芋として度が過ぎている(ポテトデラックス×ピュアポテト食い比べ胡椒版)
ぼくのここに書いてる文とはぼくの存在する可能性が数%ずれたときに生じる別個体の謎の女がたまにふらっと現れて書いたりすることがあり、数回遡ってもらえればわかるが菓子を食ったレポートをその女が書いているのを御覧いただけるだろうか。
ヘッダ画像を有志の方からお借りしていることをお知らせいたします。
それに触発されたわけではないのだが、これは菓子食いレポートとして向いてるんじゃね?と思ったことがあったので記す。
ぼくとその女は互いに存在する可能性を奪い合ってでもいるのかも知れない関係か、趣味は似通ってるのだろう。女が好きだという湖池屋の馬鈴薯関係はぼくも好きであり、今回はその中からピュアポテト 伝説の爽快ブラックペッパーを選び、その後にクソ小せえパッケで馴染みのポテトデラックス ブラックペッパー味を食い、結果から言えば前者に軍配が上がる。
つまり食べ比べだ。別個体の女はシンプルに食った芋の感想を書くが、ぼくがしているような食い比べはすまい。
カルビーだがパッケの小ささでそういう層に訴求しているのか知らんが、特長としているだろう芋の分厚さにも限度があんじゃねえの~~~~~~~~~~~???ぐらいのそれがある。
わかりやすく言えば、なんか酒飲みが食うあられとかが詰まってる亀田の柿の種系シリーズの中でいろんな煎餅が入ってるやーつの系列に入ってる、なんか海老仙的なやつを限りなくフラットにした真っ白いやつがあるでしょう。
ポテデラはこのあられフラット煎餅的やーつの厚さを越えている。ちょっと芋として度が過ぎている
なんか意図せずさよなら絶望のOPみたいな言葉を生んでしまいあまりうれしくない。
しつこすぎるんだよね、と思ったんですがだからパッケがクソ小せえのかも知れないと思った。だったら最初からそんな分厚いのにしなければいいのに
というわけで、ポテデラについてはこのあたりか……
一方ピュアポテ黒胡椒はその名の通り、伝説のカンポートペッパーが使われており真の「爽快ブラックペッパー」を演出している。
パッケージにはシェフをも魅了するそのペッパーとかかれているが、実際にその味わいはどうなのか。
期待を胸に開封すると香りがまず印象的だ。ポテトデラックスとは対照的に、袋を開けた瞬間から広がるペッパーの爽やかさが部屋全体を満たす。これはただのイッモじゃない、少なくともカルビーの「芋にこだわりすぎて、食感が少し重たい」デラックスとは一線を画すものだと感じさせられる。
口に運ぶとまずそのサクサク感に驚かされる。分厚く切られているのにこの軽やかさ。
これこそが「ピュアポテト」の真骨頂だろう。厚切りでありながら決して重たくなく、むしろ一枚一枚が軽やかに口の中で崩れていく。といいますか、ポテデラが厚すぎてどの大きさを食ってもけったいな気持ちになる。
イーモ本来の旨みがしっかりと感じられ、しかもそれがブラックペッパーと岩塩によって一層引き立てられているのだ。
カンポートペッパーが醸し出す爽やかな辛みはただの刺激ではなく、確かな風味を伴ったものだ。しかも辛さが口の中に長く残らない点が素晴らしい。
ポテトデラックスのように、食べた後に「重たいな………」と感じさせることは全くない。むしろ次々と手が伸びてしまうような軽快さがある。この軽さと深みのバランスがやはり「ピュアポテト」ならではのものだと断言できる。
しかし、ここで触れておかねばならないのは、湖池屋がダークパターンを採用しているという事実だ。
公式サイトを訪れた際、Cookie使用に関するポップアップが表示されるが「拒否する」という選択肢がない。
これは明らかにユーザーの自由を制限するものであり、現代のマーケティングにおいて極めて残念な手法だと感じざるを得ない。
ぼくはピュアポテの品質に心から感謝し優れた味に軍配を上げているが、こうした企業姿勢には眉をひそめざるを得ない。味で勝っても、ユーザーエクスペリエンスで負けているのは残念だ。
とはいえピュアポテトの食感と味わいのコンビネーションは、これまでに食べたどのポテトチップスとも異なる。特にポテトデラックスの厚みと比較してみると、その軽さとサクサク感は際立っている。
厚切りのポテトチップスに求めるものが何かによって好みは分かれるだろうが、ぼくの個人的な意見としてはピュアポテトが断然上だ。
ピュアポテトを食べた後にポテトデラックスに戻ると、その違いが一層際立つ。ポテトデラックスの厚さは、ある意味で極端だ。あれはあれである種の「重厚感」を味わいたいときには良いかもしれないが、日常的に楽しむ菓子としては、ピュアポテトの方がずっと適していると感じる。
そして忘れてはならないのが「ピュアポテト」のパッケージだ。シンプルで洗練されたデザインは、特別なひとときを演出している。ピュアポテトは単なる菓子ではなく、少し贅沢な時間を提供するという付加価値を持っている。
結論としてピュアポテト 伝説の爽快ブラックペッパーは、その名前に恥じぬ逸品であり、単なるポテトチップスを越えた存在……とまでは思わないが、ポテトデラックスはその独特の厚みと食感で一定の支持を得ているものの、食べ比べた結果、ぼくは断然ピュアポテトに軍配を上げたい。
もっとも湖池屋にはダークパターンの使用を是正し、真にユーザーを尊重する姿勢を見せてほしい。そうすれば製品の素晴らしさに対する信頼感もより一層高まるだろう。
ユーザー体験が製品の価値をさらに引き上げるという点では、ピュアポテトが優れているが、それを支える企業の姿勢にも改良が求められる。おいしい菓子を作る企業が、その誠実さでも輝いてほしいと願う。