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「見えない力」を味方にする

めおとへんろのすすめ ~夫(わたし)のへんろエッセイ~


「100分de名著 般若心経」で 佐々木閑先生は、個人がそれぞれの生き方に迷い、模索しているこの現代において なぜ般若心経が個人の心を救済するのか、その「見えない力(神秘)」について言及されています。

・「神秘」というのは ~中略~ 世の中の現象の奥に 人智では説明不可能な力を感じることです。
・経文やお念仏を唱えて心にパワーをもらい、そのおかげで病気を克服していく人、あるいは救いを感じる人がたくさんいるのは確かです。
・言葉で説明することのできない「見えない力」というものは、私も感じます。 それは、頭で理解するものではなく、心で感じるものです。

 

そして、その 見えない力(神秘)に「頼る」のではなく、それを「味方につける」方法についても 述べられています。

・合理的な論理性をもって判断すべきことがらは、意志でしっかり判断します。そして、判断したことに対して自信を持って進んでいくために――いわば"後押し"として ――神秘の力を求めるということです。私はこういった生き方が一番、人生の苦しみを軽減してくれるのではないかと考えています。

・それを反対にして、自分の意志で決めなければいけない時や、合理的にものごとを決断しなければいけない時に神秘の力に頼れば道を誤ります。そこはあくまでも自分の力で決断することが必要です。そして、こうだと決心したら、その決心の保証者として、神秘の力を拠り所にするということです。

・こういった意味での神秘は、決して非科学的なものではありません。守られているという感覚、安心感、あるいは勇気のようなものかもしれません。お札やお守りを身に着けている気持ちといったところでしょう。こういう用い方をしたとき、神秘は素晴らしい力を発揮してくれると思います。

佐々木閑『100分de名著 般若心経』

経営学の田坂広志先生は「天命」について 似たようなお話をされています。

人事を尽くして、天命を待つ。
この言葉の本当の意味は、
 人事を尽くした者のみが、
 天命を聞く資格を、得る。
その意味なのかもしれません。

天才の「資格」 | 田坂広志公式サイト (hiroshitasaka.jp)

そして、将棋の羽生善治先生は「直感」について

直感とは
自分自身が今までに積み上げてきた蓄積の中から
経験則によって選別しているのではないか
研鑽を積んだ者でなければ直感は働かないはずだ

羽生善治『大局観』

「神秘」「天命」「直感」
いずれも目に見えない力ですが 決して頼るべきものではなく、論理や人事や研鑽を尽くして はじめて「味方にする」ことができるものなのでしょう。

余談ですが、カミさんは 般若心経を唱えるのが苦手です。この11年に 何百回も唱える機会があったにもかかわらず、いまだに覚えていません。

Ⓨ「しょうけんごーうんかいくーしゃーりーしー」
Ⓣ「違ってるよ」
Ⓨ「あれ?」「しょうけんごーうんかいくーどーいっさいしゃーりーしー」
Ⓣ「違うってば」
Ⓨ「あれれ?」

見えない力を味方につけるためには、まだまだ研鑽が必要なようです。

そろそろいい加減 覚えるように
トイレに貼り出してみました






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