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ケアの実践や看護介護に役立つ認知症についてのコラム

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認知症分野の認定看護師が、認知症関連の役に立つケアや実践についてまとめています♪
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#認知症者

認知症者と料理体験について

認知症者と料理体験について

認知症は、患者やその家族にとって複雑で困難な状況を引き起こす疾患の一つです。

しかし、意欲的な料理体験は認知症患者にとって驚くべき効果をもたらすことがあります。

これにより、患者は感覚的な刺激を受け、自尊心を高め、日常生活の質を向上させることが期待できます。

まず第一に、認知症患者と料理の組み合わせは、感覚的なアクティビティとして理想的です。

香り、味、触感といったさまざまな感覚が刺激され

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ごそごそ…何か気になるのかな?認知症者の環境調整

ごそごそ…何か気になるのかな?認知症者の環境調整

少し時間が空いてしまいました。

久しぶりですが、今日は病院でつける装着物について認知症者がどう感じるかについて。

病院に入院してくると、身体にいろいろなものが装着されますよね。

例えば、Spo2のセンサーや点滴ルート、テレメータのコードにベッドサイドモニターがベッドの隣にあったりなど…

これらはついつい私たち看護師は何気なく装着祖、「つけてても別に普通でしょ」って思ってませんかね。

さて

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まーたうろうろしてるっ、、、認知症者の徘徊

まーたうろうろしてるっ、、、認知症者の徘徊

今日は皆さんよくお困りの徘徊についてのお話をしますね。

病棟でよく起こる、というか、よく認知症者がしているのが徘徊ですよね。

少し目を離すとうろうろ…

あれ、どこいった!?

あ!トイレにいました~!ってのもよく聞きますね笑

看護師にとっても(あ~もう!業務が進まないし!)って思っちゃうこのやっかいな行動。

やめてほしい、止まってほしい…

でも、みなさん、この徘徊の理由って考えたことは

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あ、また外してる…オムツ交換のコミュニケーション

あ、また外してる…オムツ交換のコミュニケーション

今日も排泄について少し考えてみましょう。

この前もお話ししたよくあるおむつをとってしまう行動。

とても困りますよね。

毎回毎回おむつを付け直し、またはずすたびに付け直し…

前回はおむつの不快感や焦燥感への対応を説明しましたが、

さて、この時の声かけは皆さんどんな接し方でしょうか。

「ちょっとー!またはずしてる!もうさっきはずさないでって言ったでしょー!」

「さっきから何回も言ってるよ

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なんで怒るんだろう…認知症者の易怒性

なんで怒るんだろう…認知症者の易怒性

今日は怒りっぽさ、いわゆる易怒性についてのお話をしますね。

看護師は人間関係の職業と言っても過言ではありません。

そんな中で特に困ってしまうのが、患者さんを怒らせてしまった時。

「えー、、そんなことで怒っちゃうか、、」って考えてしまうこともなきにしもあらず、、

特に認知症者の場合は何がスイッチになるか、なかなか理解するのは困難です。

でも少し考えてみてくださいね。

認知症者であれ、認知

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うーん、困ったな。オムツ失禁のケア

うーん、困ったな。オムツ失禁のケア

今日は認知症者のおむつ内での尿・便失禁について説明をします。

入院している認知症者ではよく便こねや、おむつ内の尿失禁をしたときにおむつをずらしてしまうなど、よく起こりえますよね。

それはなぜでしょうか。

一つ目の要因として、おむつ内に尿や便失禁をしたことによる不快感があるといえます。

認知機能が低下している分、我慢をすることや正確に看護師にコールボタンを押して伝えることが難しいのかもしれま

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落ち着かないのはなんで?不穏・せん妄

落ち着かないのはなんで?不穏・せん妄

さて、今日は認知症者の生活について考えてみたいと思います。

入院している患者さんが、どうにもそわそわして落ち着かなかったり、帰宅要求をくり返すことはよくあると思います。

認知症の人にとっては、『入院』ということ自体が大きな環境変化です。
住み慣れた生活空間とはとてもいえないのが残念ながら病院という治療の場所だといえます。

「でもどうしようもないじゃない!治療しなきゃ、入院続けなきゃいけないん

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