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【マーケティング】消費者は自分のニーズがわかっていない!?──ニーズの発生モデル
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
今の時代、商品・サービスの差がつきにくくなっていることは、下記のnote記事でもお伝えしました。
それは、目まぐるしい技術革新が進み、その機能や価格のレベルも頭打ちになっている現状、いわゆる「コモディティ化」が常態化しているからです。
今まで2万人超の消費者の潜在ニーズを掘り起こしてきた、気鋭の消費者心理分析専門家として知られる犬飼江梨子さんは、新刊『消費者ニーズの解像度を高める』の中で、消費者は自分のニーズがわかっていないとし、「ニーズの発生モデル」を交えながら、その背景を詳しく解説しています。今回はその該当箇所を全文公開します。
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人間の脳は、ニーズを認識し、行動に移すまでのプロセスを無意識に行なっています。つまり、商品を使うときも、普段の買い物でさえ、ほとんどが無意識で行なわれているということです。
つまり、消費者は、自分のニーズを明確に認識することはできていないということになります。
それでは、ニーズ・行動発生までのプロセスを見てみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1731943942-uoYxC9gqKdAkhiLZvUf1PaF3.png)
まず、外部刺激もしくは身体感覚からの内発刺激によって、問題や欲求を認識するきっかけが発生します。刺激を受け取った脳が情報を解釈し、今起きている状況を認知します。ここで、過去の経験や今まで積み上げてきた知識がどのように物事を認知させるかに影響を与えます。
認知の結果として、好き嫌いや欲求などの感情が発生します。
感情の発生が引き金となって、特定のニーズが認識され、適切だと思われる行動を選択します。
いくつかの選択肢がある中で、強い感情やニーズに基づき、1つの行動を選択することになります。
無意識で行動を行なうことがほとんどであるため、消費者の記憶は非常にあいまいです。
人間の脳の仕組みによると、記憶は写真を見るようなものではなく、思い出すたびに再生されるものだと言われています。
つまり、質問の仕方によってどのようにでも答えが変わります。映像をどのように再生してもらうかによって、その結果が大きく変わることはよくあることです。
「商品を買わなかった理由は何ですか?」「どんな商品が欲しいですか?」など、それが本当かどうか聞いても、消費者本人でさえわからないような質問をしてしまうと、間違った商品ができあがってしまうことはよくある間違いだと言えます。
言語化できていない無意識領域を、いかに正しい形で引き出すかが重要になります。意識している5%を使って、残り95%の無意識領域や感情の世界にアクセスすることを試していくのが調査を行なう上で重要なポイントとだと言えます。
〈著者プロフィール〉
犬飼江梨子(いぬかい・えりこ)
消費者心理分析専門家。株式会社イー・クオーレ代表取締役。米国NLP協会認定マスタープラクティショナー。LABプロファイルトレーナー。
2005年、株式会社ドゥ・ハウス(現・株式会社エクスクリエ)に入社。マーケティングリサーチ部に所属。食品、飲料、化粧品、医薬品、日用雑貨品のメーカーを主なクライアントに持ち、クライアントの課題解決に向けて、定量調査から定性調査まで幅広い調査に携わる。2013年、株式会社イー・クオーレ創業。定性調査をメインの事業に据える。膨大な質的データをわかりやすくビジュアル化することが得意。消費者心理分析専門家として、20年間に500案件以上を受託し、2万人の消費者にインタビューを実施。人の心と脳の仕組みを学び、インタビューに活かすため、心理学・脳科学について学ぶ。心理学的アプローチを取り入れたラポール形成、深層心理を掘り下げるインタビュー手法について研究。エビデンスを踏まえてユーザーを体系的に分類するプロファイリングメソッドを確立。リサーチ結果からより精度の高いセグメンテーションとターゲティングを可能にした。狙うべきメインターゲットに対し、どのような施策を行なうべきかの提言には定評がある。全国各地での講演会や「デジタルマーケターズサミット」への登壇、「MarkeZine」(翔泳社)等の各種メディアに寄稿し情報を発信中。
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いかがですか?
脳科学と心理学をベースに、これまで培ってきた経験、知識、知恵から導き出した「ニーズ・ファインディング・メソッド」について、豊富な事例を交えながらわかりやすく解説した新刊『「消費者ニーズ」の解像度を高める』(犬飼江梨子・著)は、全国書店およびネット書店で発売中です。競合他社との差別化や消費者ニーズの把握に悩む経営者、マーケターの方にお役立ていただける1冊です。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
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▼新刊『「消費者ニーズ」の解像度を高める』の「はじめに」「目次」は、こちらで全文読めます。
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