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物流企業がなぜ商品開発?オクラ100%パウダー御来楽ができるまで【開発ストーリー】

こんにちは、ソノリク農作物劇場スタッフの平川です。
本日はオクラ100%パウダー御来楽(おくらく)開発の舞台裏をお届けしたいと思います。

ソノリク農作物劇場を運営する福岡ソノリクは農産物の輸送や保管に特化した物流会社。物流企業がなぜ商品開発を?と思われる方も多いかもしれません。

そこで、開発にいたった背景から試行錯誤の様子や苦労した点など開発裏話をお伝えします。

1.開発のきっかけは、農作物への強い想い

開発のきっかけは、2020年3月にタイで農作物を生産する会社「タニヤマサイアム」をグループ会社として迎え入れたこと。

それまでは農作物を輸送・保管することが主な事業でしたが、オクラなどの農作物を作って売るという事業が加わりました。

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すると、生産者の抱える課題に直面しました。農作物の保管に強みを持つ当社であっても、オクラは鮮度を長期間維持することが難しい野菜です。鮮度を重視する価値観だけでは限界があると感じるように…。

生産者の立場に立つことで、鮮度以外にも長期間にわたって楽しめる農作物の魅力はないだろうか?と深く考えるようになりました。

そもそも「農作物の新たな魅力をみなさんと発見していく」というコンセプトを持つソノリク農作物劇場。採れたてだけではなく熟成を楽しんだり、曲がった野菜など規格外の形を愛でたりと、幅広い視点で農作物を楽しむことを目指しています。

その根底にあるのは、この取り組みを通して農業という業界に対する捉え方に変化を起こし、自社だけに留まらず、農業全体が盛り上がることにつなげたいという想いです。

新鮮さや見た目の美しさだけではない、野菜や果物が持つ個性を引き出して新しい価値を提供したい。

タイの契約農家とともに生産を続けていくためにも、新鮮なまま食べる以外のオクラの魅力を見つけたい。

そんな強い想いから、ソノリク農作物劇場はオクラ100%パウダー・御来楽の開発に乗り出しました。

2.材料はオクラだけ。なのに工場ごとに味が違う!

まず考えたのは、オクラの新しい魅力を届けられる加工のカタチは何だろう?ということ。

ペースト状は食べやすいものの、あまり日持ちしません。
丸ごともしくは輪切りにしたオクラを乾燥させると、日持ちはしますが固くて食べづらい…。
 
そこでオクラを丸ごと乾燥・粉砕してパウダー状にすれば、保存期間も長く、料理に混ぜたり溶かして飲んだりと色々な食べ方もできて楽しめる。

そうしてオクラをパウダー状に加工することに決め、3軒の工場に試作をお願いしました。

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試作品を食べてビックリ!工場ごとに味が全く違っていました

焙煎の度合いや粗挽きや細挽きといった挽き方粒の細かさによって、同じオクラをパウダー状にするだけでも香ばしさやフレッシュ感など味わいや色味が全く異なりました。それはまるでコーヒーのよう。

しかし、味わいもさることながら、最も重要なことは食品の安全性でした。加工食品はみなさんのお口にそのまま入るもの。たとえ味がよくても大腸菌群など菌数の値が食品衛生法の基準を超えては商品化できません。最終的に味もよく菌数をコントロールできた工場に製造をお願いすることになりました。


3.毎日オクラを食べつづけること半年、ついに完成!でも大きな壁にぶつかって…

こうして順調に完成したオクラパウダーですが、苦労したのは販売する際の形状を決めること。パウダー状のまま販売するか、お菓子やサプリメントのようにさらにもう一段階加工するかどうかで、大きな壁にぶつかりました。オクラは粘りが強いため、さらに加工しないと溶けやすさを追求できません。

焼き菓子に練りこんでみたり、カプセル状のサプリメントにしてみたり…。パウダー状のままではない方が、手にとっていただけるのでは?と試行錯誤が続きました。

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社長をはじめスタッフ一同が半年以上にわたって毎日オクラを食べ続け、「人生で初めてこんなにオクラに向き合った」というほど考え抜き、料理家の方にアドバイスもいただきながら、試作を重ねることおよそ1年。

大袋入りのパウダーという形状がベストであるという結論に至りました。

それは味わい方を限定せず、お客様の日々の生活に取り入れていただくため。

使用場面を明確にした方が、みなさんに手にとっていただきやすいのは確かです。しかし、オクラパウダーはまだまだ発展途上。私たちだけで可能性を限定するのではなく、時間がかかってもさまざまな方の意見を取り入れながら、食べ方やアプリケーションを充実させていく。

その過程こそが、ソノリク農作物劇場らしさであると考え、半人前ではありますが、世にデビューさせていただきました。

御来楽はパウダー1gでオクラ1本分の栄養があり、面倒な下ごしらえも不要で料理に混ぜるだけで手軽に摂取できます。パウダー状にしてもオクラの特徴であるネバネバ感はなくならず、栄養価も生の状態とほぼ変わりません。(逆にネバネバ感を取り除く加工をするとオクラの風味がとんでしまい、せっかくのオクラらしさを損ねてしまいます。)

それにも関わらず賞味期限は1年間と長く、生のオクラと比べてもメリットはたくさん。

健康の維持には日々野菜を食べ続けることが欠かせません。オクラに含まれるカリウムやミネラル、食物繊維、ムコ多糖類などの栄養素は糖尿病など生活習慣病の予防に役立つと言われています。

手軽なオクラパウダーを日々の習慣にして、健康になっていただきたい。

こうして、オクラ100%パウダー「御来楽」は完成しました。

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4.ソノリク農作物劇場から今後もぞくぞくデビュー予定!

農作物のさらなる可能性を広げるべく、ソノリク農作物劇場では新商品の開発を進めています。

2021年5月頃にはアスパラを使った商品が、9月頃には安納芋を使った商品がソノリク農作物劇場からデビューする予定です。

開発状況などもこちらのnoteでお伝えしていきますので、ぜひお楽しみに!

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