買担当者景気指数)が発表され好不況の分かれ目である50を上回る52.0となった。特に気になるのがサービス業で、前月比2.0ポイント低下の52.4となり予想の54.0を下回った。総合、サービス業ともに5ヶ月ぶりの低水準となり企業の景気見通しが低下していることが伺える。 この結果を受けて利上げサイクルが近いとの見方も少し出てきたようだが、大きな流れを形成す

[日刊]ブルームバーグより先に日銀の物価見通し上方修正を予想できた理由

24日(月)夕方に、ブルームバーグから「日銀、23年度物価見通しを2.5%程度に大幅上方修正の公算大-関係者」という記事が配信された。 関係者への取材で、今週の日銀会合で公表される展望レポートの物価見通しが大幅に上方修正されるといった内容だ。この記事を書いた記者2名は先週末に話題となったリーク記事「日銀は現時点でYCC副作用に対応の緊急性乏しいと認識-関係者」も書いている。立て続けにこのような記事が出てくるということは確かな情報筋が居ると思われる。 そして先週末のこのブル

[米国株展望]忘れてはならないFRBのタカ派姿勢と年内利上げ可能性の判断材料

7月のFOMC会合で0.25ポイントの利上げが確実視される中、市場の注目は年内にもう1回利上げがあるか否かに集まっている。 7月24日時点では年内の利上げ確率はそれぞれ下記のように織り込まれている。 ・9月下旬会合:16.0% ・10月末会合:27.9% 市場では7月に0.25ポイントの利上げをした後、9月は利上げを見送り、10月31日、11月1日のFOMC会合で0.25ポイントの利上げがあるという見方が27.9%を占めている。 逆に言えば、9月は80%以上、10月末は

[日刊]無風のCPIを受けて日銀物価見通しは2.6%前後へ上方修正と予想、ドル円はロングのチャンス

Bloombergの伊藤純夫記者、藤岡徹記者が「事情に詳しい複数の関係者への取材で」日銀は現時点でYCCの副作用に緊急に対応する必要性は貧しいとみていると報じた。 この報道でYCC修正観測がさらに後退し、円売り圧力が高まった。記事執筆時点でドル円は141.75円となっている。 ちょうど昨日の日刊レポートで下記のように日銀の動きについて予想していた。 同じような内容の報道が出てきたわけだが、日銀のこれまでの資料と植田総裁、内田副総裁の発言の原文や元動画をしっかりと見ていれ

[日刊]内閣府と日銀の物価見通しからYCC修正の有無を考察する

7月20日(木)の東京株式市場は3営業日に反落した。機械、電気機器、精密機器が下落幅トップ3となった。 前日の米株式市場では英国のインフレ鈍化が好感されたものの、住宅関連指標が底堅く、CPI発表から安堵感のあった利上げ懸念がまだくすぶっていることが警戒された。また、テスラが決算発表を受けて時間外取引で売られていたことも重しとなったようだ。 こうした流れを受けて東京株式市場でも半導体銘柄を中心にハイテク株が売られた。 内閣府の経済見通し、物価の伸びが2.6%へ上方修正政府

[日刊]予想通りYCC修正観測後退 / 国内インバウンド需要は想像異常の回復

7月19日(水)の東京株式市場は前日夜の植田日銀総裁による発言を受けて続伸した。 植田総裁はG20の会議後のインタビューで物価目標達成には「まだ距離がある」という「前提が変わらない限り、全体のストーリーは不変だ」と語った。これを受けて、連日経済メディアで煽られていた謎のYCC修正観測が後退した。 これに関してはTwitterでもnoteでも繰り返し書いてきたので、そちらをご覧頂きたい。 国内インバウンド需要は順調に回復中観光庁が6月の訪日客を発表し、207万人に達してコ

[日刊] 米株式相場は買い優勢の流れ。日銀のYCC修正観測は一進一退

連休明けの7月18日(火)、東京株式市場は米国株式市場が上昇した流れを受けて反発した。 17日に発表されたNY連銀製造業景況指数が拡大圏を維持しつつ、前月から低下したことでインフレ圧力後退も確認できた。しかし予想を上回ったことで一時的にはドル高へ繋がった場面もあったようだ。 日銀のYCC修正を巡る報道ではG7 財務相・中央銀行総裁会議の後で植田総裁がインタビューに応えたが6月の記者会見時から見方は大きく変わっていないと認識を改めて説明した。 その後、この記事を書いている

[米国株週間展望]9月FOMC会合での利上げ可能性はまだある。8月米CPIの前に中古車価格を見るべし

7月17日週の米国株式相場は来週にFOMC会合を控え、ブラックアウト期間に入るため様子見ムードが流れるだろう。 米インフレ動向を見極める上で重要な2つの指標、雇用統計とCPIを通過した後の静かな一週間となるだけに大きな動きはないものと思われる。先週のサプライズは何と言ってもCPI、特にコアCPIが予想を大きく下回ったことだが、翌週末までそれを引っ張ることは無さそうだ。 経済指標では18日の21時30分に発表される小売売上高、19日同時刻の住宅関連の数字が注目される。 お

米利上げ動向、FRB副議長含む要人4名の発言。残り2回の利上げ姿勢を崩さず

12日(水)の米消費者物価指数の発表を前に、バーFRB副議長ら要人4名が講演やインタビューで各々の考えを発信し、タカ派と捉えられる内容となった。 結論を先にまとめておこう。 面白いぐらいに昨日書いた週間展望で予想した通りの発言となったわけだが、市場でもほとんどのトレーダーがこのような内容を織り込んでいたため、特に目新しさはなかった。 短期金融市場は変わらず年内あと1回の利上げを織り込むこうした発言を受けても前述の通り、市場は反応せず7月の0.25ポイントの利上げ後、9月