&ジェンダード・イノベーション

男女の「性差の視点」を考慮してイノベーションを創出し、社会実装へつなげる「ジェンダード・イノベーション」を広めたい。 長年ジェンダー課題に取り組んできたお茶の水女子大学と、人々の暮らしや働き方に寄り添ってきた三井不動産がタッグを組み、発信していきます。

&ジェンダード・イノベーション

男女の「性差の視点」を考慮してイノベーションを創出し、社会実装へつなげる「ジェンダード・イノベーション」を広めたい。 長年ジェンダー課題に取り組んできたお茶の水女子大学と、人々の暮らしや働き方に寄り添ってきた三井不動産がタッグを組み、発信していきます。

マガジン

  • 未来へつなげる

    ジェンダードイノベーションを知り、学び、実践した先に、自身と社会にどんな変化が起きて、どんな未来が待っているか。アイデアの種となるヒントを探る。

  • 当たり前を見つめ直す

    ビジネス、テクノロジー、教育、医療、公共。ジェンダード・イノベーションの視点を活かす取り組みを紹介しながら、これからの社会のあり方について「性差の視点」から考える。

  • ともに学ぶ

    性差の視点を起点とした行動、活動、起業の実例を知る。また、ジェンダードイノベーションの研究および社会実装について学び、マインド向上につなげる。

最近の記事

【感性×身体性】イノベーションを妨げる「偽りの理解」を、どう回避するか

9月24-25日、東京・八重洲にて「エッセンスフォーラム2024 - 研究知の社会実装に向けて - 」が開催され、同イベントの2日目には「ジェンダード・イノベーション ー感性が生み出す価値ー」と題したセッションが行われました。 VR・ARやソーシャル・イノベーション、神経美学など、多分野の研究者が一同に会し、ジェンダード・イノベーションをテーマに、感性と価値の関係性、言語化できない経験の重要性、VR技術の活用など、多岐にわたる議論が展開されました。 今回は、同セッションの内容

    • 世界トップクラスの「幸福度の高い国」デンマークの暮らしから考えるジェンダード・イノベーション

      2022年、2023年に「国際競争力1位」を獲得したデンマークは、世界トップクラスの「幸福度の高い国」としても知られています。   午後4時には管理職の社員も退社し、午後5時には閉園する保育園・幼稚園に多くの父親、母親が迎えにくる姿が日常的に見られるといいます。   国全体でワークライフバランスを実現できているのはなぜか。また、デンマークの人々の考え方や働き方から、ジェンダード・イノベーションのヒントを得ることはできないか。   こう考えた私たちは、2009年から現地に住む、

      • AIを活用してジェンダー課題の解決を目指す。「富士通・お茶の水女子大学 AI倫理社会連携講座」

        2023年3月、ジェンダー課題に対してAIを活用した解決策の立案を目指す連携拠点として、「富士通・お茶の水女子大学 AI倫理社会連携講座」が設立されました。   採用領域におけるジェンダー課題の解決をテーマに、現段階では、採用の意思決定において、女性に不利になるバイアスがないかAIで分析する研究を中心としています。   本講座で拠点長/社会科学チームリーダーを務めるのは、ジェンダード・イノベーション研究所 副研究所長の斎藤悦子教授。そして、講座担当者、技術戦略検討・研究推進を

        • お茶の水女子大学 共創工学部開設記念式典レポート ー 共創工学部が目指す女性人材育成と新しいイノベーション創出 ー

          2024年4月、お茶の水女子大学は共創工学部を創設しました。   本学部では、データサイエンスを基盤に、工学の知識・技術を、人文学・社会科学の知と協働させることで、複雑化する社会のなかで多様な課題を解決し経済発展を担い、イノべーションを推進する女性人材の育成を目指します。   学部創設を記念し、6月7日(金)に、お茶の水女子大学講堂(徽音堂)で記念式典が開催されました。   本記事では、アーティストで東京藝術大学デザイン科准教授のスプツニ子!さんと、東京工業大学長の益一哉さん

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        • 未来へつなげる
          7本
        • 当たり前を見つめ直す
          3本
        • ともに学ぶ
          5本

        記事

          DE&I先進企業にもまだできることがある。「資生堂DE&Iラボ」のこれから

          2023年2月、多様な人財の活躍と企業成長の関係を研究する「資生堂DE&Iラボ」が発足しました。 女性活躍の先進企業としても注目される資生堂が、その取組を加速させるため、社内に残るジェンダー不平等の原因を明らかにし、多様性がもたらす効果を調査、分析し、成功要因を追求するなどの実証研究に挑んでいます。 その背景には、自社のみならず、社会全体のダイバーシティを推進するリード企業としての信念がありました。 今回、私たちは資生堂DE&Iラボでグループマネージャーを務める山田美和

          DE&I先進企業にもまだできることがある。「資生堂DE&Iラボ」のこれから

          「個人の差に焦点をあてる」考え方が未来志向の建築と都市を創る

          2024年4月、お茶の水女子大学に新たに共創工学部が創設されました。   「工学と人文学・社会科学の知が協働し、共に未来の環境、社会、文化を創る」という意味が込められた共創工学部の人間環境工学科で教鞭を執り、建築計画、建築環境工学を研究している長澤夏子教授に、ジェンダード・イノベーションという視点から、これからの日本の建築と都市はどのように変わることができるかなど、お話を聞きました。 「今の最先端」では遅い「未来志向の建築」 ━━まず初めに長澤教授の研究分野ついて、また、

          「個人の差に焦点をあてる」考え方が未来志向の建築と都市を創る

          「枠にはめない考え方」で街と個人はどう変わる?

          毎年4月になると、金沢21世紀美術館向かいの桜が咲き誇る「しいのき緑地」を中心に「春ららら市」というクラフトフェアが開催されます。   今年出店されたのは、地元金沢の「こつぶでピリリ」な作家&個人商店約180店。このイベントを2011年の初回から企画、運営してきたのが、地元目線の観光ガイドブック『乙女の金沢』の著者でもある岩本歩弓さんです。   兼六園や武家屋敷など、いわゆる定番の観光スポットは紹介しないガイドブックが出来るまで、また「春ららら市」が現在に至るまでのお話、これ

          「枠にはめない考え方」で街と個人はどう変わる?

          「こうすべき」バイアスの気づきを力に変えて。豊田市で女性の起業が進む理由

          「女性は出産後、子育てに専念するべき」、「女性が働くのなら『資格職』がいい」。   女性が結婚、出産後も積極的に働くことに対して否定的な印象をもつ人は、今もある一定数いるかもしれません。それは、東京など首都圏を除く地方では顕著にある傾向ではないでしょうか。   こうしたバイアスがある中でも、地方で起業に挑戦する女性は年々増えてきていると言われています。   今回お話を聞いた、豊田市で女性の起業やキャリア形成を支援する株式会社eight代表取締役の鬼木利恵さんは、女性の起業に対

          「こうすべき」バイアスの気づきを力に変えて。豊田市で女性の起業が進む理由

          【施設レポート#3】起業推進都市・横浜ならではの女性起業支援とは?男女共同参画センター横浜 フォーラム「女性起業Upルーム」

          こんにちは!「&ジェンダード・イノベーション」メンバー、お茶の水女子大学 学部4年の馬倉(うまくら)です。「&ジェンダード・イノベーション」では、読者の皆さまに起業をより身近に感じていただくきっかけをつくるべく、起業支援施設の調査レポートや、起業を支援されている方々の生の声を連載としてお届けしています。 今回取材した「女性起業Upルーム」は、横浜市の戸塚駅から徒歩5分の「男女共同参画センター横浜 フォーラム」内にある、横浜市男女共同参画推進協会が運営する女性向け起業支援施設

          【施設レポート#3】起業推進都市・横浜ならではの女性起業支援とは?男女共同参画センター横浜 フォーラム「女性起業Upルーム」

          「自分が知らないことは妻と子どもが知っている」連続起業家にヒントを与えた家族の視点

          健康維持に欠かせない体重管理は習慣化が必要であるものの、できない理由は人によって異なります。   体重管理を習慣化する「スマートバスマット」を展開するissin株式会社が行った調査によると、男性と女性によって、体重計に習慣的に乗ることができない理由は異なります。   性別、人によって異なる課題を、スマートバスマットというひとつのアイテムで解決する。   その背景にある「性差の視点」を紐解くべく、照明一体型プロジェクター「popIn Aladdin(ポップイン アラジン)」やニ

          「自分が知らないことは妻と子どもが知っている」連続起業家にヒントを与えた家族の視点

          日常の当たり前を疑うところから始める。「ジェンダード・イノベーション」の提唱者が伝えたいこと

          こんにちは。今回は、このnoteのタイトルでもある「ジェンダード・イノベーション」概念の提唱者である、スタンフォード大学、ロンダ・シービンガー教授のインタビューをお届けします。   シービンガー教授は去る2023年11月、お茶の水女子大学での講演会やワークショップ、セミナー実施のために来日しました。   科学、ビジネス、街づくり、教育……あらゆる分野でジェンダード・イノベーションが形になるシーンを目撃してきた教授に、「性差の視点」をどう活かすべきか、日本に期待することは何か、

          日常の当たり前を疑うところから始める。「ジェンダード・イノベーション」の提唱者が伝えたいこと

          起業は「自分らしく働く」選択肢のひとつ。4人の実体験から知る、女性の起業の可能性

          こんにちは。前回の記事「【イベントレポート】「性差の視点」が新たな製品・サービス開発につながる。女性起業家たちへメッセージ」に続き、10月26日(木)27日(金)の2日間にわたって開催された『起業みつかるマーケット for mama ―好きな仕事と暮らしの体験会―』のレポートをお届けします。 本記事では、実際に子育てやライフステージの変化を経て起業された女性たちの「起業の最初の1歩」に関するトークセッションの内容を紹介します。 服づくりを介し、新しいライフスタイルを提案

          起業は「自分らしく働く」選択肢のひとつ。4人の実体験から知る、女性の起業の可能性

          「性差の視点」が新たな製品・サービス開発につながる。女性起業家たちへメッセージ

          こんにちは。今回は、10月26日(木)27日(金)の2日間にわたって開催された、三井不動産とお茶の水女子大学 「&ジェンダード・イノベーション」による初のイベント『起業みつかるマーケット for mama ―好きな仕事と暮らしの体験会―』のレポートをお届けします。 近年、経済産業省が女性起業家の比率を「5年後に2割」とする目標を打ち立てました。同時に全国の自治体も支援施策が次々登場するなど、女性の起業は注目されています。 そんななか、「起業に興味があるけれど、どうしていい

          「性差の視点」が新たな製品・サービス開発につながる。女性起業家たちへメッセージ

          「半径5メートル」の身近な視点から起業した女性たち。ららぽーと豊洲・イベントレポート

          10月26・27日、三井ショッピングパーク アーバンドック ららぽーと豊洲にて、三井不動産とお茶の水女子大学が主催する 「&ジェンダード・イノベーション」初の起業イベントを開催しました。   「起業みつかるマーケット」と題した本イベント。食や服飾、アクセサリー、子どもの「おひるねアート」など、自身の生活における「半径5メートル」の視点を活かして起業した女性たちが集まり、各起業家による講演会やワークショップ、出店・販売が行われました。 オープニングでは、お茶の水女子大学 ジェ

          「半径5メートル」の身近な視点から起業した女性たち。ららぽーと豊洲・イベントレポート

          「ジェンダード・イノベーション」の事例から、「性差」の視点を身につけよう。お茶の水女子大学・石井クンツ昌子理事・副学長に聞く

          こんにちは。今回は、三井不動産と共同研究を実施するお茶の水女子大学の理事・副学長でジェンダード・イノベーション研究所長の石井クンツ昌子教授に話を聞きました。   「ジェンダード・イノベーション」の概念が生まれた経緯は? 「ジェンダー」と「ジェンダード」の違いとは? 「性差」の視点が欠けることで、社会にどんな弊害が生まれているのでしょうか?   医療・薬品から、ものづくり、まちづくり、先端技術まで。具体例から「性差」の視点がこれからの社会にいかに重要であるかを実感します。 石井

          「ジェンダード・イノベーション」の事例から、「性差」の視点を身につけよう。お茶の水女子大学・石井クンツ昌子理事・副学長に聞く

          【施設レポート#2】日本初の「ものづくり系」創業支援施設。台東デザイナーズビレッジ(台東区)

          こんにちは!「&ジェンダード・イノベーション」事務局の丹羽です。 「&ジェンダード・イノベーション」では、読者の皆さまに起業をより身近に感じていただくきっかけをつくるべく、起業支援施設の調査レポートや、起業を支援されている方々の生の声を連載としてお届けしています。    今回取材した「台東デザイナーズビレッジ」(通称:デザビレ)は台東区が運営しているクリエイターの支援施設です。主にデザイン、ファッション、雑貨業界でのビジネス立ち上げを目指す方々を対象としています。   本施設

          【施設レポート#2】日本初の「ものづくり系」創業支援施設。台東デザイナーズビレッジ(台東区)