【読書感想文】池上彰「この世界で戦う君に「知の世界地図」をあげよう」
こんばんは!
自分のスタンスを明確にする材料の1つで感想文!
小栗義樹です!
本日は読書感想文を書きます!一冊の本を題材に感想文を書き、読書のきっかけが作れたらいいなぁという試みです!
本日の題材はコチラ
池上彰「この世界で戦う君に「知の世界地図」をあげよう」
です。
ジャーナリストの池上彰さんが東工大の教授に就任。そんな池上さんが、東工大で講義をした内容をまとめた本となります。
この本では、様々な世界情勢が話し言葉でまとめられています。池上さんが抗議で話した内容をそのまま文章にしているため非常に読みやすいなと感じました。
講義は、2011年~2012年の間に起った出来事をベースに、その背景・歴史の流れ・原因などを分かりやすく解説しながら、その事態について、どのように考え・どのような判断をしていく必要があるのか?という部分を学生たちに問いかけるような形で進行していきます。
本の中には、講義を聞いている学生たちの意見なども取り上げられています。文系っぽい内容を理系の生徒に問いかけ、理系の生徒がその事象について、自分の意見を述べている点が新鮮だなと思いました。
2011年~2012年までの間に起った出来事と書きましたが、もう10年以上も前の講義を収録した本ということになります。
なぜ今更そんな古い本を?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
僕がこの本を今読もうと思ったのには3つの予想があったから。
・池上彰さんが好きだから
・2011年~2012年に起こった出来事が現代の状況を決めていると思ったから
・歴史が解説されていると読んだから
です。
僕、池上さんの事が好きなんです(笑)
解説をしている池上さんが好きなのではなくて、インタビューをしている池上さんが好きなんです。僕の今の仕事はジャーナリストです。見たこと・聞いたことを、書いたり話したりして発信しています。
今年からそういう仕事が増え始めたので、越谷雑談がやてっくの管理人兼ジャーナリストと名乗るようにしました。つまりジャーナリスト1年生です。新しい仕事を始めるのなら、その仕事をしている誰かをお手本にしたほうが早いです。だから、池上彰さんをお手本にすることにしました。
営業をガッツリやっていた時の僕のお手本は島田紳助さんです。これが圧倒的に力を伸ばしてくれました。
だから僕は、池上さんが取材の中で見聞きした内容を「講義」という形でアウトプットしているこの本は「教材」としてピッタリだと判断しました。
2011年~2012年は、大きな出来事が沢山ありました。例えば、東日本大震災による原発事故です。2024年、原発の再稼働に関するニュースが話題になりました。
どうして原発の再稼働が話題になったのか?
やっぱり事故があったからです。
では、僕たちはこのニュースをどのように受け止めるべきなのか?
どうやって考え、どういった主張をすべきなのか?
これを考えるには、あの時の原発事故の事を知らないといけないし、そもそも原子力発電とはどのような経緯で生まれ、どのように広まっていったのかを知らないといけません。
今の状況をちゃんと知るために、今この本を読むことはとても重要だろうと考え、この本を買いました。
池上さんはテレビで解説をする時も、しっかり歴史から解説してくれます。きっとこの本にも歴史や背景が沢山詰まっているだろうと予想しました。歴史は変わりません。あるのは、新たな発見だけです。
だからこそ、この本の賞味期限は長いはずです。
そういう考えから、読んでみようと思いました。
結果として、この予想は3つとも当たっていたと思います。すごく有意義な時間を過ごすことが出来たなと思いましたし、知らない事が沢山分かりました。
2011年~2012年と言えば、僕がちょうど大学に入学した時です。つまりこの本の中に出てくる東工大の生徒さんの多くは、僕と同い年くらいだという事になります。
僕が通っていた大学はFラン大学です。とてもじゃありませんが、賢い学校とは言えません。だから、この本で発言をしている生徒の内容のレベルの高さにはすごく驚きました。
あれ?同い年にこんなすごい発言をしていた人いたっけ?と考えてみたのですが、自分も含めまったく思いつきませんでした。
ある日を境に、自分の周りにいる人と話が合わなくなってきたなぁと思うようになってきたことがありました。愚かな話ですが、いつの間にか僕は他者を見下すようになっていたのです。
でも、この本を読んで思い知りました。日本には、きちんと物事を考えられる人が確かにいるんです。大切なのは、与えられた題材に対して自分なりの考えを分かりやすく伝えるための努力をすることです。今の僕のように、そんな事が出来る人間は少なく、世の中の大半はアホであると決めつけて、それが全体像であるかの用に立ち振る舞うことは、それこそ努力を怠った愚か者のすることなんだなと思いました。
最近の自分がいかに調子に乗っていたかを突き付けられたようで、読んでいて恥ずかしいという気持ちになりました。本を通じて、こんな気持ちを抱いたのは初めてことです。身の振り方を改めるきっかけをくれるくらい、内容が充実していることは間違いないと思います。
僕からすると、この本は思想書でした。
それは、今の自分がやっている事をもっと深く考えるべき段階にきているということなのだと思います。
なんでもすぐに答えを求めたくなってしまいがちですが、答えが無い方が良い事も沢山あるし、答えが変わってしまうものが沢山あった方が、自分たちの行動に終わりがなくなるので、人としては充実するはずです。
そんな考えるという動作の基本・方法を教えてくれるのがこの本だと思います。テーマをくれるわけです。テーマですから、きっかけも指針も生まれてくる可能性があります。
僕は個人的に「メディアリテラシー」と「サムスンに移籍するか否か」という講義に強い印象を受けました。
メディアリテラシーは、テレビというメディアの構造からリテラシーを高める必要性を考える講義です。
サムスンに移籍するか否かは、雇用・技術の流出・技術者としての生き方について、生徒さんが次々にプレゼンテーション方式で発表していき、内容をより深め、議論という形に集約させていく講義となっています。
僕はメディアの端っこにいる人間ですから、メディアリテラシーについてはすごく考えます。どうしても数字に引っ張られてしまうメディア側の気持ちもよく分かるし、正しい情報を届けつつ、考える余白も残したいというわがままを実現する難しさも知っています。
テレビだって、全体で見ればオワコンみたいな空気が流れていますが、中で働いている人の中には、高尚な志を持って働いている人を僕は知っています。
作り手と受け手が歩み寄るためには何が必要なのか?を考えることはとても大切で、越谷雑談がやてっくの中でその答えの一端を見つけることが出来たらいいなぁと思いながら、日々活動しています。
だからこのテーマは、個人的にすごく刺さりました。
サムスンの話は、池上さんの場回しの秀逸さと、生徒さんのレベルの高さが感じられる、この本におけるベストバウトだと個人的に思っています。
この議論には、社会で必要なスキルのすべてが詰まっています。
それくらいレベルの高い、最高峰の講義です。
とにかく情報量が多い本です。それすなわち、コスパがめちゃめちゃ良いということになります。
この本は、今だからこそ読んでみてほしいです。
大人が読んで子どもに教えてあげても良いでしょう。
古本屋かネットで探してみてもらえればと思います。
というわけで、本日はこの辺で失礼いたします。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
また明日の記事でお会いしましょう!
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