【読書感想】『DIE WITH ZERO』
(このNOTEは4分で読めます。約3,200文字)
先週末、大学時代にバイト先が同じだった友人と4年ぶりに会いました。仕事でずっと福岡にいた友人は、転職を機に東京に戻ってきました。久しぶりに会った友人にオススメされた本が『DIE WITH ZERO』でした。
このNOTEでは、『DIE WITH ZERO』についての読書感想を書きます。内容の要約でなく、あくまで私の感想ですのでご了承ください。主観的な感想も多くございますので皆さまの広いお心で読んでいただけますと幸いです。
【総評】
オススメ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★★☆
【対象とされる読者層】
・20代後半〜60代
→少なくとも学生は読まなくてよさそうな内容でした。
読了までの時間を計ったところおよそ80分でした。約250ページほどの書籍なのでそこまで時間がかからずに読了できる1冊です。
✅1、印象に残った内容と感想
1-1、ルール1 「今しかできないこと」に投資する
本書の導入部分。『過度な節約生活を送って今しかできない経験を逃してしまうことに意味はあるのか』ということを述べています。
キーワードとして『ライフエネルギー』という言葉が出てきます。『ライフエネルギー』とは、人が何かをするときに費やすエネルギーのことです。お金を稼ぐことはライフエネルギーを使っている状態です。
『ライフエネルギー』を意識すると衝動的な行動を抑制することができます。例えば、1時間で1,500円稼ぐ人がいたとします。その人が衝動的に1,500円のケーキセットを食べたくなった時、『このケーキは、私のライフエネルギー1時間の価値があるのか。』と自分に問いかけることによって、その衝動を抑えやすくなるというものです。
1-2、ルール2 一刻も早く経験に金を使う
ルール2もまだ導入段階です。ここでは、『モノではなくコトにどれだけ価値があるか』ということが述べられています。
キーワードとして『記憶の配当』という言葉が出てきます。物ではなく経験を重要視する理由として、経験それを経験した瞬間の価値だけでなく、それを思い出した時にも価値を発揮することが挙げられています。
たしかに、10万円の経験をした場合、その瞬間だけが10万円の価値というよりも、その経験を人に話したり、教訓を引き出すことによっても価値を引き出すことができると思いました。
1-3、ルール3 ゼロで死ぬ
ルール3は、筆者の主張がいよいよ前面に出てきます。この章では、老後への不安という漠然としたものへの対応として過度に貯蓄をすることは意味がないのではないか、という主張がされています。
書籍全体に言えることですが、筆者はむやみに浪費しろと主張しているわけではありません。人生に必要な金額を計算し、それを超える金額については貯蓄せずに今しかできない体験に使おう、と主張しています。
1-4、ルール4 人生最後の日を意識する
ルール4では、『お金に対するリスクは、保険会社の商品を利用することで避けることができる』と述べられています。
この章はサラッと読み流す程度で良いと思います。
1-5、ルール5 子どもに死ぬ「前」に与える
ルール5では、『自分が死んでからお金を子どもに相続するのでは遅い』と述べられています。その根拠として、相続者の年齢データが出てきます。相続者が最も多いのは60歳前後です。
もちろん人によるとは思いますが、同じ金額のお金でもその価値は年齢によって異なります。例えば、寝たきりの状態になっている人にとっての100万円の価値と、25歳の人にとっての100万円の価値は異なります。後者はそのお金で旅行やスポーツをすることができますが、前者はそのお金を活用する選択肢が限られるからです。
相続するお金に関しても同じことが言えます。60歳で1,000万円相続されるのと、40歳で1,000万円相続されるのとではそのお金の価値は異なるのです。
ルール5では、『なぜ死んでからお金を相続するのでは遅いのか』ということが事例を交えて説明されています。
1-6、ルール6 年齢に合わせて「金、健康、時間」を最適化する
ルール6では、『年齢とともに金・健康・時間の価値は変動するため、その年齢にあったそれぞれの使い方が重要である』と述べられています。
しかし、事例はいくつか出てくるのですが、十分と言える具体的内容は出てきません。『人によって違うので具体的には書けませんが、』と明言を避けているような印象です。
1-7、ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する
ルール7は、タイトル通りのことが豊富な事例とともに述べられています。
例えば、『スノーボードを始めてみたい!』と思っている25歳の方がいたとします。25歳時点では『スノーボードはいつでも始められるから、今シーズンではなく来シーズン始めよう。』と考えていたとします。
スノーボードですら期限があります。年齢を重ねるごとに確実に体力は落ちてきます。90歳の方がスノーボードをやるのと、25歳の方がスノーボードをやるのとでは、そのコストは全く異なります。もしかしたら90歳時点ではスノーボードは体力的にできないかもしれません。
その意味で、やりたいことには『賞味期限』があるのです。
1-8、ルール8 45〜60歳に資産を取り崩し始める
ルール8では、資産を使っていくタイミングについて述べられています。
死ぬまでに必要なお金を計算する式が紹介されています。
『DIE WITH ZERO』はアメリカの書籍を日本語訳している書籍であるため、この式は日本の社会保障に合わせて若干の修正が必要な気がします。
死ぬまでに必要なお金をつくることができたあとは、人生を最適化できる年齢である45~60歳の間に資産を取り崩し始めるのが良いと書かれています。
しかし、45~60歳の間が良いという明確な根拠は本書には出てきていないと思います。(出てきていたらすみません。見逃しています。)あくまで筆者のシミュレーション上は45~60歳の間が最適とのことです。
1-9、ルール9 大胆にリスクを取る
ルール9では、リスクを恐れて行動しないことこそがリスクであるため、リスクを取って行動した方が良いと述べられています。
リスクを恐れて行動しない場合、行動しないことによって時間が経過し年齢を重ねることで体力が衰えます。いざ『行動しよう』と思った時に体力が原因で行動に移せない可能性があります。
リスクを取らないことによって、別のリスクが増大している可能性があるということが書かれています。
✅2、総評
医療保険や生命保険について調べたことがある方には必要のない書籍かもしれません。医療保険や生命保険に関して調べたことがある方は、おそらく自分の人生でお金がいくらかかるかを試算したことがあるからです。必要以上に貯蓄する必要がないということをすでに理解されているかと思います。
そういった方にとって本書の内容は、知っている知識と重複した部分が多いと思いますので読まなくても良いと思います。
一方で、将来必要になるお金に関して漠然と不安を抱えているという方にはオススメの本だと思います。
また、本書の考え方自体はとてもよく理解できるのですが、根拠部分が弱いと感じました。数値的根拠や実験的な内容が出てくるとより面白いのかなと思います。
✅3、書籍紹介
※冒頭部分に記載した内容を再掲します。
【総評】
オススメ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★★☆
【対象とされる読者層】
・20代後半〜60代
→少なくとも学生は読まなくてもよさそうな内容でした。
読了までの時間を計ったところおよそ80分でした。約250ページほどの書籍なのでそこまで時間がかからずに読了できる1冊だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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