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おれはミワと公園で別れると、ひとりぶらぶら歩いて帰り道を辿った。頬に当たる風はまだ冷た…
桜の並木道を、英輔に少し遅れながらついていく。 もう少し暖かくなれば花が綻び、この道…
英輔は恥ずかしげもなく女子トイレから出ていく。彼はしばらく大股に歩いてから、わたしの手…
昼間の水槽は明るい。窓から注ぐ陽光は、この四角い部屋の何もかもをまぶしく照らし出す。 …
これはすっかり書いたことを忘れていました。 というのも今日アップするところまででたしか、…
高校の時、教科書に載っていた「徒然草」に自分で少し手を加えての掌編です。 と言っても、ほ…
「ばかじゃないの。」 夜の道を自転車で通り抜け、学校で彼女に会うなり、僕は言い放った。 雨が降ったせいもあり外は肌寒い。風も強かった。 息切れがして、思わずしっとりと湿った地面に座り込む。ひょいと上を仰ぐと、二階の図書室の窓からのぞく、彼女の気まずげな顔が見えた。 「僕が起こしたっていうのに、二度寝したのか。今さっき目が覚めたらもう夜中で?図書室も、学校も鍵をかけられて。」 聞いている吉川さんは、僕を見下ろし弱々しく笑う。 「司書の先生はどうしたの。気づいて、起こして
気づいたとき、雨はすでに降り止んでいた。 目の前では吉川さんが静かに寝息をたてている…
翌日の放課後も、やはり吉川さんは眠り込んでいた。 昨日とまったく変わらない位置と姿勢…
高校1年生の頃、入部したての文芸部で初めて書いた短編がこちらです。 わたし自身すごく当時…
その晩、僕はバクの夢を見た。 彼は突然真っ暗な僕の夢に現れ、神経質そうな足運びで近づ…
「亮介くんは、学校に行かないの?」 ある朝、朝食を食べていると、莉々が嫌な質問をしてき…
まだそれほど年を食っていないくせに白髪が多く、誰が見ても広すぎるでこをもった莉々の父…
高校生の時に、文芸部として活動していました。 部活動として定期的に会誌みたいなものを作って、無料で校舎のあちこちに置いていました。これはそれに載せた短い小説ですね。 何となくフレッシュな感じがします。 ほんの少し意識や空気を変えることで、流れがいい方へ動いていくことがあります。 大切なのは、何か変えようと考え続ける・動き続けることだと思いました。 金曜の夢には獏(ばく)が出る。 そう言ったのは、僕が一ケ月間だけ面倒をみることになった、小さないとこの口だった。 両