ウンチと腸内細菌 便秘4
アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏 より
今回は、便秘の原因シリーズ4
便秘には以下のような原因があります。
便秘の原因
①食べ物
②胆汁の働き
③水分量のコントロール
④腸内細菌の働き
⑤腸の働きの問題
⑥骨盤底筋群の問題
⑦腰椎・骨盤・股関節の問題
今日は
③水分量のコントロール ④腸内細菌の働き
に関わる部分である
ウンチと腸内細菌
について説明をしていきたいと思います。
突然ですが、便は何でできていると思いますか?
「食べ物のカス?」
ほとんどが水分ですが
今日の話題の腸内細菌も入っています。
便は何で出来ている?
(理想的なバナナの形の便の場合)
便は上の図のように
・70〜80%は水分
・残りの20〜30%の内訳
食べかす1/3
腸内細菌(死骸も含む)1/3
腸の粘膜1/3
となっています。
ちなみに便の形によって水分を含む量が変わります。
大体、以下の表のような感じになります。
うんちの形の形ごとの水分量
便の状態によって、水分の含まれる量が異なることは、イメージつきますよね。
話を腸内細菌に戻すと
便全体の約10%程度は、腸内細菌である
ということです。
(この10%には、生きている腸内細菌も死んでしまっている腸内細菌も含まれています。)
150g の便であれば、10〜15g 程度の腸内細菌が含まる
ことになります。
ちなみに乾燥した1g の便に約1兆個の腸内細菌がいるそうです。
ウンチをする度に15兆個の腸内細菌がトイレに流されてしまうのですねぇ笑。
そもそも
腸内細菌とは、どんなものなのでしょうか。
腸内細菌は、大まかな分類として3つに分けられます。
腸内細菌の分類
善玉菌:悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促したりする菌
悪玉菌:腸内の中を腐らせたり有毒物質を作る菌
日和見菌:善玉とも悪玉ともいえず、体調が崩れたとき悪玉菌として働く菌
腸内細菌の理想的な割合
腸内細菌にも多様性があるんですよね。
元気な身体を維持するには、細菌においても多様性が必要。
1つの国、会社、グループにも、多様性が必要な人間社会と同じですね。
悪玉菌といっても、全く居なくなったらいいものではなくて、悪玉菌の中には、大事な役割を担っている菌がいることが様々な研究でもわかってきているようですしね。
【善玉菌の役割】
・善玉菌がエサ(オリゴ糖や食物繊維など)を分解して以下の有益な物質を作る
ビタミンB群、酪酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸など
・腸内を弱酸性にする(以下の2つの働きを促す)
○ 悪玉菌繁殖抑制:有害物質を取込むリスクを低下させる
○ 蠕動運動促進:排便を促し、有害物質などを速やかに排泄
【悪玉菌の役割】
• 悪玉菌は肉や脂肪を好む
肉などの高タンパク・高脂質の食物をたくさん食べる
➡︎ アミノ酸、胆汁酸、コレステロールが大腸に流れ込む
(通常、この2つは小腸で吸収される)
➡︎ これらを悪玉菌が分解し、発癌物質や有害物質などを作る
• 悪玉菌が作る有害物質
コレステロール代謝物、アンモニア、硫化水素、二次胆汁酸、アミン、スカトール、フェノール、インドール など
※最近は、善玉・悪玉・日和見と分けることが重要ではないとも言われてきているようですが、だいたいの働きをまとめて把握しておくことは良いことですよね。
まとめると
腸内細菌は、お腹の中で次のような活動をしています。
腸内細菌の役割
✅ ①病原菌を排除する
✅ ②消化を助ける
✅ ③ビタミンを合成する
✅ ④神経伝達物質などを脳へ送る
①病原菌を排除する
『人の免疫機能の70%は腸内細菌による働き』
70%ですよ!
免疫というと白血球などを含む血液中の免疫機能が一番に頭に思い浮かびませんでしたか?
大部分が、腸内細菌によって守ってもらっているという事実。
・風邪をひきやすい人
・インフルエンザなどの感染症にかかりやすい人
これに当てはまる人の中に、お腹の調子を崩しやすい人が多いのは、偶然ではないってことですよね。
これは、まだまだ仮説でしかありませんが
新型コロナウィルスに感染して、無症状や軽症の人もいれば、重症化して命にも関わってきてしまうという症状の出方の違いに、腸内細菌のバランスだったり、もっている細菌の種類も関わっているかもしれませんね。
腸内細菌の話は、長くなってしまうので、今回はここまでにしたいと思います🍀
最後までお読みいただきありがとうございました🍀
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