コータロー

「帰国子女」は手段?それとも、目的?それとも?!(元) 帰国子女がその謎に迫ります。 趣味はタイムマネジメント(システム手帳好き)、ギター(フィンガーピッキング)、読書(年間読書量100冊)、ランニング(ペース4分30秒)です。 たまに本の紹介もします。

コータロー

「帰国子女」は手段?それとも、目的?それとも?!(元) 帰国子女がその謎に迫ります。 趣味はタイムマネジメント(システム手帳好き)、ギター(フィンガーピッキング)、読書(年間読書量100冊)、ランニング(ペース4分30秒)です。 たまに本の紹介もします。

マガジン

  • #本の紹介 記事まとめ

    本は僕にとって、公私にわたるパートナーです。これまでに何回、読書から刺激を受けたり、読書に励まされたりしたことか。本の紹介を通じて、読書に対する感謝の気持ちを伝えたいと思います。

  • #ドイツ教育制度 記事まとめ

    何かと複雑なドイツの教育制度や、ドイツの教育現場が直面する課題などについてまとめています。

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そんなにすごいの、帰国子女って?!

帰国子女はとにかくすごい「帰国子女」と聞いて、みなさんはどのようなイメージを抱きますか? 「語学が堪能、イエス・ノーをはっきり言う、積極的」。このように、人間が持つべき望ましい特性のすべてを持ち合わせたかのように称賛されることが多いのではないかと思います。 しかし、帰国子女はそこまでもてはやされるべきでしょうか? 自己紹介しますこんにちは、コータローです。僕は生まれ育ちがドイツはフランクフルトの帰国子女です(0~2歳まで、8~20歳までの合計16年滞在)。 滞在中は、

    • 出版記念です!

      僕の初書籍『帰国子女に学ぶ グローバルで活躍する子どもの育て方』が発売されて、今月で一年が経ちました!  改めて、「よく自分が出版できたなぁ」と感心しています。というのも、「本を出したい」という願望と、書き留めておいたネタはあったものの、出版に関するノウハウやコネなどが一切なかった僕にとって、ゴールまでの道のりは完全に手探り状態だったのです。   「まずはやっぱり、興味をもってくれそうな出版社を探して、そこに企画書を送るべき?」ということで、自分が読んだことのある本の出版社

      • 夢は叶えるもの:本を出版しました!

        この度、僕の初書籍『帰国子女に学ぶ グローバルで活躍する子どもの育て方』が出版されました! 世界の距離がますます縮む中、子ども達はどのようなスキルを身につけるべきか。また、将来を担う子どもを育てる上で、帰国子女からどんなヒントが得られるのか?僕自身の帰国子女としての体験に基づいた「未来への提言」を皆さんと共有するのが、本書の目指すところです。 出版業界の仕組みも知らなければ、ライターとしてのツテもコネも一切ない僕がここまで来れたのは、ひとえに、「帰国子女に関連した本を書く

        • ありがとう、寅さん。

          僕が『自分の柱』を構築するために、日本への帰国を決意したこと、また、和也との出会いが、自分の背中を押したことは、すでに述べました。実は、僕が「日本に帰りたい」と思うようになったきっかけは、さらにもう一つあるんです。それは、渥美清さんが演じる『寅さん』でおなじみの『男はつらいよ』シリーズです。   僕がドイツで中学~高校時代を送っていた頃は、少なくとも僕を取り囲む日本人社会においては、日本に対する偏見が蔓延していました。「ドイツの学生はみんなマジメだけど、日本の学生はみんなチャ

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          「出版」という夢の実現まで、あともう少し!

          今春出版される僕の初書籍『帰国子女に学ぶ グローバルで活躍する子どもの育て方』のカバーデザインが決まりました! 案が3つあった中で、一番気に入り、僕も色々とアイデアを追加させていただいたバージョンが最終的に選ばれたことを、とても嬉しく思っています! 本って、こうやって形になっていくんだなぁ。 出版まであともう少し!楽しみです!

          「出版」という夢の実現まで、あともう少し!

          多様性の追求、いかに。

          今回は、こちらの本を紹介したいと思います: 内容を下記のとおり、ザックリまとめてみました: 個人個人はどうしても、一定の枠組み内で物事を捉えてしまう傾向がある。異なる考え方をもった人と接することで、認知的多様性(ものの見方や考え方の違い)が加味された集合知が生まれ、それは個の能力だけでは得られない結果を生み出すことにつながる。 集合知を得るには、個人個人の「知識」だけではなく、個々の「違い」も大切。組織や社会の繁栄は、個人個人の違いを活かせるかどうかにかかっている。

          多様性の追求、いかに。

          「ダイバーシティ」について考える

          「ダイバーシティ」は、職務内容や求められる資質を明確にした上で、それに合う人材を配置すること、つまり、「適所適材」が原理原則であると考えます。この、いわゆる「タスク型のダイバーシティ」においては、人材配置を考える上で性別や国籍などを判断基準にすべきではありません。なので、「男女比を再考しよう」だとか「外国人従業員をもっと増やそう」などといった、性別や国籍に基づく議論は、本来起こり得ないのです。 一方で、自分とは異なる人間がどのような立場に置かれているのかを理解する必要がある

          「ダイバーシティ」について考える

          日本へ帰国 → 事件が...

          真夏の蒸し暑い東京に戻ってきました。1995年6月末のことです。ギムナジウムの卒業式の翌日に帰国し、その翌日から予備校がスタートしたので、時差ボケになる暇もありませんでした。 大学に入学するまでの9ヶ月間にわたる受験生活が始まったわけですが、ドイツにいる間は特にこれといった準備はしませんでした。強いて言うなら、予備校への申し込みや生活拠点となる宿舎の選定、あとは入試が直前に迫っている大学の願書を取り寄せたぐらいです。ドイツ滞在中はアビトゥア関連で忙しかったこともあり、その他

          日本へ帰国 → 事件が...

          夢は叶えるもの

          この度、僕が書いた本が出版されることになりました! 本を出版することは、僕の長年の夢でした。とはいえ、出版のノウハウや、特別なコネがあるわけでもなく。それでも僕がここまで来れたのは、ひたすら行動し続けたからです。 行動あるのみ。これに尽きます。 今後は、出版社との打ち合わせなど、次のフェーズに移行。少しずつ具体化していくこの過程を楽しみたいと思います。 本のテーマは、「帰国子女」。帰国子女である方はもちろん、そうでない方も、「読んでよかった」と思える内容になりますので

          夢は叶えるもの

          救世主、現れる。

          僕は日本の大学に入ることを決意したわけですが、それには実は、もう一つの理由があります。それは、和也(仮名)との出会いです。   高校時代の僕といえば、「ドイツ語に自信がないし、学校も楽しくないから、早く辞めたい」とか弱音を吐いていたかと思えば、「日本の学生はみんなチャラチャラしていて、雰囲気もドイツとまるで違うし、自分には合わない」と根拠もなく決めつけたりと、今思えば、未熟であったが故、矛盾だらけでした。そんな中、南ドイツで開催された、日本人児童を対象とした催し物にヘルパーと

          救世主、現れる。

          で、なんで日本に帰ったの?!

          ギムナジウム卒業式の翌日、僕は日本に帰国しました。翌々日から始まる帰国子女向けの予備校に通うためです。 ある時、同時期にアビトゥアを受けた日本人の友人が「なんで弘太郎は日本の大学に進もうと思ったの」と真剣に聞いてきました。お互い、ドイツにもう何年も住んでいる上、ドイツの大学に進学することを決めていた友人にとって、僕の決断は理解し難かったのでしょう。 僕は、『自分の柱』を構築するために、日本に帰ることを決意しました。 これまで述べてきたように、当時の僕といえば、ギムナジウ

          で、なんで日本に帰ったの?!

          ギムナジウムを総括しよう

          ※※今後は月一ペースでアップしていきます※※ これまで複数回にわたって自分の体験談を書いてきましたが、その中で「オレはこうしてやり抜いた」と気づいた点があるので、改めて挙げることにします。「こうすれば大丈夫」という処方箋ではありませんが、ご参考になれば幸いです。 【友達をつくる】 たとえドイツ語に自信がなくても、友達の前なら「ちょっとぐらい間違ってもいいや」と思えるものです。なぜならば、そこには「間違っても許容してもらえる」と思える信頼関係があるからです。僕の場合、ギムナ

          ギムナジウムを総括しよう

          結果よければすべてよし...とするか!

          1995年6月末、全13年生そしてその保護者がギムナジウムの講堂に集まりました。卒業式の始まりです。和やかな雰囲気の中で、生徒は校長先生から卒業証書を受け取り、長年の苦労と努力を称え合いました。 そんなわけで、僕のギムナジウム生活は終わりました。学業的にいえば、アビトゥアを取得できたとはいえ、惨敗としかいいようがありません。どれだけひどいのか、卒業証書をみなさんにお見せしたいぐらいですが、やっぱり恥ずかしくて見せられないぐらい、ひどかったのです。 でも、いいんです。結果は

          結果よければすべてよし...とするか!

          アビトゥア、いざ!~本番編~

          当たって砕けろ的に挑んだアビトゥアの試験勉強。いよいよ本番を迎えました。1995年5月のことです。 音楽の筆記試験のテーマは『ブルース』。あるジャズバンドによるブルース演奏のスコアを分析するのが課題です。楽曲の構成や各楽器の紹介などといった基本情報をはじめ、各パートがどのような役割を果たしているのか、例えば「サックスによるソロのスケール名を特定した上で、その旋律がどのように構築されているか」について論述するのです。 テーマは「ブルースかフーガのどちらか」と事前に聞かされて

          アビトゥア、いざ!~本番編~

          アビトゥア、いざ!~準備編~

          親父の「まぁそういうな」の一言に背中を押され、アビトゥアの勉強に本腰を入れたのが、13年生になるちょっと前。それは、「今から何をどうしたいの?!」と呆れられても仕方ないぐらい、遅すぎるスタートでした。 アビトゥアの評価方法について特記すべきは、高等部において得た成績がすべて加味されることです。それは言い換えれば、試験当日にどんなに頑張っても、高等部の成績が悪ければ、その分だけ総合成績が下がってしまうことを意味します。つまり、高等部に進学した時点で、アビトゥアへの道が始まって

          アビトゥア、いざ!~準備編~

          【コラム】過渡期を迎えるアビトゥア制度

          報道によると、最近ではアビトゥアで高得点を獲得する生徒が増えているようです。少し遡りますが、高得点取得者の割合が、2008年には20%であったのに対して、2018年には26%に上昇。つまり、4人に1人が高得点取得者ということになります。ここで注目すべきは、高得点取得者の割合が州によって異なる点です。2018年の結果を見ると、首位のThüringen州と最下位のSchleswig-Holstein州では、開きが約2倍となっています。 高得点取得者が増えているにもかかわらず、大

          【コラム】過渡期を迎えるアビトゥア制度