ビジネスにも活かせる「あるがまま」の森田療法
「森田正馬(もりたまさたけ)(1874~1938)」をご存知ですか?
急に誰?
そう思った方もいるかもしれませんね。
この方は「森田療法」という精神療法を考案された方です。
あなたに「この療法を受けに行け」とは言いません。
ですが、森田療法の考え方は何が何でも知ってほしいのです。
森田正馬と森田療法とは
森田療法は日本の精神科医、森田正馬氏が創設した精神療法です。
1937年には東京慈恵会医科大学名誉教授となられた凄い方。
主に以下のような神経症に対して有効とされた精神療法です。
強迫症(強迫性障害)
社交不安症(社交不安障害)
パニック症(パニック障害)
広場恐怖症(広場恐怖) など
あなたが社会生活や誰かとの関係に悩んでいるのなら、本当に知ってもらいたい。
あなたの心の中で起こっている悩みや苦しみを見つめることが出来るようになります。
この療法を象徴する言葉があります。
それは「あるがまま」という言葉です。
森田療法はある考え方を前提としています。
欲望には2面性がある。
人間の欲望には2面性が存在する以上、悪いとされる部分も認めようという考えです。
例えば、部屋を奇麗にしたいと思うのと同時にめんどくさいから掃除したくないと考えるようなことです。
事実をそのまま認める。
つまり、受け容れる。
私は学生時代に自分の存在意義や親との関係に悩み苦しんだことがあります。
そのときに森田療法の考えを取り入れ、辛い時期を乗り越えました。
「アダルトチルドレンとして苦しんでいるのは親のせいだ。親が憎い気持ちもある。」
「だが、一方で親との関係性を改善したい自分もいる。」
両方の気持ちを素直に受け容れ、自分がどうしたいのかを考えました。
普通なのです。
あなたの心には2つの欲望が存在していて良いのです。
あなたは神経質性格?
では、そもそも何で相反する2つの欲望に苦しんでいるのでしょうか?
もしかしたら、あなたの性格は神経質性格かもしれません。
・あなたは完璧主義者ですか?
・あなたは内向的ですか?
・あなたは心配性ですか?
これらの項目に当てはまる場合、あなたは神経質性格かもしれません。
私は全ての項目に当てはまります。
「何かあっても自分が悪い。」
「自分がもっと素晴らしい人間だったら。」
そんな風に思うことが多かったです。
他の記事でもお伝えした通り、私は機能不全家族で育ったアダルト・チルドレンです。
性格の形成に、家庭が与える影響はとても大きいとされています。
私がこのような性格に育った原因を挙げるとしたら。
「家庭」は真っ先に挙げられる要素だと思います。
親が精神的に問題を抱えていないのに、神経質性格になる人もいると思います。
それは、親の職業が教師や警察官などの職業に就いている場合。
この家庭で育つ子供は「かくあるべし」という理想を親に押し付けられやすい傾向にあるのです。
どちらにしろ、「かくあるべし」という枠組みを心に作ってしまう。
それが、神経質的性格を持つ人の共通点です。
あなたはその理想と現実の乖離に苦しんでいる。
しかし、その乖離にとらわれる必要はありません。
乖離がもたらす、「自分が居ない方が皆の為」という考えを待たなくて良い。
「あるがまま」に不安や恐怖を受け容れてください。
排除しなくて良いのです。
その上で、自分の心と向き合い、自己実現を果たす為の行動を少しずつ始めてください。
そうすることで、遠い所に居る理想の自分ではなく「ここに居るそのままの自分」を見つめることが出来ます。
不安を感じたら、この言葉を心の中で唱えてください。
「あるがまま」
自分の感情に素直になること。
意識をしてみてください。
ビジネスにも活かせる森田療法
近年話題になった「マインドフルネス」も『いま、この瞬間の気持ち』に目を向けるという仏教の思想に基づいています。
森田療法も同じような東洋思想に基づいているので、マインドフルネスと絡めて「あるがまま」を中心概念とした森田療法が扱われることも多くなってきました。
この「あるがまま」という考え方は、ビジネスにも有効活用できるのです。
あなたは「自己実現を果たしたい」と同時に「その為の努力から逃避したい」とも思っている。
そこで森田療法の考え方を思い出してください。
逃避欲求をそのまま受け容れ、その上で自己実現欲求に従ってください。
それがあなたの成長に繋がる選択をするコツになります。
今日もありがとうございました。