孤島に持っていく本を問われた時、
自分の余命が分かった時、
人はどんな本を選び読むのだろう?
本棚はその人の思考の露呈である。
となると、私の本棚は偏屈な愛情に満ちている。
つ…
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2024年10月の記事一覧
【孤読、すなわち孤高の読書】ヴィクトール・E・フランクル「夜と霧」
著者:ヴィクトール・E・フランクル(1905〜1997)
著書名:「夜と霧」
刊行年:1946年刊行(オーストリア)
極限の絶望下で生の意味を問い続けた、魂を揺さぶる必読書
人間が極限に追い込まれた時、その魂はいかに生き抜こうとするのか?
本書はまさにその究極の問いに対する著者自身の血と肉と涙が滲む回答である。
アウシュヴィッツ強制収容所において、彼は一切の希望を踏みにじられ、すべての自由を剥
【孤読、すなわち孤高の読書】杉本貴司「ユニクロ」
作者:杉本貴司(1975〜)
著書名:「ユニクロ」
刊行年:2024年刊行(日本)
山口県から日本、そして世界の頂点を目指すユニクロの変遷と精神の軌跡。
【読後の印象】
おそらく日本人のほぼ誰もが「ユニクロ」と名の付いた服を持っているだろう。
それほどまでにこのブランドは深く根ざしたと言って良い。
そして今や、日本を代表する世界屈指のトップブランドとして成長を遂げた。
しかしながら、その軌跡の
【孤読、すなわち孤高の読書】アーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」
作者:アーネスト・ヘミングウェイ(1899〜1961)
作品名:「老人と海」
刊行年:1952年刊行(アメリカ合衆国)
老人の孤独と少年との友情、そして生きる尊厳を問う。
[あらすじ]
ハバナ近郊の小さな町に身を寄せる老漁師、サンチャゴ。彼は歳を重ねた肉体に宿る意志の強さを誇りとして生きているが、その日々は容赦なく彼を試す。魚が全く釣れない日が84日続き、同業者からは嘲笑を浴びる。しかし、彼は